- 注:略語説明
- PDA(Personal Digital Assistant)
メタノール燃料電池の試作品と,この電池で駆動するモバイル機器の例(a),(b),(c)
ユビキタス情報社会を実現する電池電源として,メタノール燃料電池が期待されている。この燃料電池は,燃料を入れ続けさえすれば,充電する必要がなく,いつでも,どこでも利用できるキーデバイスになる。(a)はメタノール燃料電池を内蔵したマルチビューワ,(b),(c)はピギーバック型メタノール燃料電池を搭載したノートパソコンの概観をそれぞれ示す。
モバイルパソコンや携帯電話などの情報機器類は,今では日常生活に欠かせないツールとなっており,今後の情報家電などの普及も相まって,「ユビキタス情報社会」の到来が現実味を帯びてきている。一方,これらモバイル機器類の消費電力の増加を十分カバーできるような電池電源システムがまだ開発されていないという実態がある。
現在利用されているLiイオン二次電池は,理論的限界にまで開発が進んできている。そのため,メタノール燃料電池電源システムが新たなエネルギー源として注目されてきた。この燃料電池は,メタノールと水,および酸素から電気を生み出す,いわばマイクロ発電機である。燃料と空気の供給で発電を開始し,排出物は水と二酸化炭素だけである。日立製作所は,メタノール燃料電池を実用化するため,キーになる材料開発からシステムまで一貫した開発を推進中である1)。燃料補給には,リサイクルが可能なカートリッジの利用を計画している。