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ゼネラルモーターズ(GM)社向け
BASハイブリッドシステムの開発

HIGHLIGHTS 2007
 
 


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オートモティブシステムグループ事業開発本部第一事業開発部の志賀道憲部長代理(左),EP事業部EP本部エレクトリックパワートレイン機器設計部の守永大策チーフプロジェクトリーダー(中央),EMS事業部EMS本部インバータ開発センタの高野和朗チーフプロジェクトリーダー(右)
 環境問題に対する関心の高まりを背景に,ガソリン(またはディーゼル)エンジンと電気モータを組み合わせることでエネルギー効率を高め,環境負荷の低減に貢献できるハイブリッドカーが注目を集めている。日立グループは,蓄積してきたモータやインバータなどの技術を基に,ハイブリッドカー関連技術の開発に力を注いでいる。その成果を生かし,ゼネラルモーターズ社のハイブリッドカーに搭載されるシステムを開発・製品化した。
 
 

BASハイブリッドシステムとは

 
 ハイブリッドカーは,電圧や機構の違いなどによって幾つかの種類に分けられますが,米国ゼネラルモーターズ(GM)社の「BAS(Belt Alternator Starter)ハイブリッド」は,36Vの二次電池を搭載し,既存のガソリンエンジンカーとの置き換えが比較的容易な,マイルドハイブリッドと呼ばれるカテゴリーに属します。エンジンとモータをベルトでつなぎ,モータがジェネレータ(発電機)とスタータも兼ねるシステムで,2006年秋から北米で発売された「Saturn Vue Green Line Hybrid」に搭載され,ガソリンエンジンと比べて約20%,燃費を向上しています(GM発表)。日立が開発したのは,MGU(Motor Generator Unit)と呼ばれる発電機能を持つモータと,それを制御するPEB(Power Electronics Box)と呼ばれるインバータです。単にハードウェアだけでなく,インバータの中に組み込まれた制御用ソフトウェアまで含めたシステムとして開発しました。
 
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「Saturn Vue Green Line Hybrid」のハイブリッドシステム構造
 
 

モータとインバータの特長は

 
 モータは一般的な製品と比べて質量が6割程度と軽く,小型でありながら,同等以上のトルク特性を実現しています。低回転域はもちろん,高回転域でも一定のトルクを発揮できるのが特長です。BASハイブリッドは,停止時のアイドリングストップと発進時のモータによるアシストだけでなく,急加速時や走行中も頻繁にモータによるアシストを行い,燃料を節約します。その点にも,このモータの特性が生かされているようです。発電機能では,私たちが長年,オルタネータで培ってきた技術を生かして,最大5kWの発電能力を発揮します。
 インバータは,モータ以外の部品も制御する役割を担っているのですが,通常の自動車の部品は12V用に作られているのに対し,搭載しているMGUによる発電は36Vですから,電圧変換が必要となります。そのためにDC/DC(Direct Current/ Direct Current)コンバータ機能も内蔵し,なおかつ小型化を実現していることがポイントの一つです。また,インバータのパワーモジュールは発熱量が大きく,冷却する必要があります。しかし,専用の冷却装置を付けていたのでは構造が複雑になって,コストアップにつながってしまうことから,エンジンの冷却水を利用する機構としました。
 車載用システムは,激しい温度変化などにさらされる過酷な環境の中でも,高い信頼性を保つことが求められます。そのため,3年の開発期間のうち,温度試験や耐水性・耐振性などの耐久試験に1年以上を費やしました。
 
 

ハイブリッドの未来は

 
 ハイブリッドシステムの本格的な量産には,これまでオートモティブシステムグループの中にはなかった技術も必要だったため,グループ内のさまざまな分野から人材や技術などのリソースを集めて開発にあたりました。いわば,日立グループの総合力を象徴するような製品です。この経験を生かしながら,今後予定されているお客様の車種展開に応えていくと同時に,ストロングハイブリッドと呼ばれる高電圧のハイブリッドシステムにも本格参入していくのが目標です。環境問題を考えると,今後,ハイブリッドカーは自動車全体の中でも大きなシェアを占めるようになると予想されます。そのキーコンポーネントである,モータ,インバータやバッテリーなどの性能向上に引き続き取り組み,ハイブリッドカーの普及に貢献していきます。
 
 
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