
パーソナル・ヘルスケアベンチャーカンパニーの吉田輝部長代理(左)と内田剛主任技師(右)
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ライフスタイルの変化や高齢化を背景に,生活習慣病が増加し,大きな社会問題のひとつとなっている。日立製作所パーソナル・ヘルスケアベンチャーカンパニーでは,生活習慣病の予防と治療に貢献することをめざし,小型自動分析装置を開発した。これによって,小規模な医療機関などでも,迅速に正確な血液の検査データが得られるようになり,地域のかかりつけ医による健康管理を支援する。
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ベンチャーカンパニー設立の経緯は |
| 近年,増加している生活習慣病,その予備軍であるメタボリックシンドロームの予防・治療で大切なのは,日常生活の中での長期的な健康管理です。そのためには,家庭での簡易検査や,気軽に足を運べる地域の診療所,クリニックにおける医療の充実,具体的にはPOCT(Point of Care Testing:簡易迅速検査)の普及が必要となっています。そのPOCTの提供を通じ,これからの医療に貢献する目的で,パーソナル・ヘルスケアベンチャーカンパニーは2002年9月に設立されました。日立製作所の中でもこれまでにない事業分野へのチャレンジだったため,ベンチャーカンパニーという形でスタートしたのです。私たちのミッションは,個人や家庭,小規模医療機関のそれぞれにキーデバイスとなるPOCT製品を提供していくことですが,その最初の製品として2006年4月に発売したのが,小型自動分析装置「クリニカルアナライザーS40」です。 |
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小型自動分析装置「日立クリニカルアナライザーS40」
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クリニカルアナライザーS40の特長は |
従来,診療所などで使われている小型分析装置は,装置メーカーごとに独自の方法で測定するドライ方式と呼ばれるものが主流で,大病院に備えられている標準法に対応した大型分析装置とはデータ互換性がありませんでした。そのため,正確な検査データを得るためには,血液の分析を外部の検査センターに依頼する必要があり,結果が出るまでに長い時間を要するのが問題でした。クリニカルアナライザーS40は,大型分析装置と同じウェット試薬を使用しています。それによって,小規模な医療機関でも大病院と同様に,信頼性の高い検査データを30分程度の短時間で得ることができるのです。
こうした装置は以前から強く望まれていたのですが,ウェット試薬の扱い方が課題でした。また,試薬はロットごとに微妙な差異があり,正確な検査のためには,専門の臨床検査技師が複雑な装置の設定を行い,調整する必要があります。それらの課題を解決するため,私たちは専用カートリッジに試薬を封入し,そのカートリッジに付けた二次元コードによって,自動的に装置の設定を行う方法を開発しました。必要な試薬と患者さんの血液をセットするだけのきわめて簡単な操作で,最大40項目の検査ができるのも大きな特長です。
診察現場での検査については,国もその重要性を認めていて,2006年4月からの医療保険制度改正で,迅速検体検査加算という項目が診療報酬の中に追加されました。それはクリニカルアナライザーS40の普及にも追い風となっています。
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今後の展望は |
まずは,検査項目のさらなる拡充を図ることです。特にLDL(Low-Density Lipoprotein)コレステロールおよびHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を早期に検査可能とすることで,メタボリックシンドロームの健康診断の血液検査10項目をすべて満たせるようにします。さらに,国内のみならずPOCTの発展している欧州や,成長が見込まれるBRICs(ブラジル,ロシア,インド,中国)での販売展開も計画しています。この製品を通じて,グローバルに医療の充実,生活習慣病の予防・治療に貢献していきたいですね。