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超大型液晶ディスプレイ時代の
大型カラーフィルタの製造技術
――第8世代液晶用大型ガラス基板露光装置

HIGHLIGHTS 2007
 
 


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写真
 
株式会社日立ハイテクノロジーズ ファインテック製品事業本部プロセスシステム部の松本房重統括主任技師(左),同本部プロセスシステム部の高橋聡主任技師(右)
 液晶ディスプレイは,当初,PCモニタのCRT(Cathode Ray Tube)に代わるものとして市場を拡大してきた。2000年以降,その比率は逆転し,現在はPCモニタのほとんどが液晶ディスプレイとなった。そしてテレビにおいても,CRTと液晶ディスプレイの比率は国内出荷台数ですでに逆転し,より大型化の方向に進んでいる。株式会社日立ハイテクノロジーズが開発を重ねてきた大型ガラス基板露光装置は,その中核を担う技術である。
 
 

開発の背景は

 
 液晶テレビの大型化が進む中,液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)の主要な構成部材であるカラーフィルタも,より高品質,大型化が求められています。そうしたニーズに応えて開発を続けてきたのが,大型ガラス基板露光装置です。液晶ディスプレイのカラーフィルタは,写真製版の技術を応用し,マスクと呼ばれる原版を,感光性レジストを塗布したガラス基板に露光,現像処理して作ります。PC(Personal Computer)モニタは20インチ前後の大きさが主流になりましたが,はるかに大きな市場を持つテレビは,現在40〜42インチが主流であり,今後は50インチ超のニーズも予想されています。1990年以降,ガラス基板露光装置は加速度的に大型化が進み,2002年の第5世代機で1,100×1,300(mm)であったガラス基板の大きさは,2006年の第8世代機では2,200×2,500(mm)と,面積比で4倍以上に大型化しました。これにより,40インチ液晶テレビ用のカラーフィルタを1枚の基板から8面取れるようになり,高い生産性を実現しています。
 
写真
 
第8世代液晶用大型ガラス基板露光装置(縦・横12 m,高さ4.5 m)
 
 

液晶用大型ガラス基板露光装置の特長は

 
 超大型化したカラーフィルタの高精度,高効率な生産を可能にした日立独自の技術にあります。一つは,ガラス基板に原版マスクをぎりぎりまで近づけて露光する「Proximity露光方式」。カラーフィルタはマスクと1対1のサイズ比で転写露光するため,マスクにレジストが付着しないように微小なすきまを空けつつぴったり重ねる必要があります。わずか200mほどというそのすきまは,石英を母材とする一辺1.4mほどのマスクの自重を負圧で吸い上げる独自の方式により,均一に,かつ,マスクにたわみが生じないよう工夫されています。二つ目は,第5世代機以降,他社に先駆けて開発,採用した「XYステップ露光」方式。ガラス基板をマスクに対してX軸Y軸方向に移動させ,効率的に多面露光する方式です。いったん800mまで離して移動させ,再び微小で均一なすきまを短時間に作るという非常に高精度な技術です。そして三つ目が,2台のステージにガラス基板をセットし,交互に露光することで,基板を入れ替える際の時間的ロスを最小限にとどめた「ダブルチャックステージ方式」です。このほか,露光光源の高出力化による処理時間の短縮も図られています。
 
 

今後の展開は

 
 マスクに描画されたパターンをガラス基板に露光・転写してカラーフィルタを作る現在のやり方では,RGB(Red,Green,Blue)三原色のそれぞれのマスクのほか,ブラックマトリックス用,電極用マスクを使い,4〜5回の露光・現像処理が必要になります。生産性を高めるためには処理時間の短縮が重要課題であり,将来に向けた技術の開発も始まっています。例えばインクジェット方式であり,あるいはデジタル化したパターンを光で一度に描画していく方法などです。マスクを作る時間も短縮でき,1枚数千万円という高価なマスクが不要になるコスト的メリットもあります。
 このような技術革新へのチャレンジを続ける一方で,高精細画面など,現在の露光方式が最も適している液晶パネルもあり,第8世代以降のさらに大型化した装置の開発にも取り組んでいます。
 
 
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