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垂直磁気記録方式HDDの
量産化成功とさらなる進化

HIGHLIGHTS 2007
 
 


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写真
 
日立製作所中央研究所ストレージ・テクノロジー研究センタの細江譲主管研究員(左)と株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ技術開発本部の高野公史本部長(右)
 ユビキタス情報社会を迎え,PCで取り扱うデータ量の増加,デジタル映像機器の普及などから,HDDに求められる記録容量は増大する一方である。日立グループは,大容量を実現する次世代の記録方式として期待されてきた垂直磁気記録方式を実用化し,この方式による2.5型HDDの量産に成功した。その実績を基に,今後もさらなる大容量化・高い信頼の実現に取り組んでいく。
 
 

垂直磁気記録方式とは

 
 HDD(Hard Disk Drive)に代表される磁気記録技術では,これまで用いられてきた水平(面内)磁気記録方式が,高密度化の物理的限界に近づいています。その限界を見越し,次世代の記録方式として1975年に東北大学の岩崎俊一名誉教授(現在は東北工業大学学長)によって発明されたのが,垂直磁気記録方式です。記録媒体上の微細磁性粒子を,磁気ヘッドで垂直方向に磁化することによって情報を記録する方法で,隣り合った磁性粒子が反発せずに安定した状態となるため,いっそうの高密度化を可能にします。日立グループは,その実用化をめざして産学連携の下で開発に取り組んできた結果,2006年7月より,垂直磁気記録方式2.5型HDDの量産を開始しました。 写真
 
垂直磁気記録方式採用のHDD
 
 

量産化成功の鍵となったのは

 
 最も大きな要素は,日立グループの豊富な研究開発リソースです。量産化のためには,記録媒体や磁気ヘッドの材料・構造など,あらゆる面で従来とは異なる技術が必要であり,製造技術においても従来以上の精度や信頼性が求められます。それらの開発において,各研究所との協力体制が築けたことが,スピーディな量産立ち上げにつながりました。
 技術の具体的なポイントは,外部磁界耐性と耐食性です。垂直磁気記録方式では,記録層の下に磁気ヘッドからの磁界を強く引き込む軟磁性下地層を敷いた二層構造の記録媒体により,垂直方向の磁化を容易にし,記録性能を高めています。軟磁性下地層には,外部磁界の影響も受けやすくなるという問題もありましたが,磁気ヘッドの構造などを最適化することで,外部磁界への耐性を高めました。また,磁性が強い材料はさびやすい傾向があるため,添加元素などの工夫によって耐食性を向上させています。
 私たちは,量産化に先立ち,多数のプロトドライブをノートPC(Personal Computer)などに実装し,2004年12月からフィールド試験を行ってきました。量産化にあたっては,その結果を反映して従来と同等以上の信頼性を確保しており,主要カスタマーの厳しい品質テストもクリアして,すでに数多くの製品に採用されています。
 
 

さらなる進化に向けた取り組みは

 
 研究レベルでは,2006年9月に平方インチ当たり345Gビット(3.5型HDDで2Tバイトの記憶容量に相当)の記録密度を達成し,2007年には1Tバイトの3.5型HDDを製品化する計画です。今後いっそうの高密度化を図るには,限られた磁界の強さでも安定して情報を記録する技術が要求されることから,熱を利用して磁気ヘッドと記録媒体の距離を近づけることで,記録しやすくする仕組みを開発しています。また,すでにナノメートル単位の制御が必要な世界であり,記録媒体の製造技術の進化も必要です。さらに,未来を見据えた取り組みとして,媒体の微細なパターニングや光スポットによる極微小領域の加熱によって情報ビットをさらに微細化する革新的な記録方式の研究も進めています。グループの幅広い研究体制を生かしたHDDの大容量化・高い信頼性の実現を通じ,これからもユビキタス情報社会の発展に貢献していきます。
 
この成果は,1995年度から2001年度に経済産業省および独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した超先端電子技術開発促進事業である「技術研究組合超先端電子技術開発機構(略称ASET)」にて行われた研究開発成果などを基にして,株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズがさらに研究開発を進めた結果得られたものです。
 
 
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