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循環式マルチカーエレベーターと
大容量エレベーター用並列インバータ

HIGHLIGHTS 2007
 
 


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写真
 
機械研究所第三部の萩原高行研究員(左),日立研究所インバータイノベーションセンタエレベータユニットの森和久研究員(中央),綾野秀樹研究員(右)
 超高層ビルでは,短時間で,より多くの乗客を輸送できるエレベーターシステムが望まれている。このシステムとして,途中階まで一気に運行し一度に大量の人員を輸送できる大容量・超高速エレベーターと,同一の昇降路内で多数の乗りかごを運行するマルチカーエレベーターとを組み合わせることで,エレベーターの占有面積が小さくなると期待できる。
 これに向け,日立製作所は,1/10スケールの循環式マルチカーエレベーターを試作し,機構系動作を確認した。また,世界最大級の輸送力を持つエレベーターを駆動する並列インバータを開発した。
 
 

革新的な輸送力向上への切り札

 
 100階建て前後の超高層ビルにおいては,途中の60〜80階などに設けた乗り継ぎ階(スカイロビー)までシャトルエレベーターで行き,そこから先の各階へはローカルエレベーターで行く,いわゆるスカイロビー方式が採られています。マルチカーエレベーターは,大幅な昇降路スペースの増大を招くことなく,同時に複数階で利用できることから,ローカル輸送の効率アップの切り札として期待されています。けれどもこれまでは,アイデアとしてはあっても,実現するメカニズムが確立されておらず,経済的メリットに見合った低コストの駆動技術の開発が待たれていました。そこで,比較的低コストで実現可能なロープで駆動する方法を考案し,案内レールを工夫して乗りかごを循環させる循環式マルチカーエレベーターの試作機を開発しました。2台の乗りかごを取り付けた循環ロープを,何組も同一の昇降路内で循環させることで,多数の乗りかごを独立運行できます。2台の乗りかごが,釣り合うように設置することで,乗りかごの重さを相殺し,余分な駆動力を必要としないよう工夫しました。10〜20階床程度のローカル運転で従来型エレベーターと比較した場合,単位面積当たり2〜2.5倍の輸送力が見込めます。
 
 

大容量・超高速化ニーズに対しては

 
 近年,国内・海外で次々に建設される大規模ビルでは,観光を目的とした展望スペースを設置するケースが多く,地上ロビーと高層展望フロアを結ぶ効率のよいシャトル輸送が必要不可欠となっています。乗りかごを上下2段に配置し,2倍の人員を輸送することで,一度に大量の人員を輸送できるダブルデッキエレベーターは,ビル内の空間を有効活用できるうえに,大量輸送に適していることから,その超高速化と相まってますます増える傾向にあります。そのニーズに応え,積載質量4.5t,毎分480m,昇降行程400m級の大容量・超高速エレベーターを駆動する並列インバータを開発しました。インバータの出力は,電流と電圧の積で決まりますが,エレベーター用インバータは一般のビル内で用いるため,変電所のような高い電圧を使用することができません。電圧が限られる中,インバータの大容量化を実現するために,電流量を増加させたインバータのセット並列制御技術の向上を図りました。
都市開発:大容量・超高速エレベーターの開発ページ参照(PDF: 356kbyte)
 
 

今後の展開

 
 ビルの大規模化,高層化が進んでいく中で,シャトル輸送のさらなる大容量化・超高速化ニーズに向けて,インバータ単体容量の増大技術の開発に取り組んでいきます。また,ローカル輸送の革新的な向上をめざし,ミニモデルで機構系の検証を終えた循環型マルチカーエレベーターについては,今後,安全システムの構築など実用化のための開発を進めていきます。 写真
 
循環式マルチカーエレベーター(試作機)の外観
 
 
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