
日立製作所 執行役社長

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平素より「日立評論」をご愛読いただき,心より御礼申し上げます。皆様に支えられ,本年も,日立グループの技術トピックスを一堂に集めてご紹介する「2007年度 日立技術の展望」をお届けできることとなりました。
少子高齢化時代に突入したわが国では,社会,経済とも成熟期を迎え,真の豊かさとは何かが問い直されています。また,わが国も含めて広く世界へ目を向けると,地球環境の保全,持続可能な社会の形成に向けた資源・エネルギー問題,社会不安の解消に向けたセキュリティ対策,生活の質の向上など,さまざまな新しい課題が噴出しています。こうした課題の解決に,これまでの実績と最先端の技術力をもって挑戦し続けることが,私たち日立グループの大切な使命です。
私たちは,長年にわたって社会インフラシステムに関する豊富な経験とノウハウを蓄積してきただけでなく,情報システムサービスに関する最先端の技術を開発し,知識を培ってきました。それらの強みを発揮していく事業分野として,社会基盤・産業基盤・生活基盤・情報基盤から成る「社会イノベーション事業」を強化していきます。そして,それらを支える「基盤技術製品事業」とのシナジーの最大化を図り,安心・安全・快適を土台とした,真の豊かさを実感できる社会の形成に貢献していきます。また,日立はこれまでも,産学官連携,パートナーやグループ会社との協創を重視しており,今後も幅広いパートナーシップを基に,さまざまな分野で次代をひらくイノベーションの協創を加速します。
各成長分野の取り組みとして,まず社会基盤事業では,電力システムの高効率化・高信頼化や,次世代原子力技術の開発を推進し,地球温暖化をはじめとする環境問題,エネルギー問題へ対応していきます。国内で実績を築いてきた高品質・高効率な鉄道システムの海外展開も図り,グローバルな視点で社会インフラの充実に貢献していきます。
産業基盤事業では,環境負荷軽減技術の一つとして普及拡大が予想されるハイブリッド車システムや,工場などの産業システムにおける省エネルギー化技術の開発にも力を入れています。最先端のエレクトロニクス技術やナノテクノロジーを活用した次世代半導体・液晶などの製造装置では,グローバルな競争力強化をめざします。
生活基盤事業では,昇降機技術や保守ネットワークを核とした,都市のセキュリティやエネルギー問題に応えるソリューションを提供し,社会の基盤となる安心・安全を支えていきます。また,本格的なユビキタス情報社会へ向け,快適性や利便性を高めるホームICT(Information Communication Technology)システムやサービスの提供を計画しています。
情報基盤事業では,エンタープライズ分野で実績を築いてきたIT(Information Technology)プラットフォームの強化とともに,日常生活を支えるさまざまな事業領域で培ってきた実業ノウハウに基づくコンサルティングとシステムインテグレーション力の組み合わせによる,システムソリューションの提供を推進しています。さらに,指静脈認証やミューチップなど,研究開発成果のグローバル展開にも力を入れています。
そして,それらを支える基盤技術製品として,自動車やエレクトロニクス分野でニーズが拡大している高機能材料の研究開発・製品化に注力し,「社会イノベーション事業」とのグループシナジーを発揮していきます。
2010年に迎える創業百周年に向け,日立はもう一度原点を見つめ直し,モノづくり力・技術力の強化を図っています。そして,お客様からの信頼を礎(いしずえ)に,自己改革への挑戦を通して,社会とともに,お客様とともに飛躍する企業グループをめざします。「2007年度 日立技術の展望」をご高覧いただいた皆様に,日立の飛躍への可能性を感じていただけることを願っております。 |