地上デジタル放送カバーエリアの拡大により全国でデジタルハイビジョン映像が受信可能になり,ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber to the Home),第三世代携帯電話網の普及によって最先端のネットワークアクセス環境が実現するなど,私たちの映像情報環境はとても豊かなものになってきました。日立グループは,21世紀のハイビジョン・ネットワーク時代に向けて高画質・高付加価値をめざした「Woooワールド」製品を展開しています。本特集では「先端のストレージ技術がひらく次世代Woooワールド」と題して,最先端のストレージ技術とそれらを活用して生み出された世界初の製品とその開発技術,そしてネットワーク時代に向けた日立グループの最新の取り組みをご紹介します。
2007年夏,日立グループはBD(Blu-ray Disc)に記録可能な世界初のハイビジョンビデオカメラ「BD(ブルーレイ)カム」を発売しました。水平方向1,920画素,垂直方向1,080ラインというフルハイビジョン映像の鮮明さをありのまま高画質に記録するため,システム全体を通してフルハイビ
ジョン映像処理を実現することをコンセプトとし,530万画
素CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーの新規開発に加え,高性能信号処理回路,高品位映像音声
コーデックも新規LSIとして開発を行いました。カメラとしての小型軽量さを守るため,8 cmBD用超小型ドライブメカも新規開発し,ディスク1枚に約1時間のフルハイビジョン映像の記録を可能にしました。本特集では世界初の「BDカム」を生み出すに至る,コンセプトワーク,技術開発,製品化まで詳しくご紹介します。
日立のテレビは2003年に初めて160 GBのHDD(Hard Disk Drive)レコーダ機能を内蔵し,テレビ本体だけで番組録画が可能となる機能性や操作性を訴求してきました。2007年春発売の「Wooo 01シリーズ」では,世界で初めてテレビに搭載したHDD増設用スロット「iVポケット」に手のひらサイズのカートリッジ型HDD「iVDR*-S(Information Versatile Disk for Removable Usage-Secure)」を装着することで,録画容量の自由な拡大とハイビジョン映像のポータブル化を実現しました。本特集では次世代の視聴スタイルを提案する「Wooo 01シリーズ」を,最新の「高画質信号処理技術開発」と最先端のプラズマパネルを生み出す「最新のパネル技術とエコファクトリー」とともに詳しくご紹介します。
さて,高速大容量のネットワークアクセス環境の普及を契機に,いよいよ放送・通信融合の時代を迎えようとしています。透明度を増すネットワークを越えて,コンテンツやサービスはパーソナルを強く指向して爆発的に拡大し,私たちの社会生活やコミュニケーションスタイルを大きく変化させようとしています。次頁以降では「Frontline」,「一家一言」,「Technotalk」として,日立の製品・デザイン・技術開発・未来への期待について,社内外の方々よりお寄せいただいたご意見を紹介させていただき,続けて「Overview」として社会変化・技術動向と日立グループの取り組みを概説します。本編としてはビデオカメラ・テレビの新製品に関連する前述の論文に続き,後半では,パーソナルモバイルデバイスとしてより機能強化された「携帯電話」,将来の社会インフラとなる「映像配信センターシステム」,家庭生活とも密接に関わる「ネットTV,ホームゲートウェイ,センサーなどの宅内機器とセンターサーバとの連携」,そして膨大なサービスを快適に使いこなすための「ユーザーインタフェース統合化」に関する日立グループにおける最新の開発状況をご紹介します。
ハイビジョン・ネットワーク時代に向けての日立グループの取り組みをご一読いただくことにより,本特集が皆様の「新たな価値創造」に対してお役に立てることを願っております。
* iVDRは,iVDR技術規格に準拠することを表す商標である。