社会の効率化と脳活動
社会の進化は技術の進化でもある。技術の進化は効率化の推進であり,同時に利便性の向上でもある。反面,今までのように脳を使わなくても同じことができてしまうこともあり,脳活動の低下が危惧(ぐ)される。昨今,脳を使うことの大切さを謳(うた)ったテレビ番組やコンテンツが増加しているが,脳活動の探求は今後,社会が新たな成熟を迎えるための課題と言える。
日本社会は出生率の低下,平均寿命の高化により,少子「超」高齢化がいっそう進むと考えられている。2007年問題と言われた団塊世代の定年退職を迎え,今後,数年にわたり毎年約200万人が60歳代に突入していく。また,将来の認知症者数は,2005年の約180万人から,2015年には約250万人に増加すると言われている。これとともに,減少する労働人口には,より多くのストレスがかかるようになる。このような背景の中で,高齢化と労働人口の減少は,社会の老化へ直結する問題である。
これからは,少子化対策とは別に,中高年へ向けた「身体」と「脳」の健康ニーズが高まると予想される。日立製作所では,光トポグラフィという脳の可視化技術を用い,新たな脳ヘルスケアへ取り組んでいく。