日立評論

From the Editor

ページの本文へ

Hitachi

日立評論

[写真] 長我部 信行

特集「ヘルスケアイノベーション」監修

日立製作所
ヘルスケア社
CTO

長我部 信行

医療技術の革新は医療の進歩に多大な貢献をしてきました。しかし先進国では増大し続ける医療費を抑制するために,医療のアウトカムの最大化とコスト低減の両立が求められる新しい時代になってきています。一方,新興国では感染症克服などの課題を,地域の経済事情やインフラ事情に適合した形で解決していかなくてはなりません。ヘルスケアの問題は多様化してきており,それぞれに最適な答えを出していくことは重要なグローバル課題となっています。

日立グループは,1950年頃にX線や超音波を使った画像診断装置を世に出して以来,医療の進歩に貢献してきました。2000年代には陽子線治療システムによる治療分野や,IT(情報技術)を活用した疾病予防分野などにも取り組んできています。さらに病院や自治体などさまざまなステークホルダーに向けた取り組みを通じて,お客様と共に医療分野の多様な課題に技術で応えようとしています。2014年4月には,グループ内のヘルスケア事業をまとめるために7つめの事業グループとしてヘルスケアグループを設立しました。

本特集では,冒頭で触れた諸課題に対する取り組みとして,お客様との協創と先端技術により疾患のケアサイクルを革新する「ケアサイクルイノベーション」と,ITと社会インフラの豊富な経験を持つ日立グループの総合力を活用した「医療イノベーション」を,グローバルでめざすヘルスケアイノベーションGlobal One Healthcareの事例としてまとめました。

「一家一言」では,医療分野の研究開発とその環境整備の中核的な機関である国立研究開発法人日本医療研究開発機構の末松誠理事長にヘルスケアイノベーションへの期待を寄稿していただきました。また,「Technotalk」では,Partners HealthcareのCEOを務め,現在はPartners In HealthのCEOとして常に世界の医療分野のイノベーションを牽(けん)引してこられたゲイリー L. ゴットリーブ氏に,日立製作所執行役常務(ヘルスケアグループ長 兼 ヘルスケア社社長)の渡部眞也との対談で,米国や新興国でのイノベーションの取り組みと日立への期待について語っていただきました。

各論文では,超音波診断装置やオープンMRI(磁気共鳴画像)など検査診断分野から治療分野まで応用されているケアサイクルイノベーションの事例や,ITやシミュレーションなどで病院経営や保健施策などグローバルで多様なニーズに応える医療イノベーションの事例,さらにこれらのイノベーションを支える基盤・先端技術を紹介させていただきました。

本特集を通じて,日立グループのヘルスケアへの取り組みをご理解いただくとともに,私たちが提案する製品やサービスがよりよい医療実現の一助となれば幸いです。