日立評論

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日立評論

[写真] 鈴木 教洋

特集「顧客協創によるサービス事業の拡大」監修

日立製作所
研究開発グループ
社会イノベーション協創統括本部
統括本部長

鈴木 教洋

かつてビジネス環境がこれほど激しく変化する時代があったでしょうか。IT(情報技術)を中心とする技術の進歩が新ビジネスを生み出し,新ビジネスがまた次の技術要件を生み出しています。このスパイラルがもたらす加速度的な変化が今日のビジネス環境を特徴づけています。

このような環境で企業が生き残るためには,環境に適応して事業のあり方を変えていく必要があります。事業のあり方とは,単に製品バリエーションや売り先を変えることではありません。変化し続けるビジネス価値と新技術を取り込みながら,事業領域やアライアンスを再構築し,進化し続けていくことだと考えます。

日立のありたい姿は,進化する企業の最良のパートナーとなることです。持てる技術を適切に組み合わせ,お客様と共に新しい事業領域を切り開いていきます。めざすのは,ITで高度化された安全・安心な社会をお客様と共に実現することです。これを私たちは,「社会イノベーション事業」と定めています。

日立は2015年4月,社会イノベーションを加速させるために研究開発グループを再編いたしました。旧来,技術開発中心であった研究所の中に,先端技術を活用し,お客様との事業協創によってサービスビジネスの構築を担う部門(社会イノベーション協創センタ)を創設しました。

本特集では,新組織の活動を中心とした,日立のサービス協創の取り組みをご紹介します。この組織で特徴的なのは,デザイナーと工学研究者を1つの組織として融合させた点であり,これは他にあまり例を見ない試みであると思っています。

デザイナーは,元来,技術起点ではなくユーザー起点で発想することが得意です。また,目に見えない価値やサービスをビジュアルに表現してみせることにたけています。お客様との合意形成でこの能力が発揮されます。工学研究者は,最先端技術の知識を基にその実現手段を考え出します。

本特集の最初の部分で,デザイン思考を多分に取り込んだサービス協創のツールや方法論をご紹介します。従来の日立の取り組みとは少し違うところを見ていただきたいと思います。

本特集の後半は,お客様との協創事例のご紹介です。日本と海外の事例の双方を含みます。日本の事例では,まちづくり,情報通信,物流での取り組みを,海外の事例では,中国と北米での取り組みをそれぞれご紹介します。

本特集により,日立の顧客協創への取り組みをご理解いただき,お客様にとってのベストパートナーとして皆様のお役に立てれば幸いです。