日立評論

雰囲気制御したSEM/STEMその場観察による燃料電池用電極触媒の耐久性評価

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ハイライト

水素エネルギー社会のコア技術として注目される燃料電池において,その性能を最も左右する重要な要素材料が電極触媒である。Ptナノ粒子がカーボン上に高分散された材料から成り,高電位下ではカーボンが酸化劣化することが知られている。その触媒の耐久性評価法として,雰囲気制御したSEM/STEMその場観察手法を紹介する。本手法では,空気を導入することで酸化雰囲気をつくり,触媒劣化課程のその場観察を行った。SEM/STEMの同時観察により,劣化メカニズムの一つとして,カーボン酸化に由来するPt粒子の埋没を見出した。このような劣化過程の直接観察は,高耐久性材料を今後設計していくうえで重要な解析技術となる。

目次

執筆者紹介

林 灯Hayashi Akari

  • 九州大学 水素エネルギー国際研究センター 教授
  • Ph.D. in Chemistry
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