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1. IoT対応産業用コントローラ HF-W/IoTシリーズ

オートメーションシステム(FA:Factory Automation)において,IoT(Internet of Things)活用の流れが広がっている。FAのIoT化には,単にコントローラの制御機能だけでなく,センサーなどからのリアルタイムデータを収集し,データの即時解析やエッジ処理を行う機能が求められる。

このニーズに対応すべく,IoT対応産業用コントローラHF-W/IoTシリーズでは,次の2つの機能強化を行う予定である。

  1. さまざまな機器に接続しデータ収集するための各種制御ネットワーク[EtherNet/IP(Internet Protocol),PROFINET,Modbus TCP(Transmission Control Protocol),FL-net]への対応
  2. 制御系の高速周期データを漏れなく情報系に伝える,制御―情報間の高速データアクセスインタフェースの搭載

これらの機能強化により,HF-W/IoTシリーズは制御系と情報系をつなぐコントローラとして,オートメーションシステムのIoT化に貢献していく。

(発売時期:2019年4月予定)

1.制御系と情報系をつなぐIoT対応産業用コントローラ HF-W/IoTシリーズ 制御系と情報系をつなぐIoT対応産業用コントローラ HF-W/IoTシリーズ

2. 無停電電源装置「UNIPARA mini」シリーズ

2.UNIPARA-mini(10〜30 kVA)の外観と電力変換効率 UNIPARA-mini(10〜30 kVA)の外観と電力変換効率

デジタル社会の進展に伴い,情報・通信機器の無停電化が重要な課題になっている。日立ではすでに,高い拡張性と信頼性を特徴とする中・大容量UPS(Uninterruptible Power System:無停電電源装置)「UNIPARA」シリーズ(20〜1000 kVA)を開発し,市場に提供している。今回新たに,10〜50 kVAの小・中容量帯市場向けの「UNIPARA-mini」シリーズを開発した。

本製品では,SiC(Silicon Carbide)素子を業界で初めて小・中容量帯に採用することにより,回路損失を大幅に低減するとともに,小型・省スペース化を実現している。負荷率40〜80%の実用領域での効率は94.0〜94.5%※)であり,電力量料金の削減や省エネルギー化を実現できる。また,単機構成に加えて,高信頼の待機冗長システムを構成することも可能である。さらに,IoTを活用した見守りサービスを選択した場合,障害発生時の迅速な保守員派遣でサービス性を向上させている。

(納入開始時期:2018年8月)

※)
定格20 kVAにおける電力変換効率の代表値であり,保証値ではない。

3. DC1,500V対応 大規模太陽光(メガソーラ)用高効率PCS HIVERTER-NP215iシリーズ

3.Hitachi Hi-Rel Power Electronics社と共同開発したDC1,500 V対応 太陽光PCS HIVERTER-NP215iシリーズ Hitachi Hi-Rel Power Electronics社と共同開発したDC1,500 V対応 太陽光PCS HIVERTER-NP215iシリーズ

国内の太陽光発電市場は大規模設備を中心に建設が継続しており,海外市場もアジアを中心に成長が期待されている。

売電によるさらなる事業収益を確保するため,建設コストの面でより有利なDC(Direct Current)1,500 V太陽光パネルを適用した設備や,それに対応した太陽光PCS(Power Conditioning System)が世界的に注目を集めている。

日立製作所では,インドの現地法人Hitachi Hi-Rel Power Electronics社と共同で,屋外型1,500 V太陽光PCS(HIVERTER-NP215i シリーズ)を開発した。

主な特徴は以下のとおりである。

  1. 日立の従来の屋内機と比べて,定格出力・定格直流電圧時に同等効率を実現
  2. PCSを3分割してMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御を行う,マルチMPPT機能を搭載
  3. MPPT範囲(820 V〜1,400 V)の実現 (発電量確保・過積載対応)
  4. 屋外自立盤(建屋・屋外パッケージ不要によるコスト削減)

今後も国内外のさまざまな顧客ニーズに応じたパワーエレクトロニクス製品を開発していく。

4. 最適なライフサイクルプランを実現するセルコンセプト・モータドライブシステム

4.セルコンセプト・モータドライブシステムのライフサイクルプラン セルコンセプト・モータドライブシステムのライフサイクルプラン

日立の鉄鋼プラント用モータドライブシステムは長年の納入実績があり,この間の技術進化を経て,現在,セルコンセプトを適用したモータドライブシステムをリリースしている。セルコンセプトとは,システムを機能の最小単位へと分割(セル化)し,その取捨選択によってトータル機能を実現する設計思想である。

一般にシステムライフサイクルの衰退時期は,主に部品改廃によりシステムの生産・保守が継続できない時期である。この場合,従来はシステムを全更新せざるを得なかったが,セルコンセプト・モータドライブシステムは,部品改廃が発生したセルを現流部品で再構築し,レトロフィット(改装)することで延命できる。今回,電子部品の改廃影響を受けやすいモータ制御セルのレトロフィットサービスを確立した。

今後,本サービスをパワー主回路セルへ拡張し,ユーザー設備のライフサイクルプランの策定に貢献できるモータドライブシステムへ進化させていく予定である。

[発売時期:2018年10月(3.3 kV主機ドライブシステム用)]

5. アモルファスモータ一体型オイルフリースクロール圧縮機

5.アモルファスモータ一体型オイルフリースクロール圧縮機(22 kW) アモルファスモータ一体型オイルフリースクロール圧縮機(22 kW)

オイルフリースクロール圧縮機は,主に食品業界や研究施設など,無給油,低振動,低騒音を要求される業界で需要が広がっている。また,近年では省エネルギー化を目的とした空気圧縮機の分散設置や,ラインレイアウトの変更に柔軟に対応するため小型化のニーズが強まっている。

このようなニーズに応えるべく,アモルファスモータ一体型オイルフリースクロール圧縮機(3.7〜22 kW)を開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. IE5クラス※)アモルファスモータをスクロール圧縮機本体と一体化することで,製品寸法を現行販売機の37%まで小型化した。(出力7.5 kW機)
  2. カラータッチパネルを搭載し,視認性,操作性を向上した。(出力11/15/22 kW機)
  3. クラウド監視サービス「FitLive」に対応し,遠隔監視による稼働状況の把握を可能とした。(出力11/15/22 kW機)
  4. 製品を複数(2〜4台)の圧縮機本体で構成することで,製品単独での台数制御運転を可能とした。(出力11/15/22 kW機)

(株式会社日立産機システム)(発売時期:2018年9月)

※)
国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)のIEC60034-30-2で現在策定議論中のモータのエネルギー効率ガイドラインで最も高いレベルのもの。

6. 産業用インクジェットプリンタ「有機則非該当インク」の拡充

6.有機則非該当インクと対応補力液および産業用インクジェットプリンタ 有機則非該当インクと対応補力液および産業用インクジェットプリンタ

近年,インクや溶剤のような化学物質を使用した製品に対し,使用者の安全と健康障害の予防への配慮が求められている。これらの要望に対応すべく,有機溶剤中毒予防規則(有機則)で定められている対象物質の使用を最小限に抑え,欧州のREACH(Registration,Evaluation,Authorization and Restriction of Chemicals )規制における高懸念物質不含有の産業用インクジェットプリンタインク,溶剤のラインアップを拡充してきた。

2018年10月現在,エタノール系5種類,有機則非該当ケトン系1種類,計6種類のラインアップを取りそろえている。エタノール系では,汎用用途の3112Kをはじめ,ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)に対して高付着な3127K,3131K,アルカリ溶液で印字消去可能なリターナブル容器向け3111K,製品の品質管理などに活用される不可視インク3128FA(紫外線で蛍光発光)がある。また,有機則非該当ケトン系の4136Kは,PP,PEへ高付着かつ耐アルコール性を有するインクとして食品業界を中心に展開中である。

今後も顧客の要望に対応した有機則非該当インクのラインアップ拡充を進めていく。

(株式会社日立産機システム)

7. 小型高機能モートルブロックLシリーズ

7.L形モートルブロック L形モートルブロック

小型・軽量であることを特長とした電気チェーンブロックは,さまざまな荷役運搬作業に使用されている。この特長を生かして搬送装置に組み込まれることも多く,負荷時間率向上に対するニーズがあった。また,電気チェーンブロックは,荷物を吊り上げて運搬するための巻上装置であることから,常に落下のリスクを抱えた製品であり,安全性向上に対する要求は高い。今回,定格荷重500 kg以下の機種において構造の見直しを行うことで,耐久性・安全性・取扱性を向上した電気チェーンブロックを開発した。主な特長は以下のとおりである(発売機種 定格荷重150 kg・250 kg・500 kg 巻上装置)。

  1. モータ出力向上により,負荷時間率を向上(25%ED→40%ED)することで耐久性を向上した。
  2. チェーン収納器の開口部を袋状化することで,チェーンこぼれを防止し安全性を向上した。
  3. 下フック・外れ止め金具のはめあい構造により,フックから吊具が外れることを防止し安全性を向上した。
  4. 下フック開口部の寸法拡大(φ19 mm→φ27 mm)により取扱性を向上した。

(株式会社日立産機システム)(受注開始時期:2017年11月)

8. 汎用インバータSJ-P1 シリーズ拡充

8.SJ-P1のシリーズ拡充 SJ-P1のシリーズ拡充

汎用インバータはその用途の広がりとともにモータを駆動するだけでなく,機能安全や通信などのさまざまな対応を求められている。2016年よりリリースしている高性能インバータSJシリーズ・タイプP1(SJ-P1)(0.4〜132 kW)は,誘導モータ/永久磁石モータのセンサーレスベクトル制御,フィードバックオプション(P1-FB)でのセンサー付きベクトル制御など,用途に応じた高性能モータ制御が可能となっている。今回さらに,市場からのシステム対応,IoT対応などのニーズに応えるため,機能安全オプション,通信オプションの品ぞろえ,220 kWまでの出力容量の拡大を行い,シリーズの拡充を図った。機能安全オプション(P1-FS)では,速度センサー無しでSIL3(Safety Integrity Level 3)の安全機能SS1(Safe Stop 1),SLS(Safely-limited Speed),SBC(Safe Brake Control)などを実現し,安価に高水準の機能安全システムを構築することが可能である。通信オプションでは,Ethernet通信(P1-EN),EtherCAT通信(P1-ECT),PROFIBUS-DP通信(P1-PB),PROFINET通信(P1-PN)に対応し,幅広いニーズに応えている。出力容量の拡大では,SJ-P1の駆動性能および使い勝手はそのままで220 kWまで拡充した。今後,さらに対応する通信を増やし,また,出力容量の拡大を進めていく予定である。

(株式会社 日立産機システム)

9. IoT対応産業用コントローラ HXシリーズ エッジコンピューティング用プログラミング環境の拡充

日立IoT対応産業用コントローラHXシリーズにおいて,制御系の製造現場と情報系システムとの密結合となるIoT対応機能を強化したハイブリッドモデルを発売している。このモデルは,制御プログラムと情報処理プログラムを分離する仮想コントローラ基盤を組み込み,情報プログラムは制御プログラムとデータを共有できるとともに,制御プログラム動作中に情報処理プログラムの入れ替えが可能なオンライン変更機能も備えている。

製造現場のIoT化および製造現場での各種分析や解析といったエッジコンピューティングを進めるためには,IT系エンジニアが使い慣れた言語で情報プログラムを製作できることが重要である。こうした機能を,この製品上に実装したいとのニーズを確認したため,現行機でサポートしているC/C++の言語のほか,数学関数,機械学習のライブラリが多いPythonやWebアプリケーション開発に適したJavaといった言語をサポートする拡張パッケージを計画している。拡張パッケージは,通常のハイブリッドモデルでは内蔵Flashメモリに配置した仮想コントローラをSDカードに配置することで,SDカードの入れ替えによってサポートする言語の変更・拡張を実現する。

産業分野のデジタライゼーションを実現するためにリアルタイムな制御機能を備え,フレキシブルに情報処理ができるコントローラをめざす。

(株式会社日立産機システム)

9.HXシリーズ ハイブリッドモデル(上)と拡張パッケージ概要(下) HXシリーズ ハイブリッドモデル(上)と拡張パッケージ概要(下)

10. インバータ搭載ボルテックスブロワユニット

10.インバータ搭載ボルテックスブロワユニットの外観 インバータ搭載ボルテックスブロワユニットの外観

ボルテックスブロワは,騒音低減を目的として防音箱に搭載されて使用されることがあり,従来よりセットでの製品化需要があった。一方,インバータによる可変速運転は,Hzフリー化や省エネルギーなどを目的として年々比率が増加している。そこで,これらを一体化したインバータ搭載ボルテックスブロワユニットを開発した。特に防音箱は,日立独自の冷却構造を採用することにより,約5〜10 dBの低騒音化と小型化を実現している。また,搭載したインバータのプログラム運転機能を活用することにより,上位からの指令なしでも簡易シーケンス制御が可能である。これにより,別途制御盤を設けることなく,本ユニット単独での簡易制御運転が実現できる。さらにオプション対応として,エアフィルタ,ノイズフィルタなどを搭載可能であり,顧客の要求に合わせたカスタマイズが可能である。これらの機能を生かし,エアブロー用途をはじめとした多岐の用途への活用が期待される。

(株式会社日立産機システム)

11. マルチキャリア対応通信端末 CPTrans-ME

11.マルチキャリア対応通信端末CPTrans-MEの外観 マルチキャリア対応通信端末CPTrans-MEの外観

IoTの進展に伴い,多様な機器や設備から無線を用いてデータを送信したいというニーズが高まっている。特に携帯電話無線(キャリア無線)は使用できる範囲が極めて広いことから,遠隔地に設置される機器や,広範囲に多数設置される機器からのデータ送信に利用できるものとして注目を集めている。

この流れを受けて,マルチキャリア対応通信端末CPTrans-MEを開発した。CPTrans-MEは105×60×17 mmの小型筐(きょう)体内に内蔵アンテナを装備するとともに外部アンテナにも対応した。外形が小型省スペースであることから既設の装置の狭い隙間への設置や,既設機器との交換需要にも対応しやすい利点がある。また,株式会社NTTドコモとKDDI株式会社の回線に対応しており,SIM(Subscriber Identity Module)カードの入れ替えによって利用する回線を選択することができる。

CPTrans-MEは主なインタフェ−スとして,LAN(Local Area Network)とUSB(Universal Serial Bus)を備えている。今後日立産機システムでは,使用できるインタフェースのバリエーションをそろえることでラインアップの強化を図り,多様な機器との接続を実現するIoT化に貢献していく所存である。

(株式会社日立産機システム)(発売時期:2017年12月)

12. SuperアモルファスZero Sモデルチェンジ

12.SuperアモルファスZero Sシリーズ SuperアモルファスZero Sシリーズ

配電用変圧器は,工場やビルなどの幅広い分野で使用されているが,経済産業省の省エネルギー化への対応要求に対し,日立のアモルファス変圧器はトップランナー基準値を大幅に上回る省エネルギー性能を実現している。

今回開発した新型の「SuperアモルファスZero Sシリーズ」は,従来比で省エネルギー性能を最大13%向上し,トップランナー基準では最大166%を達成する業界最高レベルの省エネルギー性能を実現した。

また,産業用途の幅広い需要に応えるため小容量機種のラインアップを追加し,さらに業界で初めてアモルファス鉄心を採用したタイトランスをラインアップに加えた。

新型の「SuperアモルファスZero Sシリーズ」は,鉄心やコイルなどの設計を最適化することで,モデルチェンジ前とほぼ同一の外形および据付寸法を実現し,設置場所の制約がある場合やリニューアル時の省エネルギー対応を容易にした。

(株式会社日立産機システム)(生産開始時期:2018年10月)

13. エアシャワー「フラッタージェットシリーズ」モデルチェンジ

13.エアシャワー 新型「フラッタージェットシリーズ」 エアシャワー 新型「フラッタージェットシリーズ」

エアシャワー「フラッタージェットシリーズ」をモデルチェンジし,2018年7月から販売開始した。

エアシャワーは,電子部品や薬品製造工場などでクリーンルームなどの出入り口に設置され,作業者の衣服または物品に付着しているじん埃を除去する装置で,特に近年は食品の安全性確保の観点から食品・飲料産業での用途も拡大している。

今回発売した新型「フラッタージェットシリーズ」は,ノズルの形状を見直しさらに広範囲にたたき効果のある吹き付けを実現した(旧型比約120%)。

さらに,操作部にカラータッチパネルを採用し,ジェット吹き付け時間カウントダウンなどの作業者からの視認性を向上させた。エアジェット時間やクリーンアップ時間などの設定も直感的な操作が可能になるとともに,HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタの交換時期などを表示し,使いやすさとメンテナンス性向上に貢献した。

(株式会社日立産機システム)

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