日立評論

人々の豊かな暮らしを実現する社会イノベーション

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日立評論

東原敏昭

今日,世界では国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」や日本政府が提唱する「Society 5.0」など,環境問題や高齢化,都市化などの社会課題を解決し,豊かな社会の実現をめざす取り組みが加速しています。

これらの取り組みは,単に現在の経済的な豊かさだけを追求するものではなく,未来の世代にわたって,経済や産業,人々の暮らしなど,さまざまな面において,誰もが豊かさの恩恵を享受できる,持続可能な社会の実現に向けた挑戦であり,その達成においては,AIやビッグデータ分析などのデジタル技術の活用が鍵となってきます。

近年のデジタル技術の進展は,従来では気づくことのできなかった解決策や人々の生活,価値観を変える革新的なサービスをもたらすなど,着実に未来の可能性を広げ続けています。一方,サイバーセキュリティリスクや一部の人しかデジタル化の恩恵を享受できないといった格差の拡大など,新たな課題も生み出しています。

豊かな社会の実現に向けては,こうしたデジタル技術の「影」の部分もしっかりと認識しながら,「光」の価値を,人々のQuality of Lifeの向上のために,最大限に活用していくことが重要です。

日立は,AIやビッグデータ分析などのデジタル技術(IT)に加えて,制御・運用技術(OT:Operational Technology)とプロダクトを有する世界でもユニークな企業です。

世界の潮流に先駆け,デジタル技術と生産現場で長年培ってきたOTの強みを最大限に生かして,より付加価値の高い社会インフラやデジタルソリューションを提供し,社会課題を解決する社会イノベーション事業を世界各地で展開しています。

国・地域によって大きく異なる社会課題を乗り越えるためには,お客様やパートナーとの協創を通じた,新たな価値の創出が必要です。グローバルでの協創をさらに加速するべく,2016年に提供を開始した,デジタルイノベーションを加速するソリューションLumadaは,より迅速かつ柔軟に皆様の課題に応えられるよう進化をし続けています。昨年9月にはASEAN地域への展開拠点となるLumada Center Southeast Asiaを開設し,また,今年4月には社内外の知の交流を図る研究棟「協創の森」を東京国分寺にオープンする予定です。

本誌『日立評論』は,日立グループの技術情報誌として,創刊以来さまざまな技術開発や研究成果を紹介してまいりました。みなさまからの厚いご支援のもと,昨年には創刊100周年の佳節を迎え,本年より,次の100年に向かって新たな歩みを始めます。

その第一歩となる本号「2019年 日立技術の展望」では,巻頭対談において,世界経済フォーラム第四次産業革命センター長 ムラット・ソンメズ氏を迎え,デジタル技術の可能性と課題について語って頂きます。続いて,社会イノベーション事業を支える日立グループのデジタルソリューションやユニークなプロダクトを広く紹介します。

社会イノベーション事業を通じて,人々の豊かな暮らしに貢献することは,創業以来受け継がれてきた「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という日立の企業理念そのものであり,SDGsやSociety 5.0がめざす方向とまさしく同じものです。

日立はこれからも社会イノベーション事業を推進し,お客様やパートナーの皆様とともに,人々のQuality of Lifeの向上と,豊かな社会の実現をめざしてまいります。

本年も日立グループの挑戦にご期待ください。

日立製作所
執行役社長 兼 CEO
東原敏昭

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