日立評論

つなぐ技術で価値を協創し,スマートな社会を支えるIoTプラットフォーム「Lumada」

世界に広がるデジタルトランスフォーメーションを実現

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Hitachi

日立評論

CUTTING EDGE 2017

つなぐ技術で価値を協創し,スマートな社会を支えるIoTプラットフォーム「Lumada」

世界に広がるデジタルトランスフォーメーションを実現

デジタライゼーションによって社会が大きく変わろうとしている中で,日立はITとOTの実績,幅広い知見を生かし,顧客との協創による迅速な課題解決をめざすIoTプラットフォーム「Lumada」を開発した。さらに,これまで国内で培ってきたIT×OTの技術力やノウハウと,欧米での先進的なIoTのユースケースや知見をグローバルに展開するために,北米を拠点にしたHitachi Insight Groupを発足させた。Lumadaを活用したデジタルソリューション事業を通じ,世界の顧客とともに課題解決に取り組んでいく。

ソリューション協創の場に

IoT(Internet of Things)をはじめとするITの新しい潮流によって,企業経営はどう変化していますか。

小野寺社会全体のデジタル化が進み,データ分析,AI(Artificial Intelligence)などの,より進化したITとそれによるデータ活用が加速していることで,ビジネスのさまざまな領域で競争の構図や競争相手までもが変化しています。

そのような時代に持続的に成長していくためには,それらの新しい技術を活用して,新しいアイデアを早く形にしていかなければなりません。IoTで集めたデータを現場にどうフィードバックするのか,国内外に数多くあるIoTプラットフォームをどう活用するのかといったことが,企業にとっては重要な課題となっています。

IoTプラットフォームLumadaは,それらの課題にどのように応えるのでしょうか。

小野寺Lumadaは,データ連携・統合,データ分析,AI,シミュレータ,セキュリティなど,IoTソリューションに関わる技術を集めたプラットフォームであり,「オープン」,「適用性」,「高信頼」という3つの特長を持っています。

お客様の膨大なデータ(data)に光をあて(illuminate),隠れた関係性を解明することで,お客様のビジネスに役立つ知見を得るという思いをこめて,Lumadaと名づけました。

Lumadaはお客様の既存の業務システムや現場システム,各種OSS(Open Source Software)はもちろん,他社のプラットフォームやサービスと接続してデータをやり取りすることや,お客様のシステムの段階的な拡張にも対応できます。プラットフォームを構成しているのは,これまでに多くの実績を築き,信頼と安心を提供してきたソフトウェアやセキュリティ技術です。日立が実業で培ってきたOT(Operational Technology)の知見が備えられていることも,他社にはない特長です。

実績のあるツールとOTの知見を活用して,お客様の現場の設備,機器,人などのデータや経営部門のデータを分析し,その結果を現場のOTにフィードバックするというプロセスで,お客様とともに課題解決をめざします。

IoTプラットフォーム「Lumada」の特長

Lumadaはお客様との協創を加速するということですね。

小野寺そうです。単に新しい技術を提供するだけの場ではなく,日立の顧客協創方法論NEXPERIENCEなども活用しながら,まずはお客様の経営課題を明確にし,その解決につながるデジタルソリューションを協創します。日立には,産業,交通,エネルギー,ビル設備,金融,ヘルスケアなど,幅広い事業分野においてITとOTを結びつけ,実績を上げてきたユースケースが数多くあります。それらを汎用的に利用できるよう,ひな型化したソリューションコアをLumadaに蓄積していくことによって,お客様の課題に即したIoT関連ソリューションを短時間で開発できるようにしています。

お客様の新しいアイデアをすぐに実践し,その結果を受けてビジネスモデルに磨きをかけ,適用範囲を広げていく。そうした協創プロセスを加速することができるのがLumadaです。

IT×OTの知見をグローバルに展開

Lumadaを基盤としたソリューションの開発と市場開拓はHitachi Insight Groupが中心になって進めていますが,そのねらいは。

小野寺IoTやデジタライゼーションは世界的な潮流です。世界の先進的なお客様とのユースケースや協創の知見を,できるだけ早く,グローバルに横展開するための組織として,米国シリコンバレーにHitachi Insight Groupを設立しました。

ChalakaIoTはITとOTの統合です。日立はこれまでも,ITとOTの高度な技術とノウハウで産業やインフラ分野におけるIoT活用をリードしてきました。Lumadaは,工場の機器やインフラ設備に設置されたセンサーをネットワークでつなぎ,データ解析や機械学習によって,予兆保守や製造プロセスの最適化をサポートします。他のグローバル企業にはない日立の強みを生かすことで,世界中で革新的な価値を顧客に提供できると認識しています。そのため,Lumadaは最初からグローバル市場を意識して展開しています。

IoTプラットフォーム「Lumada」の概要

グローバル市場では,どのようなソリューションが求められていますか。

Chalaka経営課題はお客様によってさまざまですが,ヨーロッパでは,品質向上とジャストインタイムの多品種・少量生産の実現に向けた工場最適化を求めるIndustrie4.0が大きな流れとなっています。米国では,災害やサイバー攻撃に対するエネルギーネットワークのレジリエンシーや,治安を向上するスマートシティ,インフラや生産設備の予防保全を可能にする産業用IoTなど,スマートエネルギーに対する需要が高まっています。日立には幅広い分野でIoTソリューションを提供できる能力がありますから,どのような課題にも対応できると考えています。

小野寺Lumadaの注力分野の1つが生産システムのスマート化です。その代表例として,日立の大みか事業所で取り組んできた,IoTを活用した高効率生産モデルが挙げられます。生産現場のデータを分析し,問題点を改善するとともに,生産計画と連携させて人員や部品などのリソースを最適に配分することによって,主要製品である制御装置の生産リードタイムを50%短縮できました。このモデルを,Lumadaのソリューションコアの1つとしてお客様にも提供していく計画です。エネルギーやスマートシティ,ヘルスケアなどの分野でも同様に,成功したユースケースとソリューションコアをどんどん増やし,グローバルに提供していきます。

グローバルな視点で社会課題の解決に貢献

Lumadaは社会にどのような価値を提供していくのでしょうか。

Chalakaさまざまな事業分野において,グループ企業やお客様との協創によって成功を収めた多くのユースケースは,グローバルな視点から見ても,日立にとって大きな資産であると言えます。そしてわれわれにとって今が,Lumadaによって進歩したIoTソリューションを広く発信するチャンスなのです。世界中でお客様の課題解決に寄与できる可能性があるのですから,それを実現するための舞台として,Lumadaを生産性や品質の向上,運用コストの削減,そしてQoL(Quality of Life)の向上を実現するIoTプラットフォームに育てていきたいと考えています。

パートナーやチームの仲間をグローバルに広げながら,世界標準たりうるデジタルソリューションのモデルケースを,日本のメンバーと一緒に創出していきます。それらを,お客様や社会の課題解決につなげたいですね。

小野寺われわれがめざしているのは,広い視野から言えばスマートな社会,つまり,より賢く効率的で,安全で安心な社会の実現です。世界各地のお客様との協創を通じ,IoTをはじめとした新たな技術を価値につなげるデジタルソリューションで,社会のさまざまな領域を高度化し,社会イノベーションに貢献していきます。

サービス&プラットフォームビジネスユニット 情報プラットフォーム統括本部 事業開発本部 本部長

小野寺 剛

Hitachi Insight Group VP,Global IoT and Social Innovation Marketing

Ravi Chalaka

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