日立評論

ヘルスケア

金融・公共・ヘルスケア

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1.国立病院機構診療情報集積基盤のデータ収集基盤構築

日立は,独立行政法人国立病院機構が行った国立病院機構診療情報集積基盤(NCDA:National Hospital Organization Clinical Data Archives)の構築事業において,データセンター側のデータ集積基盤の構築を担当した。

NCDAは,国立病院機構傘下の病院で運用されている電子カルテシステムを変更することなく,日々の運用で記録される診療データを厚生労働省標準規格であるSS-MIX2(Standardized Structured Medical Information eXchange 2)標準化ストレージ形式を用いて収集する。また,別途集積されているDPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類)評価データやレセプトデータを統合・データベース化することで,膨大かつ複雑な診療情報の効率的な分析を可能とし,医療の質の向上や病院の経営効率改善に貢献する。

NCDA構築によって培ったノウハウを活用し,医療情報利活用ソリューションの提供を通じてヘルスケアイノベーションを実現していく。

1.NCDAシステムの概要

2.オープンMRI装置APERTO Lucent/AIRIS Vento type ORIGIN5

2.APERTO Lucent type ORIGIN5(上),AIRIS Vento type ORIGIN5(下)

オープンMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置 APERTO Lucent(0.4 T)およびAIRIS Vento(0.3 T)のユーザビリティを向上し,type ORIGIN5として一新した。

新たに搭載したAutoPoseは,撮像する断面の設定をサポートすることでワークフローを改善する日立独自の特長を持つ機能であり,頭部検査の際,あらかじめ定めた適切なポジションに撮像位置を自動的に設定することで,操作者の負担を軽減し,操作に不慣れなユーザーでも確実な検査が可能となる。

また,日立独自の撮像技術RADAR(RADial Acquisition Regime)により,患者の動きに伴う画像劣化を低減できる。この機能はT1/T2強調画像やFLAIR(Fluid Attenuated Inversion Recovery)などのさまざまな画像種および任意の撮像断面で利用でき,撮像部位やコイルの制限もないため臨床の場で有効に活用できる。

オープンMRIは超電導MRIに比べてユニット数が少なく,主として本体ガントリ,コンソールおよび電源システムの3ユニットで構成される。また,漏洩(えい)磁場範囲が狭くコンパクトなうえ,機械室も不要になるため狭いスペースにも設置が可能であり,超電導MRI装置に必要な水冷設備も不要である。

日立は,今後も独自の技術でユーザーにとってより価値の高い装置を開発していく。

3.新バージョン2.21対応マルチスライスCT装置 Supria/Supria Grande

3.マルチスライスCT装置Supria/Supria Grande

オープン&コンパクトのコンセプトで開発した16列CT(Computed Tomography)装置Supria,および同じガントリサイズで高速・広範囲の撮影を可能にする64列検出器を搭載したSupria Grande※)が,新バージョン2.21に対応した。医師の読影を支援しワークフローを改善するとともに,従来装置に比べて大幅に消費電力を低減している。

また,少ないX線量で検査した場合に発生する画像ノイズを低減する画像再構成アルゴリズムを改良し,画像演算速度を高速化したIntelli IP RAPIDを搭載しており,従来のIntelli IPと同程度の画像を約½の時間で取得することが可能である。CT撮影後すぐに画像作成が可能なことから,ワークフロー改善に寄与する。

また,Eco modeには省エネルギー化を実現する2つの機能が実装されている。On-time Standbyは,ガントリに内蔵する冷却ファンなど,機器の動きを適切に制御することで消費電力を抑制する。また,Off-time modeは,装置を使用していないときにX線検出器への通電時間を短縮することで,待機時消費電力を抑制する。

Supria Grandeは,Supriaの64列検出器搭載モデルの呼称である。

4.超音波診断装置向け胎児心拍数自動計測技術

4.妊娠初期(9週6日)(上)と妊娠後期(32週4日)(下)におけるAutoFHR施行例

胎児の心拍数はバイタリティーの評価として最も基本的かつ一般的な計測パラメータの一つであるとともに,さまざまな疾患にも関連している。胎児心拍数の計測方法はドプラ法やMモード法が一般的であるが,これらの計測方法には,より低い音響パワーを推奨するALARA(As Low As Reasonably Achievable)の原則に基づく安全性の懸念や,数ミリメートルレンジの微小なターゲットを観察することによる客観性の低下といった課題がある。

Automated Fetal Heart Rate(AutoFHR)計測法はBモード画像より胎児の心臓を自動でトラッキングし,胎児心拍数を計算するため,従来の計測方法の課題をクリアし,より安全に,再現性の高い胎児心拍数の計測が可能となった。この技術は,日立の超音波診断装置ARIETTAシリーズに搭載されている。手技の困難さや安全性の観点から観察されていなかった妊娠早期(6週目)での胎児の心拍数を計測することにより,不妊治療後の発育評価や流産リスクの評価への応用が期待されている。

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