日立評論

制御プラットフォーム

プラットフォーム製品

ページの本文へ

Hitachi

日立評論

制御プラットフォーム

プラットフォーム製品

1.小型組み込み用コンピュータ

1.小型組み込み用コンピュータ(I/O拡張モデル)

高い信頼性と可用性が要求される社会インフラシステムにおいては,現場に密着した多様なサービスの提供や,精緻かつ新鮮な現場情報の活用など,現場を重視した新たなニーズが生まれつつある。これらのニーズに対応するためには現場のインテリジェント化が不可欠であり,環境条件が厳しく実装スペースに余裕のない現場にあって,各種通信環境に対応し,現場情報を処理できる電子・情報機器を長期にわたって安定稼働させる必要がある。これに対し,日立は,ファンレス・HDD(Hard Disk Drive)レスによって省メンテナンス化し,A4サイズ程度の面積で設置可能な小型組み込み用コンピュータを提供している。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. シリアル通信RS485(Recommended Standard 485),デジタルI/O(Input/Output)のサポート
    監視端末や,ランプ,警報,モータ類の制御装置に適用可能とした。
  2. 簡易グラフィック表示機能のサポート
    タッチパネルを使用した操作端末や案内表示端末に適用可能とした。
  3. リアルタイムプログラム環境のサポート
    応答時間を守る制御向けアプリケーションの搭載や,日立の既存アプリケーションの開発資産活用を可能とした。

(出荷時期:2016年9月)

2.自律分散NX(プル型アクセス機能)

2.プル型情報収集ミドルウェアのアクセス機能の概要

稼働中の制御システムに新たなサービス・付加価値を追加する際,必要となるデータがサーバとコントローラの間で授受されていない場合には,制御システムを一時停止し,コントローラのソフトウェアを改修する必要がある。この問題を解決するため,システム本来の制御動作に影響することなく,利活用したいコントローラ内のデータを必要なときに取得可能な,自律分散NX(プル型アクセス機能)ミドルウェアを開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. システムオンライン中であっても,サーバが取得対象データの追加・変更を指定することにより,コントローラ内の任意のデータを取得可能とする。
  2. データ取得は要求応答型(プル型)で実施し,コントローラは制御処理を阻害しないタイミングで応答処理を実行する。
  3. 追加のデータ収集によるネットワーク負荷を,あらかじめ設定した値以下に制限する。

今後は本ミドルウェアを活用し,O&M(Operation and Maintenance)サービスなどの新サービスを実現していく。

3.産業用インテリジェントL2スイッチ HighR-Switch 4000シリーズ

10年の長寿命設計と高機能を両立し,信頼性と耐環境性に優れる産業用インテリジェントL2スイッチHighR-Switchの製品ラインアップに,多数の機器が接続される中央制御室などへの適用を想定した,26ポートのHighR-Switch 4000シリーズ(伝送速度:1 Gbps)が加わった。

このシリーズは,既存の10ポートモデルと同じく,SNMP(Simple Network Management Protocol)やSTP(Spanning Tree Protocol)などの40種類を超えるネットワーク機能と,制御ネットワークµΣNETWORK-1000[IEC-PAS(Commission-Publicly Available Specifications)62953]の基本技術をベースとした,高信頼の独自光リングプロトコルをサポートする。全26ポートからの高負荷が集中した場合でも,必要なパケットのみ優先して処理する独自のファームウェア機能により,既存モデルと同じ500ミリ秒以下での障害復旧が可能である。

新機能として,ブロードキャスト通信などで発生する余計な通信負荷を,L2〜L4レベルでフィルタリングする機能をサポートした。また,ファンレス,スリットレス構造で周囲温度−10〜55℃に対応しており,機器が高密度に実装されるラック内など,厳しい温度環境にも適用可能である。

(出荷予定時期:2017年1月)

3.HighR-Switch 4000の外観

4.画像解析無線モジュール

4.画像解析無線モジュールの丸型メーターへの取り付け例

現場の大型設備には,配管に直結する機械式の丸型圧力計などのメーターや,色相の変化で交換時期を示すシリカゲル,油面計などが多数あり,目視による設備点検に用いられてきた。一方,設備の保守・運用においては,老朽化や作業人員の不足などが課題となってきている。これらの課題を解決するサービスとして,現場設備点検の自動化を推進している。また,点検記録を自動的にデータ化することで,ITとOT(Operational Technology)をより密に連携させていく。

こうした背景から,現場設備の目視点検を自動化する画像解析無線モジュールの開発に着手した。本モジュールは,光学的に計器を読み取り,読み取った値とエビデンス画像を無線センサーネットワークで伝送して点検記録とする。光学的に読み取るため既存の設備を停止させる必要がなく,後付けが容易である。また,モジュール内部での画像解析による無線伝送データの軽量化技術と,間歇(けつ)駆動制御技術,真に動作すべき構成要素のみを動作させるノーマリオフ動作により,バッテリのみで数年間の運用を可能とする。ケーブルの敷設が不要のため,屋外にも設置可能である(IP67対応)。無線センサーネットワークは空間的冗長性,周波数冗長性などにより高い信頼性を確保するとともに,2.4 GHz帯で国際的にも導入しやすい主流の方式を採用する。

(出荷予定時期:2017年度)

5.デジタル統合監視制御システムのユーザー権限機能強化

「Safe」,「Security」,「Stable」,「Symphonic」の4つのSを実現するデジタル統合監視制御システムHIDICAZ/SP G2は,産業分野をはじめ,ガス,上下水などの幅広い分野に採用され,さらにMES(ManufacturingExecution System)や基幹系システムと連携するなど,生産性向上や高効率化に寄与している。今回,高まるセキュリティ強化の要望に応え,データの改竄(ざん)・不正利用の抑止を目的とした監査証跡において,ユーザーごとの操作権限設定を強化し,セキュリティの向上を図った。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 制御量操作,制御パラメータの操作変更の履歴保存に加え,実績データを示すトレンドグラフ画面などのハードコピー,帳票の印刷抑止および印刷履歴の保存が可能
  2. 帳票,付箋紙などへのデータ変更・複製および削除の操作防止,操作履歴の保存が可能
  3. 緊急措置が必要な場合に,ユーザー権限を強制解除して操作可能とする緊急ログオン機能を搭載
  4. 強力な検索機能により,出力履歴から不正出力を容易に抽出することが可能

5.デジタル統合監視制御システムのユーザー権限機能の概要

6.サイバーセキュリティに貢献する一方向中継装置

制御システムに対するサイバー攻撃は年々増加する傾向にあり,対策が求められている。

サイバー攻撃を防止するには,制御システムのネットワークの出入口にFW(Firewall)を設置して不正アクセスをフィルタリングするのが一般的である。しかしFWには,短い製品保守期間や,セキュリティホールによる不正侵入のおそれ,さまざまな通信プロトコルを利用する制御システム内でのポリシー定義誤りの発生といった課題があり,長期間の保守が必要な制御システムへの不正アクセスを完全には防止することができない。そこで,制御システムへのサイバー攻撃を防止するための一方向中継装置NX Oneway-Bridgeを開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 長期保守可能な自社製のハードウェアによって一方向通信を実現することで,セキュリティホール発生のリスクを排除
  2. 一方向中継装置の前後に通信プロトコル変換用の専用ソフトウェアを搭載したゲートウェイ装置を設置することで,ポリシーを定義することなく,さまざまな通信プロトコルに対応した一方向データ通信を実現

今後,さまざまな分野の制御システムのほか,医療分野などへも本装置の適用を拡大させていく。

(出荷時期:2016年11月)

6.一方向中継装置の適用例

7.ウォークスルー型爆発物探知装置

近年の国際的なテロ事件の統計※)によれば,テロの半数以上は何らかの爆発物によるものである。こうした背景の中,重要インフラ設備や公共施設などでは爆発物の持ち込みを未然に防止するため,爆発物検査の必要性がますます高まっている。

今回,日立グループで長年にわたって培ってきた質量分析技術と,高速気流による微粒子採取技術を組み合わせ,高いスループットを実現したウォークスルー型爆発物探知装置を製品化した。検査にかかる時間は約3秒と高速であり,1時間当たり最大で約1,200人の検査が可能となった。また,IDカード認証と同時に爆発物の検査ができることで,通行者の利便性と運用者の検査にかかる手間や負担の軽減を両立している。

本装置を監視カメラや顔認証システムなどと連携させ,顧客の求める高度なセキュリティソリューションを提供することで,社会の安全・安心に貢献していく。

(受注開始時期:2016年10月)

米国国務省:Country Reports on Terrorism

7.爆発物の痕跡を3秒で探知するウォークスルー型爆発物探知装置

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。