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1.中容量インジェクションポンプのシリーズ化

日立は,中東地域を中心とするオイル&ガス市場向けに,最新の技術を適用したAPI(American Petroleum Institute)610対応の石油採掘用大容量インジェクションポンプを開発し,現地での実負荷実証試験を通じて高い信頼性を検証してきた。今回,これらの最新技術を中容量のインジェクションポンプにも適用し,シリーズ化した。本インジェクションポンプは,石油採掘時に地中の原油層へ海水を高圧(約20 MPa)で押し込む,駆動機出力約4,300 kWの高圧多段ポンプである。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 海水を取り扱うため,耐食性・強度に優れた二相ステンレス鋼を適用し,高い信頼性を確保
  2. 高精度CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)を駆使したポンプ羽根車の設計で高効率化を達成し,ライフサイクルコストを低減
  3. ロータダイナミクスの評価・検証による低振動運転の実現
  4. 軸封および軸受に最新のコンポーネントを適用することで付帯設備のコンパクト化と長寿命化を実現

高い信頼性を持つインジェクションポンプのオイル&ガス市場への供給を推進することで,今後もエネルギーの安定供給に貢献していく。

1.中容量インジェクションポンプの外観

2.MonotaRO向け Racrewシステム

2.Racrewの外観(上),車体標準仕様(下)

株式会社MonotaROより,関東の物流拠点となる笠間ディストリビューションセンター向け搬送システムを受注し,2017年3月の納入に向けた作業が進行している。同センターの敷地面積は約9万m²,延べ床面積は約5万6,000 m²に及び,センター稼動初年度の在庫能力は30万アイテム,1日当たりの出荷能力は2万件の物流拠点となる。

今回導入される設備には,コンベヤシステム,自動倉庫システムに加え,2014年9月に販売を開始した低床型無人搬送車Racrew(154台)を用いた大規模ピッキングシステムが採用されている。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 従来のリストピッキング方式と異なり,ピッキングのために広大な倉庫内を人が動き回る必要がないため,生産性の向上および省人化が可能である。
  2. Racrewを増車することで能力向上を図ることができ,段階的な設備導入が可能である。
  3. 作業が容易であり,習熟性向上のためのオペレーション教育などが不要である。

3.農業・食品産業技術総合研究機構向け 遠心力載荷実験装置

3.遠心力載荷実験装置の外観(上),実験概念図(下)(出典:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)

東日本大震災および今後想定される南海トラフによる地震や,集中豪雨によるダム・ため池・トンネルなどの農業施設の破壊・変形を再現するため,小型の模型に大きな遠心力を作用させた状態で振動実験や降雨実験を行う遠心力載荷実験装置を,2015年3月,国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に納入した。

本装置は,直径12 m,深さ8 mの円形ピット内に設置した回転腕を毎分137回転させ,揺動架台上に最大980 m/s²(100 G)の遠心加速度を発生させることができる。この遠心加速度Nを実物の1/Nに縮小した模型に作用させ,小型の模型内に実物と同一の地中応力場を再現する。揺動架台上には加振装置を備えており,最大加速度539 m/s²(55 G),最大速度100 cm/s,最大変位±4.2 mmの振動実験を行うことが可能である。このほかにも,遠心力の作用中に降雨を再現できる機能,砂撒き装置などを有している。

本装置による地震時および豪雨時の農業水利施設の挙動に関する研究を通じて,施設の強靭(じん)化や耐久性向上に貢献する。

4.世界最小クラスの省エネルギー・高圧小型ダイレクトインバータ

4.世界最小クラスの高圧ダイレクトインバータ

日立は,温暖化防止およびCO2(二酸化炭素)排出量抑制の動きを契機に,産業界最大の電力消費源である電動機の可変速運転による省電力化のキーコンポーネントとして,高圧ダイレクトインバータを製造・販売してきた。

一般的にインバータ制御の歴史は浅く,高信頼性を求められる高圧電動機での採用は限定的であったが,近年,セメント工場や製鉄所向けの送風機ではインバータ導入が業界標準となりつつあり,その他の各プラントでもインバータの需要は増大している。一方,顧客によっては既設プラントのスペースの制約によりインバータの導入が難しいことから,一つの筐(きょう)体に変換器・変圧器・制御盤をまとめたオールインワン構成による世界最小クラス※)のインバータを開発し,2016年10月にリリースした。

これにより設置スペースの問題を解決するのみならず,据付時間の短縮や新設プラントにおける電機室の小型化に貢献する。

※)
2016年10月時点(当社調べ)

5.一般産業向けモータ HyMDシリーズ

5.HyMDシリーズの外観(上)と仕様概略(下)

一般産業向けアプリケーション駆動用モータとして,HyMDシリーズを開発し,納入を開始した。

日立の産業用モータは長らく,幅広い分野の顧客に親しまれてきたが,昨今では顧客のニーズとして,従来の性能を維持しながらも,小型・軽量化およびリードタイムの短縮,低コスト化の実現を求められている。そこで,これまでの機種に対し質量30%低減を目標に開発モデルを選定し,新シリーズを展開している。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 標準化設計(モジュラーデザイン)を採用し,設計・製造のリードタイムを短縮
  2. 電磁界解析,応力・振動解析および通風検討による最適設計を行い,小型・軽量化を実現

現在,順次顧客への納入を進めている。

6.次世代汎用インバータ SJシリーズ タイプP1

6.新型インバータ(SJ-P1)の外観(左),専用内蔵オペレータ(右)

汎用インバータはその用途の拡大とともに,駆動性能および操作性の向上を求められている。次世代汎用インバータSJシリーズ タイプP1(SJ-P1)は,誘導モータと永久磁石モータに1台で対応することが可能であり,誘導モータの駆動においては新方式のセンサーレスベクトル制御でトルク特性をさらに向上させ,永久磁石モータの駆動においてはモータ特性調整の自動化により高い性能を引き出すことができる。

表示部には2.4インチのTFT(Thin Film Transistor)カラー液晶を採用し,複数の情報を同時に監視できる画面と,画面上の遷移と一致する上下左右の方向キーによって,分かりやすい操作性を実現した。機能安全の面では,IEC(International Electrotechnical Commission)61508に規定のSIL(Safety Integrity Level)3に対応している。また,多様なニーズに応えるため,3つの機能拡張用オプションスロットを設けており,閉ループ制御用エンコーダ信号の取り込みや入出力インタフェース拡張などのカセット式オプションを予定している。さらに,各種フィールドバス通信およびイーサネット通信に対応することで,IoT(Internet of Things)時代の要請に応えていく。

(株式会社日立産機システム)(生産開始時期:2016年8月)

7.IoT対応産業用コントローラ HXシリーズ

7.入出力モジュールと組み合わせたHXシリーズ構成例

近年,オートメーション業界においては,Industrie 4.0,Industrial Internetなど,工場内外の現場機器・システムとクラウドシステムとの融合加速といった大きな変革が進んでいる。この潮流に対応するべく,より容易にICT(Information and Communication Technology)を適用でき,制御および通信のコアアーキテクチャとして専用ハードウェアに依存しないオープンなOS(Operating System)とハードウェアをプラットフォームに採用した,IoT対応産業用コントローラHXシリーズを開発した。

HXシリーズは,従来の製品に対し20倍※)の命令処理性能と高速なEtherCAT*通信をサポートし,複雑な位置決めアプリケーションにも対応できるよう制御性能の向上を図った。また,CPU(Central Processing Unit)モジュール本体に3つのLAN(Local Area Network)ポートを標準搭載し,普及が拡大するOPC−UA(OLEfor Process Control-Unified Architecture)通信サーバ機能も備えている。

産業機器においては,今後も同様のICT適用が進むと予想される。情報と産業の融合をめざし,IoT市場のニーズに応える製品展開を拡大していく。

(株式会社日立産機システム)(発売開始時期:2016年4月)

※)
日立産機システム プログラマブルコントローラ EHVシリーズとの比較(日立産機システム調べ)。

8.オイルフリースクリュー圧縮機 DSP NEXT IIシリーズ

8.オイルフリースクリュー圧縮機外観(55 kW水冷式,2段機)

油分を含まないクリーンな圧縮エアーを供給する,日立オイルフリースクリュー圧縮機DSPシリーズにおいて,新型基板を搭載し,機能を拡張したDSP NEXT IIシリーズの開発を進めている。

22〜120 kW用2段機を2015年12月より,15〜55 kW用単段機を2016年7月より,すでに販売を開始している。さらに,近日中に132〜240 kW用2段機の発売を予定しており,これによって15〜240 kW DSP NEXT IIシリーズが完成する。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. カラータッチパネル搭載による操作性の向上
  2. 末端圧力予測制御による省エネルギー性能向上
  3. 全機種で周囲温度45℃に対応
  4. AUTO機能(モータ自動発停)を標準装備
  5. Modbus通信対応などIT通信機能の拡充

(株式会社日立産機システム) [発売開始時期:2015年12月(22〜120 kW用2段機),2016年7月(15〜55 kW用単段機)]

9.オイルフリースクロール圧縮機 NEXT IIシリーズ

9.30kWオイルフリースクロール圧縮機NEXT IIシリーズ(上)と本体
カットモデル(下)

食品業界や研究施設など,クリーンエア・低騒音を要求される業界で,オイルフリースクロール圧縮機の需要が広がっている。近年ではランニングコスト低減のため,より省エネルギーでメンテナンス周期の長い製品が求められている。こうしたニーズに応えるべく,1.5〜30 kWオイルフリースクロール圧縮機NEXT IIシリーズを開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 圧縮空気をシールする樹脂摺(しゅう)動部材の寸法諸元を見直し,摺動面の粗さを改善することで長寿命化を図り,圧縮機本体のメンテナンスサイクルを従来機の4年(1万時間)から5年(1万2,500時間)とした※)
  2. 出力3.7 kWおよび5.5 kW機については,インバータ制御タイプをラインアップした。インバータ制御タイプでは,圧力一定制御により,通常の圧力開閉器式制御に対し約5%の消費電力低減を可能とした。
  3. 出力7.5 kW〜30 kW機については,製品を2〜4台の複数の圧縮機本体で構成することにより,製品単独での台数制御運転を可能とした。

(株式会社日立産機システム) (発売時期:2015年10月)

0.8 MPa仕様,復帰圧力設定0.65 MPa時(日立産機システム調べ)。

10.22 kV特別高圧アモルファス変圧器

10.22kV(3 MVA)特別高圧アモルファス変圧器の外観(上)と性能指数※)(下)

電力インフラは,社会インフラの中でも特に基本的かつ重要な分野であるため,変圧器には高い信頼性と省エネルギー性,経済性が求められている。株式会社日立産機システムでは1991年のアモルファス変圧器の発売以来,省エネルギー型変圧器の開発を進めている。

今回,国内の変圧器市場における特別高圧での省エネルギー需要を取り込むべく,アモルファス変圧器(3 MVA)を開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. アモルファス鉄心による無負荷損低減
    無負荷損を約80%低減することにより,発生する全損失(負荷率40.5%)を50%低減※)した。
  2. コルゲートタンク採用による省スペースの実現
    発熱量を抑えることでコルゲートタンクの採用が可能となり,据付面積を55%低減※)した。
  3. 新エネルギー(太陽光発電,風力発電)対応
    超高効率の実現により発電した電気の変換ロスを低減し,発電事業の収益性向上に貢献する。

今後は社会的な要請に応えるべく,さらなる大容量・高電圧機種の開発を進めていく。

(株式会社日立産機システム) (発売時期:2016年5月)

他社の特別高圧変圧器(3 MVA)を100とした場合の比較(日立産機システム調べ)。

11.新型CO2レーザマーカ LM-C300シリーズ

11.マーキング技術を極めた新型CO2レーザマーカ(横型)

CO2レーザマーカは,食品,飲料,化粧品,薬品,電子部品および自動車部品などに日付やロット番号などを印字する産業用マーキング装置である。産業用印字のニーズは多様化しており,各種印字装置の需要も広がっている。こうした中,バリエーションを広げて多様化するニーズに対応したCO2レーザマーカLM-C300シリーズを開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. レーザ出力10 W と30 Wをラインアップすることで,幅広い印字エリアの選択を可能とし,多彩なバリエーションに対応した。
  2. 毎秒600文字の高速印字と優れたスキャン制御で,生産性を向上した。
  3. 保護構造IP54を標準装備し,苛酷な使用環境においても安定した鮮明な印字を可能とした。
  4. レーザマーカの心臓部であるレーザ発振器全体にエアーを流す高効率冷却システムを搭載し,レーザ出力の安定性を向上した。
  5. レーザマーカのヘッド部分にコントローラ(制御部)を内蔵し,ヘッドのみのコンパクトボディを実現した。また,レーザヘッドのレンズ取り付け位置を変更することにより,レーザ照射方向が変更できる構造とした。

(株式会社日立産機システム) (発売時期:2016年5月)

12.IoT/M2M向け機器およびソリューション

12.CPTransシリーズ機器の外観

近年,インターネットを介してあらゆるモノの情報を収集・分析することにより新しい価値を生むIoT技術への期待が高まっている。日立産機システムは,通信機器CPTransシリーズと位置情報システムICHIDASシリーズでIoT時代に貢献する。

CPTransシリーズは,LTE(Long Term Evolution)対応機種を拡充したキャリア無線端末や,920 MHzの近距離無線端末,センシング端末など,IoTおよびM2M(Machine-to-Machine)ソリューションに欠かせない通信端末群をラインアップしている。

ICHIDASシリーズは,モノの位置を計測し,活用するためのプラットフォームである。レーザスキャナを用いてモノの位置と姿勢を検出するレーザ測位システムや,GNSS(Global Navigation Satellite System)を活用した測位ユニットなど,屋内外で高精度に位置を検知するためのコンポーネントやシステムを提供している。

(株式会社日立産機システム)

13.単要素ディジタルリレーの開発

13.単要素ディジタルリレーの外観(上),アナログ形リレーおよびアナログ形リレー用配電盤(下)

1920年頃から利用されてきたアナログ形保護リレーが生産を終了する一方,老朽化したリレーを更新するため後継機に対するニーズが増加している。こうした中,交換作業時の利便性を考慮してアナログ形との互換性に配慮しつつ,近年のディジタル化技術を採用し,信頼性,整定の自由度および操作性の向上を図った単要素ディジタルリレーを開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. アナログ形(誘導円板形,静止形)の各種ケース寸法に合うアダプタと組み合わせることで,従来の盤穿孔穴にそのまま取り付けられる形状とした。
  2. 端子台は番号,ネジ寸法をアナログ形と同一とした(誘導円板形からの置き換え時は,直流制御電源のみ追加が必要)。
  3. 過電流保護の動作時間特性カーブはアナログ形と互換性を持たせ,交換時の保護協調検討を容易にした。
  4. ディジタル形リレーの利点を生かし,各種監視手法によってリレー内部を常時監視することで,故障時の誤動作防止を図る。

(株式会社日立産機システム) (発売予定時期:2017年4月)

14.電力監視システム専用無線ユニット

14.電力監視システム専用無線ユニットWireless Monitor H-NETの外観

日立の配電・ユーティリティー監視システムは,汎用パソコンを使用したデータ収集ソフトウェアと計測ユニットおよびセンサーによって,エネルギーのトレンド管理やデマンド監視を経済的に行い,省エネルギー施策を支援する電力監視システムである。本システムはRS-485(Recommended Standards-485)伝送線によるマルチドロップ構成であるが,電力監視システム専用無線ユニット(Wireless Monitor H-NET)によって機器構成をシンプルにするとともに,配線コストの低減を図った。

キャリア周波数920 MHz帯の無線モジュールを搭載したH-NETは,回折性が高く,障害物があっても電波が届きやすいという特長を持ち,RS-485伝送線の一部を無線に置き換えることが可能となる。また,延長ケーブルを備えた防水アンテナを標準装備しており,見通しのよい盤外または屋外に取り付けることにより,電波強度を上げることができる。

今後も省エネルギー活動の経済的な推進を実現すべく,機種・機能を拡充していく。

(株式会社日立産機システム) (発売時期:2015年7月)

15.新型窒素ガス発生装置 N2パックNEXT IIシリーズ

15.インバータによる省エネルギー制御搭載機NPO-3.7/5.5

窒素ガスは食品の品質維持や電子・化学分野での酸化防止・防爆を目的として使用されており,代表的な供給形態はガスボンベや液体窒素である。手軽かつ安価に窒素ガスを手に入れたいという市場ニーズに対応するため,長寿命オイルフリースクロール圧縮機搭載の新型窒素ガス発生装置N2パックNEXT IIシリーズを開発した。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 圧縮機のロングライフ化
    新採用のオイルフリースクロール圧縮機は,専用軸受の採用や摺動部品の形状見直しにより,整備サイクルを従来の8,000時間から1万時間に延長し,メンテナンスコストの低減を図った。
  2. 低振動化
    圧縮機のバランスウェイトおよび防振ゴムの見直しにより,さらなる低振動化を図った。
  3. 省エネルギー化
    窒素ガスの使用量に応じて圧縮機の余剰な運転を省く「自動省エネモード」を搭載し,省エネルギー化を図った。

(株式会社日立産機システム) (発売時期:2016年2月)

16.除電特化型プラズマクラスターイオン発生機および入退室コントローラ搭載エアシャワー

16.除電特化型プラズマクラスターイオン発生機・入退室コントローラ搭載エアシャワー

1974年の発売以来,日立エアシャワーはノウハウと技術のたゆみない研鑽(さん)により,除塵(じん)性能向上に取り組んできた。2005年からは日立エアシャワーの特長であるフラッタージェットノズル搭載のフラッタージェットシリーズを基本に,幅広いラインアップでさまざまな用途に対応している。

今回,静電気で帯電した衣類や物品の電位を低下させる除電特化型プラズマクラスターイオン発生機および自社製の入退室コントローラSANnextをオプションとして追加し,さらにラインアップを拡充した。

除電特化型プラズマクラスターイオン発生機内蔵エアシャワーの主な特長は,以下のとおりである。

  1. 着衣などに帯電した電位を8秒間のエアジェットにより降下
    1 kVから0.1 kVまでの除電時間を5秒に短縮した。
  2. 除電特化型イオン発生機とエアシャワーの連動
    連続運転とドア連動運転を切り替えスイッチにより選択可能とした。
  3. 既設87シリーズのエアシャワーに改造搭載可能
  4. 付着菌の作用抑制にも効果を発揮(24時間連続運転時,対象物が静止状態の場合)

入退室管理機能付きエアシャワーの主な特長は,以下のとおりである。

  1. 親機でIC(Integrated Circuit)カードの登録・読み取りが可能
    親機はコントローラおよびカードリーダを内蔵した一体型とした。
  2. 付属ユーティリティーソフトで入退室履歴を確認可能
    コントローラに記憶されている履歴データはmicroSDに保存し,パソコンから閲覧することが可能である。
  3. 液晶タッチパネル付きカードリーダ
    親機の液晶タッチパネル操作により,各種設定の調整が可能である。

今後は,セキュリティを必要とする電子・電機産業や食品産業への拡販を進めていく。

(株式会社日立産機システム)
[発売開始時期:2016年2月(除電特化型プラズマクラスターイオン発生機内蔵エアシャワー),2016年7月(入退室管理機能付きエアシャワー)]

17.産業用20 kW/30 kW蓄電システム

ピーク電力需要の増加による電力基本料金の上昇や停電時の電源確保などを背景に,蓄電システムが注目されている。この蓄電システム市場に対し,日立産機システムは50 kVA,100 kVAの蓄電池用パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System)を展開してきた。今回,中小規模の設備向けに制御盤と一体化した20 kVA,30 kVA蓄電池用PCSを開発し,ラインアップを強化した。

新開発のPCSには,従来製品で培った系統連系技術に加え,電力の平準化を行うピークカット機能およびピークシフト機能,停電時に電力を供給する自立運転機能を標準搭載した。また,太陽光発電システムとの連携運転機能※)を搭載し,平常時および停電時の再生可能エネルギーの有効利用を可能とした。また,背面と側面をメンテナンスフリーとすることで省スペース化を図り,配置検討を容易に行うことが可能となった。

今後もPCSを核として,エネルギーソリューション事業を拡大していく。

(株式会社日立産機システム) (発売開始時期:2016年9月)

※)
2016年12月現在,太陽光発電システムとの連携運転が可能なPCSは日立産機システム製のみ。

17.20kW/30kW蓄電システム構成例

18.小型往復動圧縮機 LE(B)シリーズ

18.スーパーオイルフリーベビコンLE(B)シリーズ(出力200 W)

小型往復動空気圧縮機の用途は拡大を続けており,電機・機械などの一般産業から電子・医療などの先端産業,アミューズメント業界まで,あらゆる分野で利用されている。スーパーオイルフリーベビコンLEシリーズは2007年の発売以来,小型・低騒音のコンセプトが市場のニーズに合致し,国内市場において高いシェアを確保してきた。近年では顧客の装置に組み込まれて使用されることが多くなり,さらなる低振動・低騒音化を求められている。

今回のモデルチェンジでは,現行機種のさらなる低振動・低騒音化を図った。低騒音化対策として採用してきた独自のクランク室吸い込み方式や小端部に軸受構造を持たない揺動リップリング方式に加え,空気弁の改良により周波数を800〜1,200 Hzに低減することで音色を改善した。また,振動についてはバランスの最適化とともに単気筒製品においてカウンタバランスを追加し,現行機種比約60%の低減を図った。

今後も市場ニーズや顧客の要望に応じて,さらなる拡販を図っていく。

(株式会社日立産機システム) (発売時期:2016年7月)

19.BUY電ゲートウェイ 応用ゲートウェイシリーズの追加

19.風力・水力用BUY電ゲートウェイ(上),太陽光発電・蓄電池用ハイブリッドBUY電ゲートウェイ(下)

太陽光発電の再生可能エネルギーの固定価格買取制度に対応したパワーコンディショナと,連系キュービクルをワンパッケージ化したBUY電ゲートウェイ(昇圧アモルファス変圧器内蔵)は,2014年4月の発売以来,5段階の定格出力(100 kW,200 kW,250 kW,300 kW,500 kW)と標準地向けおよび耐塩地向けの2仕様の計10機種を展開してきた。

2017年4月の再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する法改正に伴い,広く普及した太陽光発電市場の縮小が予想される一方,今後は蓄電池などを併設した新たな市場の拡大も予想される。日立産機システムでは,小型風力発電・小水力発電用BUY電ゲートウェイおよび太陽光発電・蓄電池用ハイブリッドBUY電ゲートウェイの応用をはじめ,本製品の開発で培った技術を応用したソリューションの提案により,新たな市場のニーズに対応していく。

(株式会社日立産機システム)(受注開始時期:順次)

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