日立評論

デバイス製造・検査装置

電子装置・システム

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日立評論

デバイス製造・検査装置

電子装置・システム

1.先端デバイスの潮流変化と多様化する顧客ニーズ

1.先端デバイスの潮流

スマートフォン,サーバー,オートモティブ,ロボティクスなどの進化と普及を支える半導体デバイスは,その性能を高めるため,微細化だけでなく構造の三次元化や新方式メモリなど,多様な方向に進化している。

微細化においては,マルチパターニング技術やEUV(Extreme Ultra Violet)露光により,7 nmノードへと開発が移行している。構造の三次元化においては,メモリでは縦方向に素子を積層する3D-NANDが急速に拡大し,積層数は2〜3年のうちに100層に達することが予想されている。また,ロジックプロセッサではFinFET(Fin-shaped Field Effect Transistor)構造においてSiGe(シリコンゲルマニウム)などの新材料が検討されている。新方式メモリについてはさまざまな方式が開発されているが,高速動作や書き換え耐性に優れていることから,不揮発性の磁気抵抗メモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)が開発フェーズから量産フェーズに進められつつある。

これらの潮流に対して顧客ニーズも変化しており,従来技術に加え,EUV露光プロセスで発生する欠陥の管理,磁性材料や新材料の高精度加工および高精度計測技術が要求されている。また,3D-NANDでは深い溝や穴の加工およびそれを計測する技術が重要となっている。

日立グループは,これらの多様な顧客ニーズに応えた技術やソリューションを提供していく。

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

2.MRAM向け真空一貫加工装置

2.MRAM向け真空一貫加工装置E-9040

MRAMは,その優れた素子特性より,不揮発性メモリとしての期待が高い。一方,素子への加工ダメージや量産安定性の点で,MRAMの量産化は困難とされていた。

今回,MRAM向け真空一貫加工装置E-9040を開発した。搭載した主なユニットは,以下のとおりである。

  1. 独自のクリーニング機構を持つEMCP(Electromagnetically Coupled Plasma)エッチングユニット
  2. 特性回復を目的としたPET(Post Etch Treatment)ユニット
  3. 高い防湿性保護膜を形成する低温プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)ユニット

この装置は,不揮発材料加工で実績のあるEMCPを用いた量産安定性確保とPETユニットによるダメージ回復技術により,300 mmウェーハで初めて量産される見通しである。また同装置は,リンク式にユニットを最大9台まで増設することができるため,多様化する顧客ニーズに対応したカスタマイズが可能となる。

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

3.深穴・深溝に対応した高加速CD-SEM

3.高加速CD-SEMによる実パターンの計測

半導体デバイスの製造技術では,3D-NANDデバイスに代表される構造の三次元化と複雑化により,微細化に伴う寸法精度の向上だけでなく,深穴や深溝底の寸法計測や実パターンでの重ね合わせ裕度の計測ニーズが増大している。これに伴い,実パターンの計測を可能とする高加速CD-SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)CV5000シリーズを開発した。

高加速CD-SEM CV5000シリーズでは,半導体用のSEMで初めて30 kV対応の電子銃を搭載し,試料から発生するSE※1)(Secondary Electron:二次電子)あるいはBSE※2)(Backscattered Electron:後方散乱電子)を選択的に検出することにより,穴底や溝底の形状の計測および絶縁膜の透過による重ね合わせ裕度の計測が可能となった。特に3D-NANDに代表される深穴・深溝底の計測では,高エネルギーBSE検出により,3 µm以上の深穴の寸法計測を可能とした。また,重ね合わせ計測に関しては,従来の光学式重ね合わせ装置では計測できなかった実パターンの計測を可能とし,測定再現精度0.3nm以下を実現した。

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

※1)
入射した電子線に当たり,材料から出てくる電子。
※2)
入射した電子線が後方に反射して出てくる電子。

4.EUV露光プロセスに対応する ウェーハ表面検査装置

4.ウェーハ表面検査装置LS9300Aの外観(上),受光器の構成(マルチディテクタ)(下)

EUV露光の量産適用に向け,各種新材料・新プロセスの検討が進んでいる。今回,EUVプロセスの開発,および量産時の歩留まり維持を支援するべく,EUVプロセス特有の欠陥を高速・高感度に検出可能なウェーハ表面検査装置LS9300Aを開発した。

LS9300Aはレーザ走査タイプの検査装置であり,欠陥からの散乱光を捕捉することで欠陥を検出する。EUVプロセスで発生する欠陥は,搬送による発塵(じん)異物とは異なり,欠陥の散乱光に指向性を持つ。LS9300Aでは日立独自の受光器構成であるマルチディテクタを活用することによって,EUVプロセス特有の欠陥の散乱光を効率的に捕捉し,高感度検査を実現した。

また,標準的に装置管理で用いられるベアウェーハ検査においても,高出力レーザおよび新規開発した高感度センサーの採用により,従来比4倍の高感度化を実現し,最高感度19 nmを達成している。

EUVプロセスへの対応および高感度化技術により,LS9300Aは顧客の開発・歩留まり維持に継続的に貢献していく。

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

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