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金融システム

金融・公共・ヘルスケア

1.「医療ビッグデータ」への取り組み―第一生命保険との共同研究―

生命保険業界では,健診結果・医療報酬明細書(レセプト)などの医療ビッグデータを活用した新しい商品開発や,リスク査定手法の高度化などに注目が集まっている。日立は,長年取り組んできた医療費予測技術などの医療データ分析技術を強みとして,保険会社向けリスク分析事業の創生に挑戦している。

現在は,医療ビッグデータ分析技術の確立とユースケース蓄積を目的に,第一生命保険株式会社との共同研究を進めており,第一生命保険が保有する保険加入時の告知・健診情報と実際の支払い情報を分析することで,加入時の健康状態から将来の疾病別入院日数を予測するモデルを開発した。

これを活用することにより,第一生命保険はこれまで入院リスクが高いと判断し申込を断っていた高血圧関連の疾病を持つ申込者について,引受を可能とするよう基準の改定を行い,新規顧客の獲得に成功した。

今後は,複数年分の健康状態の変化から将来の病態遷移を予測する技術を開発し,リスク分析技術のさらなる高度化による保険業界への貢献をめざす。

1.共同研究スキームの概要共同研究スキームの概要

2.金融API連携サービスの導入とFinTechサービス企業との連携

金融API(Application Programming Interface)連携サービスは,金融機関システムと外部FinTechサービスをセキュアに連携し,安全かつ利便性に優れた金融サービスをエンドユーザーへ提供するためのデータ連携システムである。

既に国内大手地方銀行向けに2つのアプリケーションと接続し,サービスを提供中である。一つは銀行API連携サービス※1)による,銀行のスマートフォン向けアプリケーションとの連携で,IB(Internet Banking)契約者以外でも,普通預金口座を対象に手軽に残高照会や取引の明細照会を可能とするものである。もう一つは,個人IB API連携サービス※2)による,株式会社Zaimのオンライン家計簿サービスZaimとの連携であり,こちらはIB契約者向けに利用者の口座残高や入出金明細を一括でやり取りすることで,家計に関連する情報を効率よく活用するものである。

また,他の金融機関の採用状況に合わせ,株式会社マネーフォワードの自動家計簿・資産管理サービスであるマネーフォワードをはじめとした外部FinTechサービスとの連携も推進している。

日立は,今後もFinTechサービス企業との連携およびAPIの対応業務の拡大を進め,金融分野でのAPIの普及・標準化に貢献するとともに,業種・業界の垣根を越えたサービス連携によるオープンイノベーションを支援していく。

※1)
金融API連携サービスのラインアップの一つ。IB契約の有無を問わず,キャッシュカード暗証番号による本人認証や残高照会などが可能である。
※2)
金融API連携サービスのラインアップの一つ。IB用のID・パスワードによる本人認証や残高照会,定期預金明細照会などが可能であり,日立が提供するIB共同センターサービスFINEMAXに加盟する金融機関を対象としたサービスである。

2.金融API連携サービスの概要金融API連携サービスの概要

3.公開型生体認証基盤を用いた新サービスの提供と事務改革

公開型生体認証基盤※)(PBI:Public Biometrics Infrastructure)は,生体(指静脈)情報を一方向性変換して生成した公開鍵を用いることで,本人確認や電子署名を可能とする新しい生体認証技術である。現在,株式会社山口フィナンシャルグループの傘下である株式会社山口銀行,株式会社もみじ銀行,株式会社北九州銀行において,顧客利便性向上・セキュリティ強化を目的にPBIを適用した新たなサービスの提供が開始されている。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. 指静脈での本人認証により,ATM(Automated Teller Machine)での預け入れ/引き出しなどの取引をキャッシュカードレスで行える「手ぶら取引」を実現した。
  2. 指静脈での本人認証により,営業店窓口での印鑑・本人確認書類を必要としない「伝票記入レス」を実現した。
  3. 営業店窓口における帳票電子化および生成した電子署名を自筆署名の代わりとすることで,「伝票レス」を実現した。

これにより,利用者はキャッシュカード,印鑑,本人確認書類を持参することなく銀行サービスを利用でき,銀行は営業店での伝票発行・精査および保管事務業務を削減することが可能となる。

日立は,今後も安全かつ便利な金融取引のための認証技術・関連サービスの高度化に取り組んでいく。

※)
公開鍵認証基盤(PKI:Public Key Infrastructure)と生体認証の仕組みを組み合わせた認証基盤。指静脈情報を用いて電子署名を生成する技術(生体署名技術)に基づき実現している。

3.PBIを活用したATM・営業店窓口取引の概要PBIを活用したATM・営業店窓口取引の概要

4.Hitachi Blockchain PoC 環境提供サービス for Hyperledger Fabric

ブロックチェーン技術は,ネットワーク上の複数拠点に分散したシステムの間で台帳を共有し,その内容を相互に検証・合意・共有して管理する仕組みである。第三者機関への全面的な信頼の前提なしに取引を成立させることができ,さらに取引の正当性・透明性も確保できるため,新たなビジネス機会創出をもたらすと期待されている。

さまざまな業界・分野においてブロックチェーン技術の適用可能性が検討される中,日立はHitachi Blockchain PoC 環境提供サービス for Hyper­ledger Fabricの提供を開始した。これによってHyperledger Fabric※)の環境が利用可能となり,利用者はブロックチェーンに関する技術的な支援を受けることもできる。また,ブロックチェーン技術を活用したアプリケーションプログラムの開発や,同技術の適用可能性の検証を迅速かつ容易に実施できるため,実用化に向けた取り組みを加速することができる。

※)
ブロックチェーンフレームワークのインプリメンテーションで,The Linux FoundationがホストするHyperledgerのプロジェクトの1つ。

4.Hitachi Blockchain PoC 環境提供サービス for Hyperledger Fabricの概要Hitachi Blockchain PoC 環境提供サービス for Hyperledger Fabricの概要

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