日立評論

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デバイス製造・検査装置

電子装置・システム

1.IoT時代の半導体デバイス動向と多様化する顧客ニーズ

1.半導体デバイスの動向半導体デバイスの動向

IoT(Internet of Things)の普及とともに半導体デバイスはあらゆる機器に搭載され,スマートフォンやPCだけでなくセンシング・通信・ビッグデータ処理・データ保存などその用途は拡大し,需要が増大しつつある。これに伴い,先端のメモリやロジックデバイスだけでなく,パワー半導体や各種センサーにおいてもデバイス性能を向上させるため,材料や構造の変化が進んでいる。

半導体デバイス製造装置に対する顧客ニーズも変化してきた。例えば,先端デバイスでは微細化と構造複雑化が進んだことにより設計通りの形状に加工することが難しくなり,複雑な製造工程で加工されたパターン寸法や形状の設計値との差を多くの箇所で計測することが求められている。また,次世代用パワー半導体[SiC(Silicon Carbide:炭化ケイ素)など]においては,結晶欠陥を低減するために基板ウェーハ内部の非破壊検査を行う技術が要求されている。一方,高性能なデバイスを安定的に生産するため,半導体工程中で用いられる複数台の測長装置間の計測ばらつきを低減し,どの装置でも同じ結果を出すことが求められている。

日立グループはこれらの多様な顧客ニーズに応えた技術やソリューションを提供していく。

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

2.半導体デバイスの開発期間を短縮するレビューSEM

2.レビューSEM CR6300の外観レビューSEM CR6300の外観

半導体デバイスの開発から量産に至る各段階において,製造工程中に発生する欠陥の画像を高い分解能で大量に取得し,それらを評価することにより,不具合のあるプロセスを迅速に特定することが重要となっている。この要求に応えるべく,高速かつ高機能のレビューSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)CR6300を開発した。

CR6300では,ウェーハステージの改良によって高速化を図ったほか,ステージ移動と連動した電子線ビーム制御により画像振動を抑制し,スループットを従来比約3倍(2万1,000点/時)に向上した。また,電子線照射により試料から発生する信号電子であるSE※1)(Secondary Electron:二次電子)とBSE※2)(Back Scattered Electron:後方散乱電子)を発生角度別・エネルギー別に選別するため6種の検出器を搭載し,高アスペクト比の深い溝や穴から発生する信号電子の捕捉率を高め,パターン形状の観察・評価能力を向上した。

また,半導体デバイスのレイアウト設計データと実加工パターンの形状差を統計的に評価する機能を備えており,半導体製造装置のプロセス条件最適化に要する時間を短縮することができる。

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

※1)
一次電子が試料に衝突した際に,試料中の別の電子が叩き出されたもの。
※2)
一次電子が試料に衝突した際に,その一部が反射して試料表面から出てきたもの。

3.次世代パワーデバイス市場向けミラー電子式検査装置

SiCやGaN(Gallium Nitride:窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ半導体を用いたパワーデバイスは,電力損失が少ないことから大きな期待を集めている。現在では民生品,太陽光発電設備,鉄道車両への搭載が進み,2020年には電気自動車などさらなる市場の拡大が見込まれる。しかし一方では,SiCエピウェーハ中の結晶欠陥や,バルクウェーハの加工ダメージがデバイスの歩留まりと信頼性を低下させ,高価格化を引き起こすという課題もある。

これらの解決策の一つとして,ウェーハ中の結晶欠陥および加工ダメージの非破壊検査が可能なミラー電子式検査装置を開発し,製品化した。この装置は日立のコア技術である電子顕微鏡技術をベースとしており,試料に照射した電子線を評価試料直上の静電ポテンシャルにより跳ね返し,その電子を信号として上部検出器で捉え,欠陥像を形成するという新しいコンセプトの検査装置である。電子線を試料中に侵入させることなく結晶欠陥や加工ダメージを検出でき,ウェーハの出荷検査にも活用できる。

主な特長は,以下のとおりである。

  1. ミラー電子光学系の採用
  2. エピウェーハの積層欠陥,基底面転位,貫通転位の非破壊検査を実現
  3. バルクウェーハの加工ダメージ(潜傷,スクラッチ),積層欠陥,基底面転位の非破壊検査を実現

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

3.ミラー電子式検査装置Mirelis VM1000の外観(左),装置構造(中)および像形成原理(右)ミラー電子式検査装置Mirelis VM1000の外観(左),装置構造(中)および像形成原理(右)

4.測長SEMの装置間ばらつきを改善するサービスソリューション

半導体製造ラインでは,パターン寸法が設計値通りに加工されるよう管理するため,測長SEMが数多く使われている。近年,複数の測長SEM間の計測ばらつきをサブナノメートル単位に収めることが求められてきた。

そこで,長年にわたり測長SEMを供給してきた実績を基に,旧型装置(S-9380II, CG4000シリーズ)を対象に設置環境下での装置間ばらつきを改善し,その後の安定状態を監視する新サービスIMPAct(Innovative Matching Precision Activity)の提供を開始した。IMPActでは,専用ウェーハのパターン計測を通じて既設装置の調整を行うことにより,装置間の計測ばらつきを低減する。その後,一定の頻度で確認のための測定を行う。測定データが専用ポータルサイトに送信されると,計測値の装置間差や解像度などが全自動で可視化され,装置変動要因を迅速に捉えることにより対策時間を短縮することができる。

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)

4.IMPActによるIoT遠隔監視サービスのシステム構成IMPActによるIoT遠隔監視サービスのシステム構成

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