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1. IoT×保険で新たな価値を創造するRisk Simulator for Insurance

Risk Simulator for Insuranceは,デジタル技術を活用した新たな保険商品や保険サービスの開発を支援するツールである(既に医療ビッグデータ分析による入院リスク予測機能を提供中)。

このたび,製造現場の機器やプラントのIoT(Internet of Things)データを保険会社が解釈しやすい財務的「リスク値」に変換する,新たな故障予測シミュレーション機能を本ツールに追加提供する。過去の故障原因情報(蓄積ダメージ)から現在までの故障確率を見える化し,将来における故障確率に基づく故障発生時の財務的事業リスクを定量的にシミュレートする。

現在,東京海上日動火災保険株式会社との協創を通じて機能拡充を図っている。Risk Simulator for InsuranceがIoTと保険をつなぐソリューションとなることで,産業社会のデジタルトランスフォーメーションの発展に貢献することをめざす。

[1]Risk Simulator for Insuraceの画面イメージ[1]Risk Simulator for Insuraceの画面イメージ

2. まれな事象発生を予測するAI技術を用いた融資審査向けスコアリングサービス

[2]AI審査サービスのイメージ[2]AI審査サービスのイメージ

2019年5月に,日立製作所は住信SBIネット銀行株式会社との協創により,AI(Artificial Intelligence)技術を活用した審査サービスを提供する合弁会社Dayta Consulting株式会社を設立した。

Dayta Consultingは,地域金融機関をはじめとした金融機関に対し,まれな事象の発生を予測する日立の人工知能「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case」と,住信SBIネット銀行のデータハンドリング技術・ノウハウを組み合わせたAI審査サービスを提供することで,地域創生に対する取り組みや業務効率化などを支援する。具体的なサービスとして,2019年10月より,住宅ローンを対象としたAI審査サービスの提供を開始している。

金融機関の個人ローン審査では,顧客の収入や資産状況を把握したうえで,世の中の経済動向などを踏まえて将来の貸し倒れを予測する高度なノウハウが求められる。Dayta Consulting,住信SBIネット銀行および日立は,住宅ローンの貸し倒れを予測し,債務不履行の確率であるPD(Probability of Default)を算出するAI審査モデルを共同で開発した。

今後,Dayta Consultingは,カードローン,トランザクションレンディングなど対象範囲の拡大を検討し,AI審査サービス提供を図っていく。

3. オープン基盤を採用した銀行基幹システム

[3]銀行基幹システムの機能構成図[3]銀行基幹システムの機能構成図

日立は,今般Linuxで動作するオープン勘定系システムを株式会社肥後銀行にて稼働させた。企業が自社の成長や競争力を維持・向上するためには,IoTやAI,ブロックチェーンなど新たなデジタル技術をタイムリーに活用したビジネス変革へ柔軟に追従できるシステムが必要となるが,銀行基幹システムの多くはまだメインフレームで動作するレガシーシステムであり,デジタル技術の活用視点からもオープンシステムへの刷新が急務となっている。

開発したシステムでは,従来の銀行基幹系システムに求められる堅牢性や信頼性をオープン基盤上で確保することに加えて,レガシーシステムの課題であったデータ利活用や柔軟な異業種連携,先進技術への容易な対応を実現している。新たに開発したバンキングハブシステムにより,外部のFintechサービスをオープンAPI(Application Programming Interface)を介して容易に連携することで,デジタルトランスフォーメーションへの迅速な対応を可能とする。

日立は,今後も事業環境の変化や多様化する利用者ニーズに対応した総合的なバンキングソリューションを提供していく。

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