日立評論

原子力

エネルギー

ページの本文へ

Hitachi

日立評論

原子力

エネルギー

1. 原子力発電施設の廃止措置段階における化学除染作業

[1]HOP法の概略手順[1]HOP法の概略手順

近年,廃止措置段階に移行する原子力発電プラントが増加している。廃止措置では配管や機器に付着した放射性物質による作業員の被曝が懸念されることから,初期段階において放射性物質を除去する除染作業が計画されている。

日立は,1999年に化学薬品を使用した化学除染技術[HOP(Hydrazine Oxalic Acid Pottassium Permanganate)法]を開発し,運転プラントにおける作業員の被曝低減を目的に,原子炉につながる高線量の炉外配管などを除染対象に国内外で90回以上の実績を重ねてきた。

今般,廃止措置段階にある中部電力株式会社浜岡原子力発電所1号機の原子炉内の化学除染工事を受注した。複雑な構造の炉内構造物を原子炉内で同時に除染することや,既設の循環ポンプが使用できないといった国内では対応実績のない技術課題に対して,流動シミュレーション,モックアップ試験などの技術検証を実施し,目標の除染効果を達成して工事を完遂した。

今後も顧客ニーズに応じた技術開発を継続し,国内外への展開を図る。

2. 高経済性小型原子炉の国際共同開発

[2]高経済性小型炉BWRX-300の概略[2]高経済性小型炉BWRX-300の概略

安全でクリーンな原子力発電が市場競争力を高めるには,他電源より低い発電コストと,資本費および資本リスクの低減が必要である。このようなニーズに応えるため,日立GEニュークリア・エナジー株式会社は,米国GE Hitachi Nuclear Energyと共同で,BWR(Boiling Water Reactor:沸騰水型原子炉)の特長を生かした高経済性小型原子炉(BWRX-300)の開発を進めている。経済性向上に向けて,小型原子炉のスケールデメリットを克服し,大型原子炉を大幅に下回る建設単価の実現をめざす。

BWRX-300は,原子炉一次冷却材圧力バウンダリの信頼性を高め,原子炉の主要な事故想定である冷却材喪失事故を設計基準事故から排除する革新的な概念を採用した。出力当たりの原子炉建屋物量を大型原子炉の半分程度に削減するとともに,工場完成型一体据付による建設費および建設リスクの大幅低減,建設工程の短縮を図る。

今後は,日米共同開発を軸に,原子力政策の反映,ユーザー意見の取り込みなど,社会的受容性を高め,クリーンエネルギーへの投資喚起を念頭に技術開発を実施していく予定である。

(日立GEニュークリア・エナジー株式会社)

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。