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1. 半導体デバイス製造と多様化するニーズ

データ利活用の高度化とともに情報システムは進化を続け,現在,スマートフォン,家電,自動車,産業用機器,半導体製造機器などのエッジIoT(Internet of Things)機器と,これら機器近傍のエッジノードに設置されたサーバ,クラウドで構成されるようになってきている。

情報システムの基幹部品である半導体デバイスは多様化している。高速,大容量を追求する先端半導体デバイスではさらなる構造複雑化,微細化,積層化が進む。これら先端デバイスの製造では,従来以上に高精度かつ高速な加工と計測が必要となっている。また,これらの量産工場ではさらなる生産性向上のため,高い装置稼働率を実現する予兆診断サービスなども求められている。一方,高信頼性が必要となる自動車用や産業用半導体デバイスの製造では,従来にはなかった三次元形状の管理が要求されている。

日立グループは,今後もこれらの多様な顧客ニーズに応えるソリューションを提供していく。

(株式会社日立ハイテク)

[1]情報システムと半導体デバイスの進化 [1]情報システムと半導体デバイスの進化

2. プラズマエッチング装置 稼働率向上のためのAI活用予兆診断システム

半導体製造装置サプライヤとして,デバイスメーカーの先端デバイス開発要求に応えるとともに,量産工場での生産性向上の要求にも応えていく必要がある。株式会社日立ハイテクではエッチング装置データを活用したPHM (Prognostics Health Management)システムを開発し,顧客の生産性向上を実現するサービスビジネスの展開を計画している。

PHMシステムは装置エッジに先端のAI(Artificial Intelligence)技術を用いたアルゴリズムを搭載可能で,半導体装置サプライヤならではの装置ドメインナレッジと融合した予兆診断技術を提供可能である。さらに,顧客工場内でPHMネットワークを構築し,量産工場における機差課題に対して効率的なソリューション提供が可能である。顧客半導体デバイス開発は,研究開発・試作・量産フェーズを世代ごとに繰り返し,経営・現場課題を迅速に解決する必要があり,顧客協創で開発した各予兆診断アプリケーションを容易に実装可能な構成となっている。

今後,PHMシステムを日立ハイテクデータ統合プラットフォームへ接続し,各種検査・解析装置のデータ連携による日立ハイテク特有のエコシステム構築により新たなソリューション提供をめざしていく。

(株式会社日立ハイテク)

[2]PHMシステムの構成 [2]PHMシステムの構成

3. 最先端微細パターンデバイスの開発・量産向け高分解能FEB測長装置「CG7300」

[3]最先端微細パターンデバイスの開発・量産向け高分解能 FEB測長装置「CG7300」 [3]最先端微細パターンデバイスの開発・量産向け高分解能 FEB測長装置「CG7300」

最先端サーバ,モバイル用プロセッサやメモリなどのサブ10 nmノードの半導体デバイス製造プロセスに向けて,tsmc,SAMSUNG,Intel1などの主要デバイスメーカーは,微細かつ高精度な回路加工が可能なEUV(Extreme Ultraviolet2)露光技術を新規導入した。そこで日立ハイテクは,プロセス管理厳格化と量産安定化に必須である原子サイズレベルの高精度計測のニーズ伸長に対応し,FEB(Field Emission Beam)測長装置(CD-SEM:Critical Dimension-Scanning Electron Microscope3)「CG7300」を新規開発した。

主な性能と特長的な技術は,EUV量産世代に対応したCD(Critical Dimension4)計測,ラフネス5計測,低ダメージ計測などの多様な高精度計測機能による品質管理への貢献と,高いスループットによる生産性の向上,さらに日立のみが実現できる「原子サイズレベルの装置間計測値差の低減」技術であり,これは高度なプロセス管理を実現して顧客の収益改善に寄与する。

すでに30年以上に渡り世界シェア70%を持つ日立ハイテクのCD-SEMは,半導体製造業界におけるデファクトスタンダードとして,今後も業界の発展を支えていく。

(株式会社日立ハイテク)

※1)
tsmc:世界最大規模の半導体専業ファウンドリメーカー,SAMSUNG:サムスングループ中核の半導体製造メーカー,Intel:世界最大のプロセッサデバイス製造メーカー。
※2)
波長が13.5 nmの極端紫外線光源。
※3)
半導体ウェーハ上の微細な回路パターンの測定に特化した走査型電子顕微鏡(SEM)。半導体デバイスの開発ライン,量産ラインの検査工程で使用され,歩留まり管理に不可欠な計測装置。
※4)
微細パターンの寸法。
※5)
パターンエッジ位置の局所的なゆらぎ。

4. 3D観察でIoT/車載デバイスの品質向上に貢献する欠陥形状評価SEM「 CT1000」

[4]欠陥形状評価SEM「CT1000」 [4]欠陥形状評価SEM「CT1000」

近年,自動車の電動化やスマートフォンの5G(5th Generation)化が進み,IoTデバイスや車載デバイスでは,高品質で信頼性の高い三次元デバイス構造が必要とされている。この状況を受け,従来の製造工程中の検査・計測では実施されていなかった全数検査による良品選別が,積極的に行われるようになってきた。そこで,ウェーハ状態で三次元デバイス構造を確認し,パターン形成上で発生した欠陥を三次元的に観察できるインライン形状観察SEMの必要性が高まっている。

日立ハイテクでは,これらの要求に対応するために,欠陥形状評価SEM「CT1000」を開発した。CT1000は,200 mm以下のウェーハを自動搬送した後,クリティカルなパターン位置や欠陥検査装置で検出された欠陥位置へ正確に移動し,試料ステージ傾斜機能を活用して三次元的なSEM観察が行える。さらに,観察対象に対して元素分析機能(EDS:Energy Dispersive-X-ray Spectrometer)による構成元素の推定を可能にした。

今後は,パターン形状および欠陥観察の自動化を進め,さらにデバイスの信頼性担保と開発TAT(Turn-around Time)短縮に貢献していく。

(株式会社日立ハイテク)

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