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コネクティブインダストリーズ

1. 標準型エレベーター新モデル「アーバンエース HF Plus」

[01]アーバンエースHF Plusの乗り場・乗りかご内意匠のイメージ[01]アーバンエースHF Plusの乗り場・乗りかご内意匠のイメージ

標準型エレベーターの新シリーズとして,意匠・機能を強化した「アーバンエース HF Plus(エイチエフ プラス)」を発売した。

世界的なプロダクトデザイナーの深澤直人氏が代表を務めるNAOTO FUKASAWA DESIGN LTD.監修による新たなカラーバリエーションと,ビルの高層化を踏まえた最大昇降行程・最大積載質量の拡大により,さまざまな建物用途との調和をめざした。

また,災害に対するレジリエンス向上へのニーズに応え,昇降路内の制御盤・巻上機を頂部に配置することで豪雨などによる冠水リスクを最小化し,電気自動車からの給電で停電時のエレベーター利用を可能にする「Hybrid-PCS」に対応した。

加えて,顔認証でエントランス入場とエレベーター移動をタッチレスで行える「ダブルセキュリティ」,法定検査未実施の項目を自動検出して乗りかご内の液晶インジケーターにアイコンで知らせる「エレベーター法定検査アラート機能」など,安全・安心・快適を提供するデジタル機能を強化した。

競争が激化する中,市場動向や顧客要望を的確に捉え,顧客に選ばれる製品・サービスを今後も市場へ提供していく。

(株式会社日立ビルシステム)

(発売時期:2023年4月)

2. 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー納め 大容量・高速エレベーターの開発

[02]新開発のガイドレールの構造[02]新開発のガイドレールの構造

2023年10月に「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が開業した。同タワー最上部(45〜49階)には多機能複合施設(TOKYO NODE)が設けられている。ここでの多種多様なイベントに対応するため,積載8 t,速度150 m/min,昇降行程268 mの大容量・高速乗用(人荷用)エレベーターを納入した。

この開発では,積載量の大きさだけでなく昇降行程が268 mという長行程であることへの対応も課題となった。長行程のため,かご下の懸垂物(乗りかごとの信号通信や電気を供給するテールコードなど)質量が非常に大きく,その他構造品の質量も合わせると総質量は31 tにも及ぶ。かご総質量31 tの対応事例は国内にはなく,それを支えるガイドレールについても新規構造開発を行った。ガイドレールの背面に補強材を設け強度を向上しただけではなく,レール調整精度を確保し,据付性を損なわない新規構造を開発し,国内では初となる31 tまで許容荷重(従来最大許容荷重22.7 t)を上げたガイドレールの性能評価機関による評価(自主評価)を取得した。

また,構成部品の大型化により,試作や試験の期間が長期化し,試験時の作業安全性に課題があったため,VR(Virtual Reality)活用による据付・保全性の検証,シミュレーションによる緻密な評価を実施し製品化した。

(株式会社日立ビルシステム)

3. スマートビルを支えるサービス基盤と新サービス

  1. スマートビルを支えるサービス基盤
    ビルの効率的な運用,利用者の利便性や快適性の向上を目的にビルのスマート化が進んでいる。スマートビルを実現するためには,ビル設備・機器や社外システムがシステムとつながり,さまざまなサービスを提供することが求められる。
    そのため,これらの要素をつなぐハブとなるサービス基盤としてマルチサービスハブを開発した。
    マルチサービスハブは,効率的なサービス開発のため,ユーザー管理やシステム連携などの共通機能を提供するとともに,サービスの追加・変更を容易にするためサービス機能をコンテナ化する構造とした。これにより,サービスコンテナを組み合わせることでマンション向けやオフィスビル向けなど用途に応じたサービスのパッケージ化が容易になる。例えば,セキュリティとクラウド録画を組み合わせた場合,スマートフォンの映像を確認しながらドアの開閉制御を行うなど,よりシームレスなサービス提供が可能となり,さまざまな顧客ニーズに柔軟に対応できる。
  2. マルチサービスハブを活用した新サービス
    マルチサービスハブを基盤にして開発した新サービスとして,クラウド録画サービスとエレベーターロボット連携サービスを紹介する。
    クラウド録画サービスは,ビルに設置したカメラの映像を,クラウドを介して録画・再生可能にするサービスで,PCやスマートフォンから遠隔で映像モニタリングができる。ビル利用者からの通報や集中豪雨の際の状況を現地にいなくても把握でき,遠隔でのビル管理を支援する。
    エレベーターロボット連携サービスは,人手不足対策として導入が期待されている搬送,清掃,警備などの業務へのロボット適用に対応し,エレベーターとロボットを連携してビル内の縦の移動を支援するサービスである。クラウド上からロボットメーカーの管理システムとエレベーターをつなぎ,スムーズなロボットの縦移動を実現する。

今後は新サービスを拡充し,顧客のニーズにスピーディに対応してビルのスマート化に貢献する。

[03-1]マルチサービスハブの概要[03-1]マルチサービスハブの概要

[03-2]マルチサービスハブを活用した新サービスの例[03-2]マルチサービスハブを活用した新サービスの例

4. ToFセンサーを活用したスマート乗りかごシステム

ToF(Time of Flight)センサーとAI(Artificial Intelligence)技術を活用して,乗客の利便性・安全性・ユーザーエクスペリエンスを向上させたスマート乗りかごシステムを開発した。

ToFセンサーは照射した赤外線と反射した赤外線の位相差から物体を検知するセンサーである。AI技術と組み合わせることにより,かご内とホールの乗客の動向を検出するもので,乗客のかごへの出入りを判断し戸開閉を自動化することで運転効率を向上できる。また,ドアへの寄りかかり,幼児の一人乗りなどの危険行為を識別したり,かご内への忘れ物検知などを行うことで安全で快適なサービスを提供することができ,乗客の利便性向上が期待できる。さらに,乗客の人数とかご床の占有率を検知し,群管理と連携することで,より効率的な配車制御を実現する。

[日立楼宇技术(广州)有限公司]

[04]ToFセンサーを活用したスマート乗りかごシステム[04]ToFセンサーを活用したスマート乗りかごシステム

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