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インダストリアルプロダクツ

コネクティブインダストリーズ

1. UPS UNIPARA 2,400 kVA機 製品化

近年,AI(Artificial Intelligence)やIoT(Internet of Things)などのデジタル技術の普及,リモートワーク・eコマースの利用増加,さまざまな分野におけるクラウドサービスの利用拡大により,通信インフラとして重要な役割を果たす大規模データセンターの需要が拡大している。大規模データセンターに必要不可欠な無停電電源装置(UPS: Uninterruptible Power System)へのニーズとして,単位容量当たりの据付面積が小さくできる,装置容量の大きい製品の需要が高まっていた。

そこで,省スペース・高効率・高信頼性設計の大規模データセンター向けUPSシリーズである「UNIPARA-UP2001i」の一つとして,最大容量となる2,400 kVA機を製品化した。

本シリーズは,顧客ニーズに応じて1,000 kVA〜2,400 kVAまで幅広い容量のUPSを提供可能である。

(株式会社日立インダストリアルプロダクツ)

[01]大容量UPS「UNIPARA-UP2001i」シリーズ の主な特徴(左)と2,400 kVA機の外観(右)[01]大容量UPS「UNIPARA-UP2001i」シリーズ の主な特徴(左)と2,400 kVA機の外観(右)

2. EV急速充電新規格 CHAdeMO3.0EVチャージャ

電気自動車(EV:Electric Vehicle)の大容量化,充電時間の短縮(充電渋滞),電力系統の需給バランスなどの社会の課題に適したEVチャージャを開発した。

今回開発したEVチャージャは,系統連系用のAC/DC(Alternating Current/Direct Current)変換器500 kWと25 kWのDC/DC変換器を複数台並列運転することで,最大400 Adc(出力直流電圧150 V〜450 V)の充電が可能である。また,DC/DC変換器単位で充電できるため最大20台(合計500 kW)の充電スタンドを同時に稼働できる。

本EVチャージャは,V2X(Vehicle to X)※)が可能な回路構成としており,電力有効利用や電力系統安定化などに寄与できるシステムを構築できる。

2023年10月から次世代EV充電規格CHAdeMO3.0(ChaoJi2)の実証試験中である。なお,車両の蓄電池高電圧化に対応できるようにDC/DC変換器は直流850 Vでも使用できるように設計している。

(株式会社日立インダストリアルプロダクツ)

※)
双方向電力融通による,車の蓄電エネルギーのさまざまなもの(X)への供給。

[02]CHAdeMO 3.0実証設備用EVチャージャと主な仕様[02]CHAdeMO 3.0実証設備用EVチャージャと主な仕様

3. Basrah Refinery Upgrading Project向け圧縮機設備の納入

[03]リサイクルガス圧縮機03-K-001[03]リサイクルガス圧縮機03-K-001

イラク共和国のバスラ製油所向け遠心圧縮機5機種7台を日揮グローバル株式会社に納入した。イラク国内の製油所は長年の戦争の影響や老朽化により生産能力が低下しており,原油生産量世界5位の産油国であるにもかかわらず,国内の石油需要を満たせず石油製品を輸入に頼る状況となっている。

本圧縮機は,国際協力機構(JICA:Japan International Cooperation Agency)が行う円借款融資による同製油所の近代化に伴う生産能力の増強および環境負荷の低減のために使用される。今後も圧縮機の優れた性能と安定的な稼働を通じてイラクの復興と経済発展に貢献していく。

(株式会社日立インダストリアルプロダクツ)

(商用運転開始予定時期:2026年)

4. ポンプ簡易監視システム「e-ポンプ」

ポンプ設備の運転管理・維持管理業務をDX(デジタルトランスフォーメーション)化し,設備保全に変革をもたらす新たなソリューションである「e-ポンプ」を開発した。

ポンプに振動・圧力・温度センサーを設置し,クラウドへ接続する装置を現場へ設置することにより,遠隔での状態監視や異常時のメール通報,稼働ログ,設備点検時のコメント書き込みなどの機能を装備する。

本システム導入により,大雨時の現場移動中でも機場水位や,別に設置した隣接機場の状況なども確認できるなど,運転管理業務に効果を発揮する。システムはクラウドで構成しており,今後の顧客ニーズに合わせシステム改善が容易である。また機能はオプション契約のため,例えば水位測定を追加するなど,カスタムが可能な監視システムとしている。

さらに,容易に設備導入ができるよう月額課金でのサブスクリプションサービス方式を採用し,初期導入コストを抑えながら遠隔監視を可能とした。

(株式会社日立インダストリアルプロダクツ)

(サービス提供時期:2023年12月)

[04]ポンプ簡易監視システム構成の概略[04]ポンプ簡易監視システム構成の概略

5. Edge AI Machine Vision

[05]Edge AI Machine Vision[05]Edge AI Machine Vision

Edge AI Machine Vision(エッジAI)は,飲食料品業界をはじめ,一般製造業での外観検査を低コストで自動化するための,ディープラーニング技術を中心とするAIを活用した自動検査機である。

異常品が少ない環境でも,正常品のみをカメラで撮影し,画像処理と学習処理を行う。正常品と比較した異常度により高速な良否判定を実施し,キズや汚れなどの外観不良の検出が可能である。

新開発した専用AIモジュール(HX-AIX1),エッジ学習と推論をさせるための独自のAIアルゴリズムと,IoT対応産業用コントローラHXにより,スムーズな現場学習とリアルタイムな診断(推論),およびシステム制御を実現する。

検査対象品(商品・製品など)が変わっても,膨大な工数や追加費用を発生させずに,現場で再学習・登録ができ,目視検査の負担軽減や自動化の促進を通じた検査効率の向上・平準化に貢献する。

(株式会社日立産機システム)

6. ファクトリーエネルギーマネジメントソリューション「SANFEMS neo」

次世代型のファクトリーエネルギーマネジメントソリューションである「SANFEMS neo」の提供を開始した。SANFEMS neoは,エネルギーに関するデータを収集,可視化し,その分析によって課題を抽出する。さらに,それらの課題を日立産機システム製のグリーンプロダクトや監視制御システムの導入をはじめとする具体的な消費エネルギー削減策によって解決する。

データの収集と可視化には,従来から株式会社日立産機システムが提供していたH-NET,H-MACS(旧称ES-MACS)に加え,複数拠点のデータを一括して取り扱うことのできるクラウドサービスH-Visionを提供する。H-Visionは欧州で先行してサービスを開始しており,国内でも近日サービス開始を予定している。

近年,世界的にカーボンニュートラルへの関心が高まっており,工場に対するエネルギーマネジメントの要求もますます強くなってきている。日立産機システムはSANFEMS neoをグローバルに展開することで,この要求に応えていく。

(株式会社日立産機システム)

(提供開始時期:2023年5月)

[06]SANFEMS neoの概要[06]SANFEMS neoの概要

7. 過酷な環境下で稼働する産業用無線ルータ「CPTrans-GLW」

[07]CPTrans-GLW[07]CPTrans-GLW

建設機械や農業機械などの産業車両向けに,過酷な環境下でも稼働する無線ルータ「CPTrans-GLW」の提供を開始した。労働力不足や作業効率向上のための自動化を支援するとともに,車両の位置情報やメンテナンス情報を収集してクラウドで監視するニーズに応える製品である。

CPTrans-GLWは耐環境仕様として防塵・防水(IP67相当),自動車部品振動規格(JIS D1601),使用温度-20℃〜+60℃,電源電圧(DC7〜32 V)に対応し,Ethernet,シリアル通信(RS232C),CAN(Controller Area Network)通信などの多彩なインタフェースを装備している。CPTrans-GLWに実装したアプリケーションソフトウェアにより,建設機械の稼働・作業情報をCANバスから収集し,位置情報と併せてクラウドに送信して各種クラウドサービスからの監視を可能にするなど,多様なニーズに対応することができる。また,2周波GNSS(Global Navigation Satellite System)測位モジュールを搭載しており,GNSS補正情報サービスを利用することにより数十ミリメートルオーダーの位置情報を取得することも可能である。

(株式会社日立産機システム)

(生産開始時期:2023年5月)

8. 移動機器の位置情報を高精度に補正する「ICHIDAS-NET」

産業用無線ルータ「CPTrans-GLW」の販売開始に合わせて,センチメートル単位でのGNSS測位を実現するための位置補正情報サービス「ICHIDAS-NET」を提供している。

ICHIDAS-NETは,国土地理院の電子基準点を基に独自仮想基準局を利用したNtrip(Networked Transport of RTCM via Internet Protocol)※)方式の位置補正情報サービスで,誤差数センチメートルの安定した精度のGNSS測位を実現するものである。日本全国をカバーし,港湾部や島嶼部でも利用可能である。

なお,ICHIDAS-NETは,産業用無線ルータCPTrans-GLW,CPTrans-MJWに付加するサービスとなる。

回線サービスCPNETと合わせて,補正情報サービス契約済みの機器を提供する(ワンストップ対応)ことが可能である。これにより,GNSS測位によるセンチメートル単位の位置検知を容易に実現でき,建機,農機など移動機械の自動運転への応用が可能である。

(株式会社日立産機システム)

(サービス開始時期:2023年7月)

※)
高精度測位補正情報伝送プロトコル。

[08]ICHIDAS-NETの特長および構成[08]ICHIDAS-NETの特長および構成

9. FitLive搭載エアシャワー

FitLive搭載エアシャワーの販売を2023年1月に開始した。エアシャワーは,食品工場や医療機器製造工場などの出入り口に設置され,作業者の衣服または物品に付着した塵埃を除去しクリーンルーム内への侵入を防止する装置機器である。

今回発売したエアシャワーはFitLiveを搭載し,設備監視が可能となった。特長の一つは,状態監視によりフィルタ交換の時期を知らせる機能である。パソコンやスマートフォンの画面表示やメール配信で知らせる機能によってフィルタ目詰まりを把握でき,適切な時期でのフィルタ交換が可能となる。二つ目の特長は,異常状態・メンテナンス時期を通知する機能である。エアシャワーの異常状態やファンモータやドアなどの主要部品のメンテナンス時期を画面表示とメール配信により知らせる。日立産機の他製品同様コンタクトサービスによるサポートも実施しているため,稼働データを基に異常状態やメンテナンス時期を連絡することで顧客の管理業務をサポートしていく。

(株式会社日立産機システム)

[09]エアシャワーのFitLiveサービスイメージ[09]エアシャワーのFitLiveサービスイメージ

10. インバータWJ-C1シリーズ

[10]WJ-C1の外観(0.1〜15 kW)[10]WJ-C1の外観(0.1〜15 kW)

インバータは,モータ軸の駆動にさまざまな価値を付加して循環型経済を実現するエッセンシャルプロダクトとして,脱炭素社会の実現へのさらなる貢献を求められている。

WJ-C1はインバータの寿命を予測するにあたり,実際の稼働状況をモニタリングしてパワーモジュール劣化度合いを算定することで,従来のコンデンサ・冷却ファンに加えてパワーモジュールの寿命診断も可能にしている。これにより,正逆運転や回生負荷での運転が頻繁な搬送機などのアプリケーションにおいてメンテナンス時期を事前に把握し,パワーサイクルによる突然故障を避けることができる。自身の寿命を定量的に見積もることでリビルトビジネスに対応するとともに,非定常検出機能により負荷側の異常も検知することでシステムとしてのダウンタイムを短縮する。さらに,リサイクル材料の採用とさらなる低損失化でプロダクトライフサイクルに渡って環境負荷を低減することで,社会変化に応える新しいインバータである。

(株式会社日立産機システム)

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