ソリューション協創の場に
IoT(Internet of Things)をはじめとするITの新しい潮流によって,企業経営はどう変化していますか。
小野寺社会全体のデジタル化が進み,データ分析,AI(Artificial Intelligence)などの,より進化したITとそれによるデータ活用が加速していることで,ビジネスのさまざまな領域で競争の構図や競争相手までもが変化しています。
そのような時代に持続的に成長していくためには,それらの新しい技術を活用して,新しいアイデアを早く形にしていかなければなりません。IoTで集めたデータを現場にどうフィードバックするのか,国内外に数多くあるIoTプラットフォームをどう活用するのかといったことが,企業にとっては重要な課題となっています。
IoTプラットフォームLumadaは,それらの課題にどのように応えるのでしょうか。
小野寺Lumadaは,データ連携・統合,データ分析,AI,シミュレータ,セキュリティなど,IoTソリューションに関わる技術を集めたプラットフォームであり,「オープン」,「適用性」,「高信頼」という3つの特長を持っています。
お客様の膨大なデータ(data)に光をあて(illuminate),隠れた関係性を解明することで,お客様のビジネスに役立つ知見を得るという思いをこめて,Lumadaと名づけました。
Lumadaはお客様の既存の業務システムや現場システム,各種OSS(Open Source Software)はもちろん,他社のプラットフォームやサービスと接続してデータをやり取りすることや,お客様のシステムの段階的な拡張にも対応できます。プラットフォームを構成しているのは,これまでに多くの実績を築き,信頼と安心を提供してきたソフトウェアやセキュリティ技術です。日立が実業で培ってきたOT(Operational Technology)の知見が備えられていることも,他社にはない特長です。
実績のあるツールとOTの知見を活用して,お客様の現場の設備,機器,人などのデータや経営部門のデータを分析し,その結果を現場のOTにフィードバックするというプロセスで,お客様とともに課題解決をめざします。
IoTプラットフォーム「Lumada」の特長
Lumadaはお客様との協創を加速するということですね。
小野寺そうです。単に新しい技術を提供するだけの場ではなく,日立の顧客協創方法論NEXPERIENCEなども活用しながら,まずはお客様の経営課題を明確にし,その解決につながるデジタルソリューションを協創します。日立には,産業,交通,エネルギー,ビル設備,金融,ヘルスケアなど,幅広い事業分野においてITとOTを結びつけ,実績を上げてきたユースケースが数多くあります。それらを汎用的に利用できるよう,ひな型化したソリューションコアをLumadaに蓄積していくことによって,お客様の課題に即したIoT関連ソリューションを短時間で開発できるようにしています。
お客様の新しいアイデアをすぐに実践し,その結果を受けてビジネスモデルに磨きをかけ,適用範囲を広げていく。そうした協創プロセスを加速することができるのがLumadaです。