1.扇島パワーステーション3号機発電設備
株式会社扇島パワー向け扇島パワーステーション3号機(発電端出力:407.1 MW)が2016年2月1日に営業運転を開始した。3号機は,2011年3月11日の東日本大震災により原子力発電所などが停止し,電源供給の不足が懸念される中,早期の運転開始をめざし,短工期での建設を実現した。
本設備は,土建・据付と機器設備一式を納入するEPC(Engineering, Procurement and Construction)契約のコンバインドサイクル発電設備であり,LTSA(Long TermService Agreement)契約を締結している1,2号機の予備品とガスタービン高温部品の共有化を図ることで,建設から運用・保守面まで全般にわたり優れた信頼性と運用性のある設備の提供に貢献できたプラントである。
建設中は,隣接する商用運転中の1,2号機に影響を与えぬよう十分な検討を行ったうえで作業を進め,無事故・無災害で性能保証値を満足し,計画どおりに営業運転開始を迎えることができた。2016年4月に開始された電力完全自由化により,事業者にとって一層の電力の安定供給が必要となる中,価値ある発電プラントとして稼働中である。