1.先端デバイスの潮流変化と多様化する顧客ニーズ
スマートフォン,サーバー,オートモティブ,ロボティクスなどの進化と普及を支える半導体デバイスは,その性能を高めるため,微細化だけでなく構造の三次元化や新方式メモリなど,多様な方向に進化している。
微細化においては,マルチパターニング技術やEUV(Extreme Ultra Violet)露光により,7 nmノードへと開発が移行している。構造の三次元化においては,メモリでは縦方向に素子を積層する3D-NANDが急速に拡大し,積層数は2〜3年のうちに100層に達することが予想されている。また,ロジックプロセッサではFinFET(Fin-shaped Field Effect Transistor)構造においてSiGe(シリコンゲルマニウム)などの新材料が検討されている。新方式メモリについてはさまざまな方式が開発されているが,高速動作や書き換え耐性に優れていることから,不揮発性の磁気抵抗メモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)が開発フェーズから量産フェーズに進められつつある。
これらの潮流に対して顧客ニーズも変化しており,従来技術に加え,EUV露光プロセスで発生する欠陥の管理,磁性材料や新材料の高精度加工および高精度計測技術が要求されている。また,3D-NANDでは深い溝や穴の加工およびそれを計測する技術が重要となっている。
日立グループは,これらの多様な顧客ニーズに応えた技術やソリューションを提供していく。
(株式会社日立ハイテクノロジーズ)