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原子力

電力・エネルギー

1.3Dレーザー計測による現場調査の効率化および空間設計の合理化

日立GEニュークリア・エナジー株式会社では,原子力プラントEPC(Engineering, Procurement and Construction)業務で点群データを活用しており,現場での配管ルート新設のための寸法計測や3D-CAD(Computer-aided Design)化,施工図作成などに利用している。点群データの活用はこれまで個々の設計部門内に留まっていたが,現在,自社およびグループ会社の複数部門を対象として,点群データ共有化による現場作業での被曝(ばく)低減と一層の設計業務の効率化をめざしている。

これに伴い,点群データを部門間で横断的に共有するためのインフラとなる点群アクセスツールを開発した。このツールは複数の点群データフォーマットをサーバ上で集中管理し,専用ビューアおよび外部ツールとの連携機能を備えることでユーザーの多様な利用パターンに対応している。また,ユーザーが大容量の点群データを活用するための以下の技術を開発し,インタフェースの強化を図っている。

  1. 点群データとの重ね合わせを実現する部品抽出機能付き3D-CADデータ変換ツール
  2. 大容量の点群データをユーザーが負担なく利用するための99%軽量化ツール
  3. 他社に業務委託する際の高いセキュリティを確保した専用フォーマット

(日立GEニュークリア・エナジー株式会社)

1.点群データを利用したインフラの全体像点群データを利用したインフラの全体像

2.確率論的安全評価とリスク情報の活用

確率論的安全評価(PSA:Probabilistic Safety Assessment)とは,さまざまな事故の可能性を網羅的に抽出し,それらの発生頻度や発生した場合の影響を定量化し分析する評価である。原子力分野では,PSAの技術開発とPSA結果を考慮した意思決定(リスク情報活用)の取り組みが世界的に発展してきた。

日立グループは,国内外の原子力事業を通じてPSA技術とリスク情報活用プロセスを構築してきた。特に日立製作所の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR:Advanced Boiling Water Reactor)モデルでは,偶発的な機械故障に加えて建屋内の火災,溢(いっ)水,重量物落下などの内部ハザード,地震,津波,竜巻,航空機落下などの外部ハザードを評価するモデルを整備してきた。また,プラント状態に応じて,運転中の原子炉,停止中の原子炉,使用済み燃料プール,輸送中の使用済み燃料キャスクなどに発生する事故による影響を評価できる。国際的な専門家によるピアレビューを通じて,技術的な妥当性や品質を確保し,さらに,PSAの結果を用いて合理的でリスク低減効果が大きいプラント改善案を特定するプロセスを確立した。日立グループは,このPSA技術と改善プロセスを通じて,原子力発電所のさらなる安全性向上に貢献していく。

(日立GEニュークリア・エナジー株式会社)

2.プラント設計・運転管理改善プロセスの概念プラント設計・運転管理改善プロセスの概念

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