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COVER STORY:CONCEPT

人と人とのつながりをデジタルが支える社会へ

データ活用によるライフソリューションの未来

ハイライト

Society 5.0の実現に向けた取り組みが加速する中で,データを活用した新しい価値の創出が社会のさまざまな分野で進んでいる。特に日常生活におけるデジタライゼーションが進み,データ活用が促進されることにより,これまでにない暮らし方や働き方を可能にするライフソリューションの創出が期待される。

さまざまなデータが縦横無尽に活用されるとき,生活者にはどのようなサービスが提供されるのか。世界中の人々の暮らしを豊かにするデータ活用の在り方とは。世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターの須賀千鶴センター長を迎え,日立の研究者と共にライフソリューションの未来を展望する。

目次

インクルーシブの思想でまちづくりを

須賀 千鶴
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター(C4IR Japan) センター長
2003年経済産業省入省。資源エネルギー庁に勤務し,主として気候変動や資源外交といった政策立案に携わる。その後.ペンシルベニア大学ウォートン校に留学し,MBA取得。帰国後,クールジャパン戦略,コーポレートガバナンスや次官・若手プロジェクトなどを担当する。2018年7月に設立された一般社団法人世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターに出向し,初代センター長に就任。

桑原日立では,人間中心社会を「ひとりひとりに寄り添う社会」と考え,産業分野だけでなく,より生活に近い領域でのソリューション提供に力を入れています。2019年4月に策定した「2021中期経営計画」では,社会イノベーション事業を通じて「社会価値」,「環境価値」,「経済価値」の三つの価値を同時に提供するという方針を打ち出し,事業セクターを五つに再編,その一つをライフソリューションとしました。スマートシティ,ヘルスケア,コネクテッドカー,コネクテッド家電などを通じ,QoL(Quality of Life)の向上や,誰もが暮らしやすい人間中心社会の実現に貢献することをめざしています。

須賀さんは経済産業省での豊富な政策立案のご経験をお持ちで,現在は世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター(World Economic Forum Centre for the Fourth Industrial Revolution Japan:WEF C4IR Japan)のセンター長として,デジタル社会に不可欠なデータ政策の立案に取り組んでおられますね。昨今,人間中心の暮らしやすい社会づくりは,世界的な潮流のように思いますが,須賀さんはこうした動きをどのように見ていらっしゃいますか。

須賀身近な事例ですが,先ごろ家を建てたとき,私はキッチンにこだわりがあって,自分が本当に使いやすいものを選びたくて大きなショールームに足を運びました。購入にあたって,新しいことを専門家に教えてもらえると思いワクワクしながら出向いたのに,販売員さんはIHコンロの火力や引き出しの閉まり方などの機能の説明ばかりで,同時に2〜3品を調理するときの動線など,使う人の視点に一切寄り添ってくれませんでした。現在は大量生産を抜け出して好みに合わせてカスタマイズしていこうという時代にもかかわらず,生活実感のない作る側や売る側の論理だけで考えられているものが多いと思いませんか。化粧品などにも言えることで,化粧水,乳液,美容液,クリームとスキンケアのステップをどんどん増やす売る側の都合に付き合わされているように感じます。

Society 5.0の大きなテーマであり,日立さんも取り組んでおられるスマートシティでも,人に寄り添うという思想がまちの細かなところまで求められるようになっています。

私たちC4IR Japanでは,今後増加が予想される認知症の方々に寄り添うという視点から,スマートシティの在り方についてディスカッションを行っているところです。スマートシティでは,まちの至るところにセンサーを設置してデータを集め,活用することがサービスの基盤となりますが,センサーがあれば認知症による異常行動も検知しやすくなります。

行動を検知すると聞くと,一挙手一投足までチェックされるような息苦しい社会になるのではないかと危惧されるかもしれません。でも,認知症の方々を支えるには,チェックして排除するような考え方ではなく,異常行動や逸脱行動が検知されたとき,その人にどのようなサポートを提供すれば今までと変わらずに過ごせるのか,という発想でのサービス設計が重要になってきます。

例えば,スーパーで牛乳を毎日5 L買ってしまうような認知症の方がいたら,その方に「あなたはこの品物を昨日も買ったでしょう。」と言うと尊厳を傷つけてしまいますが,「牛乳は明日の方が安いですよ。」とか「重いでしょうから,後でお届けします。」と声掛けする対応が,マニュアルとして浸透しているお店もあるそうです。それこそが「インクルーシブ(inclusive:包括的な)」でヒューマンセントリックの思想であり,その思想に基づいてすべてのサービスや製品,インフラを設計すれば,認知症の方だけではなく,すべての人にとって暮らしやすいまちができるはずです。だから,スマートシティを議論すると当然,市民目線になるし,市民のために一番いいことは何かを考えることになるのだと思います。

地域社会を起点に未来をつくる

金田 麻衣子
日立製作所 研究開発グループ 東京社会イノベーション協創センタ ビジョンデザインプロジェクト デザイナー

桑原これまでのスマートシティの考え方は,主にスマート化したエネルギーや交通などのインフラを生活者や事業者がどのように使うか,行動変容を促せるか,というものでした。人間起点で社会の仕組みや機能を設計しようとするのが,今のスマートシティの議論であり,Society 5.0がめざす社会なのですね。とすると,人々の生活圏である地域に焦点を当てた社会の在り方を考えていくことが重要になってくると思います。

金田さんはビジョンデザインのアプローチに住民視点で取り組んでおられますが,その内容をご紹介いただけますか。

金田日立では,以前から将来の人々の価値観変化を捉える活動を続けてきましたが,現在私が所属するビジョンデザインプロジェクトでは先進技術だけでは解決できない生活者の切実な問題や,先進技術が人々にもたらす新たな問題の可能性を示し,人に寄り添うための技術の生かし方を考えています。

その一つが「フューチャー・リビング・ラボ」という活動で,実際の生活の場である地域社会を起点に小さな未来をつくり始めることにより「市民参画による社会システム」を模索しています。国や地域が変わるとき,住民も変わっていき,そこに寄り添うチカラが働くのではないか,という期待を持って,対話で信頼を築くところから挑戦しています。具体的には,神奈川県の三浦半島のある農家さんのところへ伺って,一緒に野菜を収穫したり,野菜直売所の組み立てを一緒に行ったり,まず生活の場を知ることから活動をスタートしています。今後,地域の結節点となり得る野菜直売所を通じて,ユニークな切り口で地域の課題を表出させることで,その直売所を利用した人たちの意識変化や行動変容を起こすきっかけとなることが目標の一つです。

この活動は,最終的には大きな社会システムとしてのスマートシティを見据えていますが,まずは,こうした市民参加型の協創活動を通じて,これからの分散型の社会システムの在り方を探りたいと考えています。

須賀C4IR Japanでも,日本らしい地域にフォーカスしたプロジェクトを推進中です。例えばモビリティ分野では,グローバルには,第四次産業革命のテクノロジーで解決しうる社会課題として,都市部の渋滞問題ばかりが議論されています。しかし,日本では今後ほとんどの地域で人口が減少しますので,むしろ交通インフラの戦略的なダウンサイジングの方が大きな課題です。乗る人が減って採算割れしている鉄道やバスの路線をうまく合理化し,オンデマンドバスなどの柔軟性の高いモビリティに置き換えていくことで,地域のコミュニティが衰退しきって成立しなくなる前に,便利なまちを取り戻せる可能性があります。これまでは鉄道の撤退はコミュニティの死を意味したと思いますが,第四次産業革命のテクノロジーがあれば,撤退ではなく前向きな置き換え戦略,生存戦略を描くことが可能になるのです。

金田私たちも今,住民起点のインフラはどのような姿をしているのか,まさに模索し始めたところです。

須賀社会資本の厚い,つまり助け合いの能力が高い地域ではうまくいくでしょう。そうでないところでは,金田さんのように間に入って翻訳できるデザイナーさんが必要かもしれません。

寺本地域のインフラをコンパクトにすることで,人と人とのつながりも密になりますね。日本の都市部では,人の密度は高いのにつながりが希薄です。孤立しがちな独身者や高齢者,あるいは子育て世帯が周囲の人々との関わりを保ち続けるためにはどうすればいいのか。そのアプローチの一つとして,「移動」や「場所の隔たり」を,モビリティやテレコミュニケーションなどのテクノロジーによって解消することが挙げられます。

例えば,住居がスマートハウスカーのような形態になり,ライフラインは自家発電・浄水設備でまかないながら好きな場所で生活し,仕事はテレイグジスタンスやロボティクスを活用してリモートでこなすことができる。自動運転で寝ている間に移動することも可能で,子育てで困ったら実家の近くに移動したり,遠隔でアドバイスをもらったりもできる。高齢者のコミュニティと子育て世帯が寄り集まって支え合う地域コミュニティがさまざまな場所でダイナミックに形成されていく,そんな世界です。もちろん法制度などの問題はありますが,技術という観点からみると,リアルでもバーチャルでも物理的な距離を克服することが可能になるはずです。場所や環境に縛られずに生きられることも人間中心社会の大切な要素であると思いますし,そうした社会を支える技術を開発できたらと考えています。

人と社会に価値が生まれるデータ活用とその政策とは

寺本 やえみ
日立製作所 研究開発グループ デジタルテクノロジーイノベーションセンタ 知能情報研究部 主任研究員

桑原人間らしい豊かな暮らしとは何か,ということを市民参画型の活動を通じて考え,人々の生活に見合った新たなサービスや社会インフラを市民と共に創っていく。そのためには,対話や合意形成などのコミュニケーションプロセス,意識変革や行動変容を促すための仕組みづくり,それを支える技術やデータの活用などに,有機的かつ生産的に取り組んでいくことが課題になると思います。スマートシティ,Society 5.0がめざす社会を実現するため,政策的なアプローチとしては,どのようなことが必要とされているのでしょうか。

須賀Society 5.0の成否は,社会全体でデータをいかに有効活用していけるかにかかっていますので,まずはデータに関して何をして良くて,何は許されないのかのコンセンサスをグローバルに形成することが急務です。

データやAI(Artificial Intelligence)を駆使する企業が加速度的に巨大化していくことが予想される中で,イノベーションを阻害することなく,健全な競争環境や個人の幸せをどう守っていくのか。コントロール不能になる前に,政府に残されたチカラを振り絞って,今のうちにルールを決めておく必要があります。そしてそれは,逆説的ではありますが,政府任せでは難しく,実際にデータを扱う企業や,データにまつわる膨大な議論の蓄積をフォローしているアカデミアの知見を結集し,リアルタイムで世界とシンクしながら検討するという離れ業が必要です。

C4IR Japanは,この「データガバナンス」を国内でも世界でも最優先の政策アジェンダとすることに貢献してきました。

例えば,スマートシティを構築するにあたっては,まちのデータガバナンスの在り方を議論することになりますが,まちの中で取得されるデータは本来,ほとんどが公共財であるはずです。それを誰がどのように集め,どこまでプライバシーを守りながら共有や活用を認めていくのか。各国,各都市がしのぎを削るこの分野で,私たちは最も効果的な議論の場を提供すべく努力し,ルール設計のための議論を急いでいます。

寺本ルールに則ってさまざまなデータを存分に活用できるようになれば,統計的なアプローチや,データの裏にある真のモデルを推定するアプローチにより,リアルに起きている現象の成り立ちを明らかにすることも可能になります。こうしたデータアナリティクスの技術がもたらす価値は,自動化によって仕事をスムーズにするということだけでなく,人間がよりよい判断を下すこと,より適切な行動の選択を支援することにあると思います。

最近では,AIの判断から人間が学ぶこともあり,AIの判断基準を解析したり,AIの判断に倫理的に問題となるような偏りがないかを検査したりすることも可能になっています。大量のデータ×AIによるアナリティクスによって,人間では難しい,世界の成り立ちの把握が可能になれば,その情報をうまく人間にフィードバックすることで,先ほど言われていたような行動変容につなげることもできるはずです。

金田三浦でのフューチャー・リビング・ラボの活動では,協力いただいている農家さんがデータを扱い始めることで何が起こるのかを考えていこうとしています。最初の施策として考えているのは,無人の野菜直売所でデータを活用した「農家さんの想い」の強調で,その想いを野菜の販売価格に反映させるという仕組みです。そこで次のようなことが起こるのではないかという仮説を立てています。

まず,三浦が持つ資源としての野菜に,「農家さんの想い」を付与することで,購買者が「野菜を手に入れること」にいろいろな想いをはせるようになります。もしかしたら,スーパーで野菜を買うときの意識も変わるかもしれません。次に,生産者が直売所から生み出されたデータを扱えるようになることで,現在は,直売所に野菜を置いても売れたかどうかしか分からない生産者側の意識も大きく変わるのではないかと考えています。

そして,「農家さんの想い」のような,今まで見えにくかったけれど,可視化すると価値を生み出せる要素が他にもないかを地域住民が思考し始める。このような変化が生まれることが,住民自身がデータを活用していく世界を考え始めることにつながっていくのではないかと構想しています。

寺本データの活用でネックとなるのはデータの流通ですね。特に企業間の場合,データは自社のコアコンピタンスであるという意識も見受けられ,データを流通させようというインセンティブがなかなか働きません。政府や自治体の主導でデータをオープン化するのは正しいアプローチだと思いますが,企業間のデータの流通や共有は,やはりそう簡単には進まないのではないでしょうか。

須賀私はそれも時間の問題ではないかと思っています。今は自社が持つデータの価値に過剰な期待を持っている企業が多いのではないでしょうか。でも,データというものは株式に似ていて,公開してみないと真の価値は分からないものです。自社で抱え込んでいるうちはものすごい価値があるように見えるかもしれませんが,公開してみたらそうでもないかもしれませんし,逆に予想以上の価値を見いだす人が現れるかもしれません。抱え込んでいるだけでは価値は生まれないということに,早晩,企業の皆さんも気づかれるはずです。私たちはそのときを見据えて,今のうちからデータエクスチェンジの仕組みづくりに着手しています。

経済産業省が今,着目しているのはインド政府が構築したデジタルインフラ「India Stack(インディアスタック)」です。インド政府は全国民にデジタルIDを付与し,このインフラ上で電子署名による手続きや決済などのデータのやり取りを可能にしています。日本でも同じように,さまざまな人とデータ,システムがセキュアに連携できるデジタルインフラが構築できれば,スマートシティを支えるCPS(Cyber Physical System)の基盤になると考えています。

「信頼」をキーワードに人間中心社会を構築

[モデレータ]
桑原 亜希子
日立製作所 研究開発グループ 技術戦略室 主任技師

桑原寺本さんがおっしゃったように,人と人とのリアルなつながりが希薄になりつつある一方で,デジタル化を通じて「信頼」というものが改めて問われる時代になったと感じます。共感や期待,つまり信頼によって投資や寄付,資金調達など,これまでにない情報やお金の流れを可能とするデジタルインフラは,時空を超えた人と社会のつながり,また,新しいサービスや価値の創出を可能としています。そのようなデジタル基盤の上に築かれる未来社会の実現に向けた,皆さんの展望を伺います。

寺本須賀さんのお話を伺っていて,もっと長期的な視点で社会を捉える必要があると改めて感じました。一企業としての利益だけにとらわれるのではなく,本質的な部分で生活をよりよくするもの,社会の重要な課題を解決するものを提供していくことが日立の使命であるという意識を,より一層強めていかなければならないと思います。AIをはじめとする技術は,そうした本質的な課題解決に必ず役立つはずです。例えば,囲碁や将棋ではAIの打ち手から人が学ぶということが起こり始めていますし,AIの判断をブラックボックスにせず,判断根拠や判断の公平性を明らかにするための技術の開発も進んでいます。透明性や信頼が確保されたAIによって,人がAIを使いこなすだけでなく,AIから示唆を得て新しいアイデアを創出することや,健康や精神の充実を得ることも可能になるでしょう。そのような社会をめざして技術開発を進めていきます。

金田「信頼」はこれからの重要なキーワードだと思います。ビジョンデザインの活動の一つとして,未来の信頼のかたちを探索する「TRUST/2030」というものがあります。「TRUST/2030」では,他人への信頼が際立っていて情報の透明性が高い社会,大きな組織に全幅の信頼を寄せている社会,自分の属するコミュニティだけを信頼する社会という,三つの異なる世界のシナリオが描かれています。私はその中で,自分の属するコミュニティ,例えば地域への信頼の掘り下げなどを,多面的・多角的に考え続けているところです。

子どもが登下校中に犯罪などの被害に遭ったといったニュースを聞くと,地域の住民さえも疑わなければならないのかという悲しい思いも抱いてしまいますが,一方で信頼のネットワークのある地域,社会を信じている自分もいます。これから子どもたちが,地域や人とのつながりに期待を持てるような世界をどうつくるのか,そのためにテクノロジーをどう役立てられるのか,さらに考えていきたいと思います。

須賀未来の信頼の形を探るというプロジェクトは興味深いですね。信頼は人間中心の社会を支えるキーワードとしても大切だと思います。皆さん,税金なんてできれば払いたくないと思われるでしょうけれど,税金がなければ社会保障は成り立たず,弱者を切り捨てる社会になってしまいます。そうなれば社会への信頼は失われ,誰も安心して住めなくなるでしょう。私たちも,今は普通に暮らしていても,いつ弱者になるか分かりません。私は出産してしばらくは社会的弱者になったと感じましたし,そうした弱者を取り残さないためのパワーを共同体として持ち続けるために税金は必要です。今,デジタル課税の議論も出ていますが,産業構造が変わり,社会が変わる中で,税制の在り方もアップデートしていく必要があります。そのときに,税金が上がるのは嫌だからと反対する気持ちも理解はできますが,社会の信頼を保ち続けるためにはどうするべきか,きちんと考えることが大切ですよね。

税金の問題だけでなく,これからの社会の在り方についてもみんなで考えることが必要です。時代の変わり目に,先はこうなると分かったような顔をするのではなく,「先が見えない」とか「悩んでいる」ということを素直に言えて,みんなで解決策を考えられる場所が必要だと思うのです。私たちC4IR Japanがそうした場となり,皆さんのような研究者の方々とも一緒に,よりよい未来を拓くには今何をすべきかを考えていきたいと思っています。

桑原悩みを共有し,対話を重ねていくことが,「ひとりひとりに寄り添う」社会づくりへの第一歩だと思います。組織の壁を越えて未来について考え,協創することで,人間中心社会の実現をめざしましょう。本日はありがとうございました。

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