1. 水環境ソリューションの概要とめざす方向
日立グループは顧客の「社会価値」,「環境価値」,「経済価値」を同時に高めることで,社会課題の解決と人々のQoL(Quality of Life)向上の両立をめざす,「社会イノベーション事業」を加速している。
その中で,生命に不可欠な水とその周辺環境においては,課題を総合的に解決する「水環境ソリューション」事業を推進している。具体的には計画・経営支援,維持管理支援,監視制御,水処理プロセスなどの技術やシステム,サービスを連携させることで課題の解決に貢献する。水インフラの運用・制御技術であるOT(Operational Technology)やプロダクト・システムだけでなく,LumadaをはじめとするITやデジタル技術の活用も積極的に進めており,水需要の予測,水質シミュレーション,設備や管路の管理支援,熟練職員の技術継承支援などの取り組みを加速していく。
水源保全や治水・利水,水道や工業用水,下水道や産業排水,造水や水再生など,幅広い分野で健全な水環境の実現に寄与するとともに,Society 5.0,さらにはSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成をめざす考えである。