1. デジタルソリューションによるがんゲノム個別化医療の革新
日本において,がん細胞の遺伝子の異常を調べて,がん細胞の特徴に合った治療法を選択するがんゲノム医療が始まった。患者に適した治療法は,エキスパートパネルと呼ばれるさまざまな分野の専門家で構成されるチームで検討される。治療法と遺伝子異常の関係性は日々新しくなっており,エキスパートパネルで最新の治療法候補が議論されることは,患者アウトカム向上にも重要である。
エキスパートパネルは,医師が最新の治療法探索に膨大な時間を費やすなど,大きな負担が強いられる状況である。日立はこの課題解決のため,東北大学病院個別化医療センターとの協創を通じ,治療候補を提供し医師の業務を効率化するエキスパートパネル支援サービスを開発した。
今後,日立はゲノム情報解析技術やAI(Artificial Intelligence)活用によるゲノム医療のビッグデータ分析など,医師による効率的な個別化治療の意思決定を支援するソリューションを提供し,がんゲノム医療が一人でも多くの患者に提供される社会の実現に貢献していく。