1. 先端の半導体デバイス動向と製造・検査装置に対する顧客ニーズ
スマートフォンを利用した情報処理や決済処理などのアプリケーションが拡大し,IoT(Internet of Things)が進展するにつれ,生成・処理されるデータ量は爆発的に増大してきている。また,今後5G(5th Generation)通信の拡大や自動運転の実用化などにより,さらにデータ量が増大していくと考えられる。これらの膨大なデータの処理やデータを活用した予測・判断などでは,先端ロジックやメモリなどの半導体デバイスが使用されており,先端半導体デバイスの需要は今後も増大すると予想されている。
先端ロジックデバイスは,FinFET(Fin Field Effect Transistor)からGAA(Gate-all-around)へと構造を変え,またDRAM(Dynamic Random Access Memory)では構造が改良されながら,さらなる微細化が進行していく。一方,NANDフラッシュメモリではメモリセルを縦に積層し集積度を向上させる3D-NANDが進展してきた。現在では96層デバイスの量産が開始され,さらに今後は200層を超えるデバイスも検討されている。このような先端半導体デバイスの開発・量産では,複雑化する構造の高精度加工技術や,これらプロセスの管理に必要な検査・計測技術が求められる。さらに,これらを高い歩留まりで生産するには,ウェーハの裏面管理も重要になっており,ウェーハ裏面検査のニーズも高まっている。
日立グループは,これらの多様な顧客ニーズに応える技術とソリューションを提供していく。
(株式会社日立ハイテクノロジーズ)