1. パワーモジュール用窒化ケイ素回路基板
自動車,新エネルギー,産業機器などに使用されるパワーモジュールの絶縁基板にはアルミナ・窒化アルミが使用されていたが,材料強度・熱伝導性・絶縁性の点で優れている窒化ケイ素基板の採用が進んでいる。
日立金属株式会社は,これまで主に絶縁基板単体として窒化ケイ素基板の量産を行ってきたが,このたび窒化ケイ素基板を絶縁基板とし,銅板をロウ材により接合した窒化ケイ素回路基板の本格的な量産を開始した。
窒化ケイ素回路基板の材料(窒化ケイ素基板,ロウ材,銅板)は自社で保有しており,さまざまな顧客ニーズに対応が可能である。新開発の高熱伝導窒化ケイ素基板(130 W/m・K)の組み合わせも可能である。
また,パワーモジュール用回路基板のトレンドとして0.6 mm以上の厚銅を使用した放熱性の改善が挙げられ,窒化ケイ素回路基板の本格的な量産化に合わせ,幅広いラインアップを準備した。銅回路の表面処理に関してもニッケル(Ni),銀(Ag)などのめっきや防錆処理などの対応も開始しており,今後も材料特性,銅厚,銅回路パターンといった項目を拡充していく予定である。
(日立金属株式会社)