1. 茨城県日立港区事業所 遠隔監視システム
2011年の東日本大震災以降,海岸法の改正や津波高潮対策における水門・陸閘等管理システムガイドラインが策定され,J-ALERT(全国瞬時警報システム)からの警報や,地震計の観測情報をトリガーとした水門・樋門・陸閘などへの自動閉鎖化,遠隔操作化が全国で推進されている。
日立港の瀬上川津波水門は,茨城県では最初の整備となる。この遠隔監視システムは,水門設備,排水ポンプ設備,受配電設備,非常用発電設備,観測設備,監視カメラ設備,および遠隔操作監視設備で構成されている。今回整備した遠隔監視システムの特長は以下のとおりである。
- 震度5強以上の地震発生やJ-ALERTによる大津波・津波警報を受信した際,水門を自動閉鎖させるとともに,閉鎖に伴う水位の上昇を防ぐためにポンプの自動運転を行う。
- 周辺の安全確認や防潮堤の陸閘が閉鎖されたことを確認するため,カメラによる映像監視やスピーカーによる注意喚起を行う。なお,カメラ映像を見ながら同時に水門操作が行えるよう,操作端末の分散化を図った。
- 遠隔操作拠点は,日立港区,日立市役所,日立消防本部に分散させ,主回線に有線系,バックアップ回線に無線系ネットワークを採用し,伝送路を二重化することにより信頼性を向上させた。
(運用開始時期:2020年4月)