1. フレシキブル基板対応 高耐食Mo合金膜用ターゲット
日立金属株式会社は,薄膜作製手法の一つであるスパッタ法に用いられるターゲット材の製造販売を行っている。電子機器は小型・軽量・高機能化の要求に伴い薄膜化が進んでおり,さらに今後は可搬性に優れるフレキシブル性も要求されている。
今後の高機能薄膜デバイスに必要な高耐食性や樹脂フィルムなどのフレキシブル基板への高密着性と低応力性,さらに導電膜,磁性膜などの高機能膜との熱拡散性バリヤ性も有し,多用途に展開できる新たなMo合金膜(MVF-5X)形成用ターゲット材を開発した。
開発材はLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)のCu配線の表面保護膜(Cap膜)などに展開し,一部顧客において量産適用が決定している。また,粉末焼結法で製造中の電子部品の積層薄膜化への移行を見据え,顧客へのPRを行い,サンプル受注を頂いている。さらに,本開発材で作成した薄膜はCr同等の高い光学反射特性と350℃の大気中でも金属光沢を維持する高耐酸化性も有しており,意匠性用途などへの展開も進めている。
(日立金属株式会社)