日立評論

高機能材料

プロダクト

ページの本文へ

Hitachi

日立評論

高機能材料

プロダクト

1. フレシキブル基板対応 高耐食Mo合金膜用ターゲット

日立金属株式会社は,薄膜作製手法の一つであるスパッタ法に用いられるターゲット材の製造販売を行っている。電子機器は小型・軽量・高機能化の要求に伴い薄膜化が進んでおり,さらに今後は可搬性に優れるフレキシブル性も要求されている。

今後の高機能薄膜デバイスに必要な高耐食性や樹脂フィルムなどのフレキシブル基板への高密着性と低応力性,さらに導電膜,磁性膜などの高機能膜との熱拡散性バリヤ性も有し,多用途に展開できる新たなMo合金膜(MVF-5X)形成用ターゲット材を開発した。

開発材はLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)のCu配線の表面保護膜(Cap膜)などに展開し,一部顧客において量産適用が決定している。また,粉末焼結法で製造中の電子部品の積層薄膜化への移行を見据え,顧客へのPRを行い,サンプル受注を頂いている。さらに,本開発材で作成した薄膜はCr同等の高い光学反射特性と350℃の大気中でも金属光沢を維持する高耐酸化性も有しており,意匠性用途などへの展開も進めている。

(日立金属株式会社)

[1]各種金属膜の大気加熱後の外観(膜厚 : 0.2 μm) [1]各種金属膜の大気加熱後の外観(膜厚 : 0.2 μm)

2. 磁区制御による低損失Fe基アモルファス合金薄帯

地球温暖化対策としてCO2排出量削減が求められており,地球規模での対策が喫緊の課題となっている。配電用変圧器に関しては各国でエネルギー効率規格の高効率化が進展しており,その規格に適合した,より低鉄損な鉄心材料が求められている。

日立金属は,実用化が困難とされてきたFe基アモルファス合金薄帯の磁区制御技術に挑戦し,量産可能な薄帯表面へのレーザースクライブ処理技術を確立して,その技術を適用した磁区制御型Fe基アモルファス合金薄帯を製品化した。本製品は,商用周波数帯の低鉄損化に適するよう磁区細分化させた材料である。この薄帯を用いた鉄心は,現行製品に比べて30%を超える鉄損低減を実現し,配電用変圧器の高効率化に大きく寄与できると考えられる。

(日立金属株式会社)

[2]磁区制御型Fe基アモルファス合金薄帯(公称板厚:25 μm,標準幅:142 mm,170 mmおよび213 mm) [2]磁区制御型Fe基アモルファス合金薄帯(公称板厚:25 μm,標準幅:142 mm,170 mmおよび213 mm)

3. 高い滑り性と耐薬品性を兼ね備えた医療用シリコーンケーブル

シリコーンは優れた耐薬品性,耐滅菌性能,生体適合性を持ち,医療機器の素材として幅広く利用されている。シリコーンをシース(保護外層)に適用した場合は,ケーブル表面を消毒する薬品に高い耐性を持ち,高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)などにも適用することができる。しかしながらシリコーンは,表面の粘着性により,埃が付着して汚れやすい,医師の取扱性が悪い,などの課題がある。

日立金属は,シリコーンの持つ優れた耐薬品性・耐滅菌性能,可とう性,防汚性を維持しつつ,高い滑り性を兼ね備えた医療用シリコーンケーブルを開発した。

開発品は,ケーブル表皮に独自の表面処理を施すことによってシリコーン特有の粘着性を解消し,高い滑り性を実現した。また繰り返し消毒における滑り性の低下については,消毒液を含浸させた不織布の応力を受け流す表面構造とすることにより, 1万回の拭き取り試験を行った後でも,自社の医療用PVC(Polyvinyl Chloride)ケーブルと同等以上の滑り性を維持する結果が得られた。さらには,病院で使用されるさまざまな薬液に対しても,PVCケーブルと比較して変色が少ないことを確認した。

(日立金属株式会社)

[3]医療用シリコーンケーブルと超音波診断装置用ケーブル [3]医療用シリコーンケーブルと超音波診断装置用ケーブル

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。