1. 台湾特急列車のデザイン
交通部臺灣鐵路管理局(TRA:Taiwan Railways Administration,MOTC)は,車両調達10か年計画(2015年〜2024年)に基づいて,鉄道の輸送力向上,老朽車両の更新のため,新造車両の大型調達・増備を進めている。この計画に基づき,日立はTRAおよびその調達代行機関である台湾銀行より,都市間特急車両600両(12両×50編成)を受注し,2019年1月に契約を締結した。
本車両のデザインは,世界に誇れる特急車両をつくろうというコンセプトの下,TRAとTRAが招聘した台湾のデザイン専門家,日立により検討が進められた。エクステリアデザインやインテリアデザインだけでなく,運用面やユニバーサルデザインの観点などから,鉄道を利用する多くのステークホルダーにとって使いやすく,受け入れられるデザインとなっているかという点も検証を重ねながら検討を進めた。
2019年12月に台湾東部花蓮・台東で車両デザインに関する記者発表会が開催され,台北駅ではデザイン展示会が開催された。展示会は大きな反響を呼び,当初3日だった会期が1週間延長された。現在,プロジェクトは車両製造のプロセスに入っており,2021年の納入に向け準備が進められている。