日立評論

モビリティソリューションを通じて持続可能な社会に貢献するグローバルリーダーへ

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日立評論

ブリス・コッホ ブリス・コッホ
日立Astemo株式会社
プレジデント&CEO

国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を達成するため,国際社会における共通課題を解決する取り組みが多くの国,企業や団体で進められています。自動車産業においては,地球規模での気候変動への具体的な対策が求められている中,日立Astemo株式会社も安全・安心・快適で,環境に配慮したサステナブルなモビリティ社会を実現するソリューションに取り組んでおり,とりわけ,急速に変化し社会に与える影響の大きいCASE(Connected,Autonomous,Service & Shared,Electric)分野の技術革新を進めています。新社名である日立Astemoの名前は,Advanced Sustainable Technologies for Mobility,モビリティ分野における先進的で持続可能な技術を提供するというミッションに由来しています。

日立Astemoは,2021年1月,日立オートモティブシステムズ株式会社,株式会社ケーヒン,株式会社ショーワ,日信工業株式会社の経営統合により,モビリティソリューション分野で高い技術を有する独立したグローバルリーダー企業をめざして設立されました。この新会社には,2019年から2020年にかけて日立オートモティブシステムズがグループに迎え入れたChassis Brakes International,seneosも含まれています。

自動車産業が,単なる移動手段の提供からコネクテッドモビリティの提供に変革を遂げる中,非常に広範な社会課題に適応した自動車を実現するために,私たちには一層の事業規模の追求と複雑な産業構造への対応が求められています。

日立Astemoは,世界27か国以上に約9万名の従業員を擁し,世界に広がる自動車メーカー,二輪車メーカーの製造拠点の近くに配置したネットワークでサービスを提供しています。

統合前の会社がそれぞれ同じ領域で技術開発を行っていたため,今回の統合により重点分野での研究開発の規模を拡大し,投資をさらに強化することができました。また,重複するリソースを活用し,主要な開発を加速するだけでなく,他の分野にシフトすることも可能となりました。

日立Astemoは日立グループが有するコネクテッドサービスやデジタル分野における先進技術を活用し,日立グループの一員としてモビリティソリューションを通じた社会価値,環境価値を提供していきます。私たちが持つグローバルネットワークと研究開発体制を活用し,グローバルリーダーとして将来のモビリティソリューションを形づくっていきます。

環境価値の向上に向けた重点的な取り組みは,電動化技術の高度化になります。各国が掲げるカーボンニュートラル,ゼロエミッションの目標を達成するために,自動車メーカーは電動化への投資を加速させ,電気だけを動力とした車両の販売目標を掲げています。日立AstemoはCASEを事業戦略の中核に据え,電動車両用モータ,インバータなどの技術を重点戦略事業と位置付けています。

2021年3月,日立は800 V小型高出力インバータの開発において,市村地球環境産業賞貢献賞を受賞しました。電気自動車を進化させる技術の創造を通じて,私たちは電気自動車の普及に貢献していきます。

また,日立Astemoのポートフォリオの一つである二輪車事業においては,自動車で培った電動化技術を活用し,将来の電動化の拡大が予測される二輪車への応用を提案していきます。

一方で,これから数年の間,世界で販売される自動車および二輪車は,しばらく内燃機関とハイブリッド技術に依存すると予測されます。そのような状況でも,日立Astemoはエンジンパワートレインの技術向上,既存製品における軽量化と効率向上による環境負荷低減にも取り組み,環境価値や社会価値に貢献していきます。

社会価値の向上に向けては,AD/ADAS(Autonomous Driving/Advanced Driver Assistance Systems:自動運転および先進運転支援システム),統合車両制御,コネクテッドサービスの先進技術の開発に取り組んでいきます。自動運転技術は,世界的に急速に進歩する中で実用試験が進行しており,法整備,インフラ整備がこれに対応すべく変化しています。ステレオカメラ,自動運転コントロールユニットなどの強力な製品ラインアップに加え,私たちは統合ソフトウェアに支えられた,シャシーの中核製品のすべてを開発できるという特長を有しています。

統合車両制御技術の開発では,日立はシャシー分野のTier1サプライヤとして,ブレーキ,サスペンション,ステアリングなどのさまざまな制御技術を協調させ,安全で快適な移動体験を実現させることができます。また,コネクテッドサービス事業では,自動車内でのサイバーセキュリティおよびモビリティ社会が直面する新たな課題を解決するソリューションとして,その中心的役割を果たすIoV(Internet of Vehicles)プラットフォームの基盤構築に,日立グループ全体で取り組んでいます。

最後に,本特集号では,新たな歩みを始めた私たちの取り組みを中心に紹介していますので,読者の皆さまからのご意見を頂ければ幸いです。今後も,私たちは「持続可能な社会に貢献するグローバルモビリティソリューションプロバイダー」として,人々のQoL(Quality of Life)と顧客の企業価値の向上に貢献していきます。

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