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1. 就業者サービスプラットフォームによる柔軟な権限管理の実現

近年の働き方改革やニューノーマルの拡大に伴い,オフィスビルで働く就業者の行動は多様化している。就業者サービスプラットフォーム(以下,「就業者SP」と記す。)は,オフィスや業務アプリケーションの利用方法の多様化への対応を目的として開発された。

就業者SPは,オフィスビルや企業が提供するアプリケーションサービスの基盤に位置し,就業者のIDと就業者にひも付く属性情報(組織構成,資格など)を管理する。また,属性情報を基に権限(ロール)を演算により決定することで,就業者のいる場所や人事異動による属性情報の変更にも柔軟に対応する権限管理機能を実現した。これにより,多様化する就業者の行動に対して,場所や属性に対応した適切な権限を与えることで,連携するアプリケーションの利便性を高め,オフィスビルなどが提供するサービスの向上に貢献する。

今後は,利用者ニーズの取り込み,対応するアプリケーションの拡大によるオフィスビル以外への適用を図り,顧客のビジネスに貢献していく。

[01]就業者サービスプラットフォームの概要[01]就業者サービスプラットフォームの概要

2. 社会インフラの戦略的メンテナンスを支えるプラットフォーム開発

われわれの生活を支える社会インフラは,常に正常に機能することが求められる。しかし,設備の老朽化や熟練保守員の不足・高齢化が社会課題になっている。

このような課題への具体的なアプローチとして,漏水検知サービス(独自開発の高感度振動センサーを用いた漏水の自動検知)や地中可視化サービス[レーダー探査画像をAI(Artificial Intelligence)解析して地中埋設管情報を可視化]などのソリューションを開発し,サービスレベルとコストの両立可能な社会インフラ保守の実現をめざしている。これまで各地で実証実験などを行ってきており,2021年度より有償でのサービス提供も開始した。今後は,社会課題の解決に寄与するソリューションの自社開発だけでなく,関連パートナーと協創・協業することにより,社会インフラ保守のエコシステムを構築する。

またこれらのソリューションは,地震被害などからの早期復旧への利用にも期待でき,国土強靭化などの政策テーマへ貢献する。

[02]社会インフラ保守プラットフォームの全体概要[02]社会インフラ保守プラットフォームの全体概要

3. 日立がめざす公共におけるデジタルトラスト

2019年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で宣言したとおり,政府は信頼ある自由なデータ流通「Data Free Flow with Trust(以下,「DFFT」と記す。)」の実現をめざしている。一方で,サイバー空間の膨張に伴い,プライバシー侵害やフェイクニュースの横行などの社会問題が顕在化しており,政府はDFFTにおいてデジタルトラストが必要と判断し,データ戦略タスクフォースを中心としてデジタルトラストの検討を進めている。

DFFTの実現には,トラストを確保することが必要であり,デジタルトラストとは「意思表示の証明(電子署名など)」,「発行元証明(eシールなど)」,「存在証明(タイムスタンプなど)」の三つの要素を最低でも確保することが不可欠である。

データの性質に合わせて適切な取り扱いが必要だが,この三つは共通の要素であり,公共におけるデジタルトラストは,これらの証明において,意思証明や本人性確認,組織確認,時刻確認といった認証を中心とした真正性を保証することと捉えている。

デジタルトラストはDFFTを支える重要な柱であり,データの完全性・真正性を担保するデジタルトラストをTaaS※)(Trust as a Service)という形で実現することをめざす。

[03]TaaSによるDFFTの実現[03]TaaSによるDFFTの実現

※)
政府が整備するトラスト基盤において,デジタルトラストを容易に実現するシステムの総称で,日立ではこのTaaSの具体化に向けた活動を推進している。
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