1. 品質のバトンで安心・安全な再生医療に貢献する全工程トレーサビリティの実現
患者自身やドナーから採取した細胞などを培養・加工して患者に投与する再生医療等製品では,製品の取り間違いや,輸送時の温度逸脱の発生,スケジュール調整(患者の容体変化や培養期間などに起因する変更)などの課題がある。そのため,全バリューチェーンにわたる厳格な個体識別と緻密な情報トレースによる品質の担保,ステークホルダー間の確実な情報連携が求められる。
日立はこれらの課題を解決するため,再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォーム「Hitachi Value Chain Traceability service for Regenerative Medicine」を構築し,サービス提供を開始している。本サービスは,再生医療等製品を取り巻く各ステークホルダーが共通的に利用し,バリューチェーン全体での品質情報を統合管理するための基盤である。
今後,本サービスをデジタルイノベーションを加速する日立のLumadaソリューションの一つとして医療・医薬品業界向けに展開していくとともに,流通において厳格な情報管理が求められるスペシャリティ医薬品への適用拡大や海外展開を行う予定である。
本サービス基盤が業界標準として広く利用されることをめざし,再生医療の普及・進展に貢献していく。