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1. 生化学・免疫統合型自動分析装置 cobas pure integrated solutions

[01]生化学・免疫統合自動分析装置(上),免疫分析装置e402 analyzer(下左),生化学/ISE分析装置c303 analyzer(下右)[01]生化学・免疫統合自動分析装置(上),免疫分析装置e402 analyzer(下左),生化学/ISE分析装置c303 analyzer(下右)

臨床検査における自動分析装置は生体試料,主に血液中に含まれる成分を分析し,その結果は診断および治療薬選択,治療効果の確認などに利用される。株式会社日立ハイテクは生化学と免疫の統合型自動分析装置を世界に先駆けて市場投入し,現在に至るまで市場を牽引している。

生化学・免疫統合型自動分析装置cobas pure integrated solutionsは,これまで培った分析技術をコンパクトに集約し,迅速測定を可能にしたことを特徴とする。検体を搬送制御するコントロールユニットを装置中央に配置することにより,緊急検体の検体単位での割り込み測定を可能にするとともに,各装置を小型化し,2平方メートル以下のフットプリントを実現した。また,装置の操作方法・試薬・消耗品をすべて上位機種互換としたことにより,検査技師のルーチン業務ではさらにシンプルかつ効率的な運用を可能とした。

臨床検査における操作過程をより簡素化したcobas pure integrated solutionsは,検査室の効率運用・迅速検査に貢献する。

(株式会社日立ハイテク)

2. 小型キャピラリーDNAシーケンサーのコラボレーション・自社事業の同時立ち上げ

[02]小型DNAシーケンサーDS3000[02]小型DNAシーケンサーDS3000

キャピラリー型(CE:Capillary Electrophoresis)DNA(Deoxyribonucleic Acid)シーケンサーは,生命の設計図であるDNAの塩基配列や塩基長を解析する装置として,医療・健康分野や犯罪捜査のための個人鑑定などCEの特徴を生かした市場において幅広く利用され,堅調な市場規模を維持している。

日立ハイテクは,成長が期待されるパーソナルユース市場向けに,多種少数検体の計測に適し,かつ,操作性に優れた小型DNAシーケンサーDS3000を開発した。本製品を,国内・アジア市場において,日立ブランドのCE DNAシーケンサーとして事業化した。また,米国プロメガ社とのコラボレーションにより,それ以外の海外市場へ展開している。

主な特徴は,以下のとおりである。

  1. 多種少数検体対応:ダイレクトポリマー充填機構と試薬のカートリッジ化により,顧客が配列解析やフラグメント解析など多種少数検体を短時間で計測できるようになるとともに,定期的なポリマー送液流路のメンテナンスを不要とした。
  2. 省スペース: 装置操作と測定結果の配列解析を行うPCを内蔵し,かつ,光源にレーザーダイオードを適用し光学系を小型化することにより,従来比60%の省設置スペースを実現した。
  3. リモートモニタ:汎用ウェブブラウザを用いた遠隔モニタリングシステムの搭載により,離れた場所から装置状態監視や分析条件設定などができ,利便性が大幅に向上した。特にマルチユーザー環境下での装置使用のスケジュール管理が可能となり,専用ソフトが不要であることなどが優位性となっている。

今後は,ゲノム・医療・健康・環境など多様なデータ情報との融合によるデジタルソリューション事業への展開をめざす。

(株式会社日立ハイテク)

3. 光学部材向け分光特性検査装置UH4150AD+

[03]分光特性検査装置 UH4150AD+[03]分光特性検査装置 UH4150AD+

近年,近赤外線を応用したカメラやセンサーが先端産業の幅広い分野で活用され始めており,自動運転のLiDAR(Light Detection and Ranging)に代表されるリモートセンシング技術,暗視カメラやセキュリティツールとしての顔認証や虹彩・静脈認証技術など,その用途は拡大している。こうした光学機器の発展に伴い,レンズやフィルタをはじめとした光学部材の吸光度,透過率,反射率などの分光特性を高精度に測定する要求が高まっている。

光学部材向け分光特性検査装置UH4150AD+(Advanced Spec Plus)は,従来機のUH4150から,近赤外線領域における分光特性の測定性能を向上させた。最新のカメラやセンサーに用いられるバンドパスフィルタは,6 Abs(透過率0.0001%)〜7 Abs(透過率0.00001%)以下の遮光性能の光学薄膜が施されている。

本製品は,低透過率を測光する際の検出器や信号処理を改良したことで,近赤外線領域の透過率を従来比100分の1となる7 Absの測光レンジに対応した。これにより,従来は測定ができなかった近赤外線領域での微弱な透過率でも高精度な測定が可能となった。

(株式会社日立ハイテクサイエンス)

4. 走査電子顕微鏡SU8600/SU8700

[04]超高分解能FE-SEM SU8600(左),多目的高分解能 FE-SEM SU8700(右)[04]超高分解能FE-SEM SU8600(左),多目的高分解能 FE-SEM SU8700(右)

電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM:Field Emission Scanning Electron Microscope)は画像の分解能が高く,得られる情報の豊富さや試料取扱が簡便なことから,エレクトロニクス,ライフサイエンス,材料科学などの幅広い分野において活用されている。一方,その用途の広がりに伴い,大量データの短時間取得やユーザーの操作負荷の低減も求められている。

今回開発したSU8600/SU8700には光学調整時間を短縮する支援機能を搭載し,また大量データ取得省力化のために,連続データ自動取得を可能にする新開発ソフトウェアオプション「EM Flow Creator」が搭載可能である。

SU8600は高輝度冷陰極電界放出形電子銃を備え,近年のFE-SEMで重視される低加速電圧観察に有効で,電子線照射によるダメージを受けやすい材料においても高分解能観察が可能である。

SU8700は大電流量を獲得できるショットキー電子銃を備え,低加速電圧観察から大照射電流を要する分析までの各手法を幅広い材料を対象として可能とする。

これらの装置により,ワークフローにおけるユーザー負荷を低減させ,データ取得や解析が促進されることが期待される。

(株式会社日立ハイテク)

5. オペレータ視点での実質的な操作性を追求した小型AFM

トータルスループットと信頼性の向上

走査型プローブ顕微鏡は,ナノレベルでの試料表面の形状観察と物性マッピングを同時に実現可能な分析手段として,有機・高分子やエレクトロニクスなど幅広い分野で利用されている。昨今では機器の普及とともにデータ取得プロセスの簡易化のみならず,電子顕微鏡などの異なる観察手法との解析親和性が求められている。

今回のAFM100 Plus/AFM100は,こうした課題に対する日立ハイテク独自の解決手法として産業分野や研究開発分野向けに開発された装置である。

主な特長は以下のとおりである。

  1. これまで煩雑であった測定に至るプロセスを容易にするとともに,試料の表面形態に最適な測定条件が自動設定される機能を搭載することで,操作性と信頼性,トータルスループットを向上させている。
  2. SÆMic.※)(AFM-SEM相関顕微鏡法)という観察手法により,試料の同一箇所を観察することでそれぞれの機器特性を生かしながら試料の機械特性,電気特性,成分分析などを含めて計測し,多角的解析へのアプローチを容易にしている。

(株式会社日立ハイテク)

[05]SÆMic.にも対応した多機能プローブ顕微鏡システム AFM100 Plus/AFM100[05]SAMic.にも対応した多機能プローブ顕微鏡システム AFM100 Plus/AFM100

※)
Scanning Atomic and Electron Microscopy。日立が推奨するSEM-AFM相関分析の総称。

6. 日立として初めての小型陽子線治療システムがまもなく稼働

[06]湘南鎌倉先端医療センター 陽子線治療システム治療室[06]湘南鎌倉先端医療センター 陽子線治療システム治療室

2018年に徳洲会グループから受注し,「湘南鎌倉先端医療センター」への導入が進められている陽子線治療システムが,2022年の稼働に向けて最終調整段階である。本センターは,全国で350の医療施設を運営する徳洲会が,湘南鎌倉総合病院の隣接地に建設した,先端的放射線治療をはじめとする先端医療を提供する医療施設である。

導入するシステムは,機器の配置の最適化により,日立の従来システムと比較して設置面積を約70%に縮小し,都市部の限られた敷地内での設置を実現するとともに,導入に関わる費用と期間を抑えている。また,がんの形状に合わせて陽子線を照射できるスポットスキャニング技術,コーンビームCT(Computed Tomography)を搭載した360度回転ガントリ,および動体追跡システム※)という最先端の技術を備え,小型化と高機能を両立している。

※)
呼吸などで位置が変動する腫瘍に対してリアルタイムに位置を捉え,正確に陽子線を照射する技術。日本学術振興会の最先端研究開発支援プログラム(FIRST)により助成を受けて,北海道大学と日立製作所が共同開発したもの。
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