1. 強靭化と経営効率を両立するサプライチェーンコーディネーションサービス
消費者の購買行動の変化による品種数と即時納入要求の増大,天災・地政学リスク,環境・社会・ガバナンス(ESG:Environment,Social,Governance)価値の高まりを受けて,製造流通業では,強靭化と経営効率を両立するサプライチェーンの再構築が急務となっている。
そこで日立は,フルバリューチェーン同期化とソーシング支援からなる「サプライチェーンコーディネーションサービス」を構想し,開発している。
フルバリューチェーン同期化は,拠点,企業間にまたがって販売,生産,調達,輸送業務を同期化する最適計画,実行指示を行う。TWX-21のサービスとして一部提供を開始している。
ソーシング支援は,従来のコスト,品質,納期,与信に加えて,ESGも考慮したトラスト評価による取引先選定,改善支援を行う。CRM(Customer Relationship Management)や評価機関による顧客情報,SNS(Social Networking Service)などのオープン情報,取引,検査,財務,CO2排出などの実績情報をリアルタイムに観測し,多角的視点で企業,拠点のトラスト評価を行う。そして,リスクが高まっている取引先のアラートを発報したり,新たな取引先候補の提示,マッチングをしたりする。さらに,評価を向上するために,日立の社内モノづくりや協創で培った業務ノウハウに基づくコンサルテーションやデジタルソリューションを提供し,顧客の事業機会の拡大を支援する。
日立は,協創を通じてこのようなフレキシブルなコミュニティ型のサプライチェーンプラットフォームを構築していく。