1. 顧客のDXを加速する日立のクラウド&DXソリューション
デジタル技術の進展,新型コロナウイルスの感染拡大,さらには不確実性の高まりを受けて,多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる。業務効率化による生産性向上で一定の成果を上げている中,今後の課題としては,ビジネス環境に迅速に対応するための新規製品・サービスの創出やビジネスモデルの抜本的改革に関する成果が強く求められる。
日立は,顧客のDXを加速するため,顧客の経営課題の解決に向けたコンサルティング,デジタルの活用によるビジネス価値創出,各種クラウドを活用したシステムインテグレーション,構築したシステムの運用・保守,セキュリティ維持など,上流から下流まで一貫して支援している。
顧客のDXを支援するための日立のソリューションを下図に示す。顧客の課題解決を支援するサービスを(1)から(3)の観点で提供するとともに,これらを組み合わせることで顧客のDX推進を継続的に支援する。
- デジタルエンジニアリング/クラウドコンサルティング
GlobalLogicの実績あるデザイン方法論により,「デザイン思考」で顧客のデジタル活用によるビジネス価値創出を支援する。エクスペリエンスデザインに精通したデザイナーが顧客と共に課題の明確化から解決方法の提案を行い,同時並行でアーキテクトが実行可能な開発計画を立案し,その実現までEnd-to-Endで支援する。また,ビジネスのアジリティ向上を目的とした既存システムのモダナイズ,社内に埋もれた既存データの利活用,クラウド移行に伴うセキュリティ対策についても,これらを支援する各種コンサルティングサービスを提供する。
日立は,社会インフラシステムの構築・運用の経験を持つエンジニアと各種クラウドベンダーの認定エンジニアが一体となって,オンプレミスとクラウドの使い分け,システムの配置案の設計,クラウド移行方式,クラウドネイティブ開発支援など,ハイブリッドクラウドで顧客のビジネス価値を最大化するためのグランドデザインの策定から,実行計画の立案,システムの構築・運用まで一貫して支援する。 - クラウドインテグレーション/マネージドサービス
クラウドを活用したシステムの構築では,プロジェクトごとのスクラッチ開発により新規サービスの開発が長期化するという課題がある。日立は,顧客やクラウドベンダーをはじめとするパートナー各社との協創活動で得たノウハウをフレームワークとしてアセット化しており,その活用により,高信頼かつ高セキュアなクラウド基盤を短期間で構築して,顧客のITモダナイズを迅速化する。
また,クラウドシステムの運用・保守に関しては,ハイブリッドおよびマルチクラウド運用の複雑さにより,予期せぬ高コスト化,サービスの不安定化,セキュリティリスクの顕在化などが課題となっている。日立は,プライベートクラウド(オンプレミス)とパブリッククラウドそれぞれに適した運用サービスを提供するとともに,運用標準化による運用サイロの解消,IT運用・セキュリティ運用の両方に対応した運用自動化,SRE(Site Reliability Engineering)によるDevOps高度化の支援を行うことでこれらの課題を解決する。 - デジタルインフラ/ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドを支える基盤サービスの要件としては,オンプレミスでもクラウドと同等の使いやすさを有していること,オンプレミスのストレージ・サーバ・ネットワークをサービス型(従量課金)で利用できることなどがある。ハイブリッドクラウドソリューションEverFlex from Hitachiでは,オンプレミスにある日立ストレージのデータとパブリッククラウドのデータをシームレスに連携できるため,データの所在を意識することなくアプリケーションを動作させることができる。また,日立の高信頼ストレージ,サーバ,ネットワークなどのITリソースをパブリッククラウドと同じようにサービス型で提供するため,顧客は大きな投資をすることなく,従量課金型でこれらのITリソースを利用できるようになる。さらにCO2排出量の可視化により,顧客企業でのサステナビリティプランにも対応する。
日立は,顧客の課題を理解して解決方法を検討し,クラウドシステムを設計・実装して運用・保守するというサイクルを回すことで,顧客のDXを継続的に支援する。GlobalLogic,Hitachi Vantaraと連携してグローバルでの支援範囲の拡大を図るとともに,パートナー各社との連携を通して,顧客にとって最適な支援を行う。
サービス&プラットフォームカテゴリでは,顧客のDXを支援するサービスや取り組みについて,その特徴や活用事例を紹介する。