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1. 持続可能な社会保障をめざす「社会参加のすゝめ」プラットフォーム

高齢者人口がピークを迎える2040年,全国の介護給付費は推計25.8兆円と現在の倍以上であり,介護予防による介護給付費の適正化が求められている。介護予防に有効な取り組みである適切な運動や食事の改善に加え,近年は社会参加が提唱されており,関心を集めている。

ここでいう社会参加とは,外出や地域・趣味の集まりへの参加,友人づきあいなど他者と交流する行動の総称と定義する。日立は,社会参加の豊かさを推定するスマートフォンアプリ「社会参加のすゝめ」を開発し,2022年6月に無償提供を開始した。本アプリを用いて社会参加度を可視化してユーザーの意識と行動の変容を促すとともに,ユーザーの同意を得たうえで社会参加ログを自治体や民間企業に向けて提供し,社会参加を後押しする商品やサービス,環境の整備を支援するプラットフォームを実現する。

既に自治体と民間企業のそれぞれで本アプリを用いた事例が生まれており,引き続きさまざまな産業分野で提案活動を推進していく。

[01]社会参加のすゝめによるデータ利活用サイクル[01]社会参加のすゝめによるデータ利活用サイクル

2. CMOSアニーリングを活用した勤務シフト最適化の業務実証

近年,量子技術への期待が高まる中で,日立は量子コンピュータの仕組みを疑似的に再現して大規模な組合せ最適化問題を解けるCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)アニーリングを開発した。

この活用例として,2021年10月より本技術を利用し,時間やタスクごとの必要人数,スタッフの勤務希望日や勤務頻度などの複雑な条件に対応できる勤務シフト最適化ソリューションの提供を開始している。

2022年7月に株式会社KDDIエボルバ,KDDI株式会社との実証実験で約100名のコールセンターの勤務シフトを作成したところ,管理者がシフト作成にかける時間を5割超短縮できることを確認でき,実際の勤務への適用後に実施した調査では,9割以上のスタッフが肯定的な回答となった。

この分野ではシフト自動作成にあたって設定できる条件が限定的で,人手での補正が不可欠というツールが多い中,最小限の補正でスタッフの希望まで満たすシフトを組めたことは大きな成果である。

日立は,このような人員配置の適正化/効率化の課題の解決に今後も貢献していく。

[02]CMOSアニーリングによる勤務シフト最適化[02]CMOSアニーリングによる勤務シフト最適化

3. サステナブル経営を推進するクラウドサービス

サステナブル経営の実現には目標設定,改善施策の立案・実行,モニタリング,開示といった一連のプロセスが重要である。その中で,広範囲でのデータ収集,部門統廃合時のデータ統一,変化する開示項目への対応などが課題となっている。そこで日立は,ESG(Environment,Social,Governance:環境・社会・ガバナンス)データの収集・可視化・分析を効率化し,企業の持続可能な成長につなげる「ESGマネジメントサポートサービス」を2022年9月に販売開始した。本サービスは,多くのユーザーが操作に慣れたExcelとメールを用いることで,データの定義や組み換えを柔軟に行うことができる。

本サービスは,「安全文化の再構築」をめざす日立建機株式会社の安全衛生分野での実証を通して開発された。手間のかかるエラー確認やリマインドの自動化で,データ収集の工数を約34%削減した。加えて,データを部門間で共有することで,従業員の安全意識の向上に寄与する効果が得られた。

今後は,サービスの強化を継続的に進め,顧客の長期的な企業価値向上に貢献する。

[03]ESGマネジメントサポートサービスの概要[03]ESGマネジメントサポートサービスの概要

4. 小型無人店舗サービス「CO-URIBA」を活用した小売DXへの取り組み

[04]「CO-URIBA」イメージ写真[04]「CO-URIBA」イメージ写真

「CO-URIBA」は,商品棚と天井に設置したセンサーによる行動ログの取得,データに基づくデジタルサイネージによる誘導,生体認証などの本人確認と連携した自動決済までを行う,小売DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する小型無人店舗サービスである。

2022年9月から11月にかけて,株式会社東急百貨店とのコラボにて渋谷エリア3店舗のコスメ&ビューティーフロアに「CO-URIBA」を設置し,実証実験を行った。リアルな売場でのワクワクする新たな購買体験の提供を目的に,SNS(Social Netwoking Service)アカウントにひも付けした情報発信やアンケートの実施,購買客が商品棚に置かれた商品のうち「何を手に取ったか」,「何を棚に戻したのか」,「最終的に何を選んだか」といった高度な行動データの取得,手に取った商品の説明をサイネージ表示するといった取り組みを試みた。

引き続き,高度なマーケティング化のためのデータ利活用の推進とリアルな売場での購買体験の拡大に向けた協創を進め,小売DXの実用化をめざす。

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