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ビルシステム

コネクティブインダストリーズ

1. リカーリングビジネスを拡大する保全IoTサービスプラットフォームの構築

リカーリングビジネスである昇降機保全事業は,管制システムを中心とする遠隔監視と各種保全システムによって支えられている。この管制システムの初期構築は25年前と古く,新しいビジネスモデルと事業拡大に適応する構成へと全面刷新した。

新しい管制システムではハイブリッドクラウドを採用し,クラウド上のアプリケーションによりサービス品質の向上や業務効率化などの改善・拡張などを推進した。具体例として,故障時の製品停止時間の短縮と顧客サービスの品質向上を目的に,故障発生時に派遣するエンジニアをスキル・現場距離などの要件から自動選定し,出動指示に至る付帯業務のシステム化により業務効率を向上した。さらに,出動したエンジニアに対して調査・復旧手順の最適解を提供するAI(Artificial Intelligence)テクニカルサポートシステムを開発し,故障復旧時間の短縮を図った。また,設備の稼働状況の確認・制御や,点検・修理・報告などの保全サービス内容の確認をPC・スマートフォン上で行えるサービス「BUILLINK(ビルリンク)」を構築した。顧客とつながり,高品質なサービスを提供し続けることで,昇降機保全事業の拡大に貢献していく。

(株式会社日立ビルシステム)

[01]管制システムを中心とした保全IoT(Internet of Things)プラットフォームの全体像[01]管制システムを中心とした保全IoT(Internet of Things)プラットフォームの全体像

2. ハイブリッドPCSを活用したV2Xシステム

電気自動車を電力源として,停電時にもエレベーターの継続利用が可能なハイブリッドPCS(Power Conditioning System)を活用したV2X(Vehicle to X)システムを開発し,株式会社日立ビルシステムの亀有総合センターにて実証を実施している。

市場ニーズの確認と案件創出などのマーケティングリサーチを目的に,商品化に先駆けて実証開始時に社外発表したところ,ゼネコンや設計事務所などから問い合わせ,引き合いを数多く受け,パートナー企業との協業検討など,新たなビジネスの機会にもつながっている。

ハイブリッドPCSは,通常時は電気自動車の充電器としても活用でき,太陽光発電との連携も可能で,電気自動車用充電設備や再生可能エネルギーの導入を進めるマンション,老健施設などへの採用が期待できる。また,標準型エレベーター「アーバンエース HF」へ連携機能を装備し,停電時のレジリエンス強化とエレベーターの高付加価値化機能として提供していく。

(株式会社日立ビルシステム)

(発売予定時期:2023年中)

[02]亀有総合センターに導入したハイブリッドPCSを活用したV2Xシステム[02]亀有総合センターに導入したハイブリッドPCSを活用したV2Xシステム

3. 新感覚のエレベーターを実現するタッチレス操作パネル

物理的な行先階ボタンの代替として,非接触でのエレベーター利用を可能にするタッチレス操作パネルを開発した。今回開発した操作パネルは,従来のエレベーターの乗りかご内にある行先階ボタンを置き換えるもので,操作パネル(液晶ディスプレイ)上の表示に指をかざすだけで行先階の登録を行うことができ,タッチレスでのエレベーター利用を可能にする。

操作パネル上の表示は,利用者の利便性を高めるように2画面構成としている。一つは,よく利用される行先階(例えばロビー階)とそのフロアの情報を6階床分まで表示できるダイレクト登録画面で,もう一つの画面はテンキーが表示され,任意の行先階を数字入力できるキーパッド登録画面となる。

また,乗りかご内にカードリーダーを設置して操作パネルと連携すると,行先階が登録されたカード※)をカードリーダーにかざした際に,カードに登録された特定階のみを操作パネルに表示するため,利便性の向上が期待できる。

(株式会社日立ビルシステム)

※)
一つの行先階を登録したカードでは行先階を自動で登録するため,操作パネルに指をかざす必要はない。

[03]タッチレス操作パネル(試作機)のデモ操作・表示画面イメージ[03]タッチレス操作パネル(試作機)のデモ操作・表示画面イメージ

4. 中国市場向けホームエレベーターB2C事業の拡大

中国経済と人々の生活レベルが継続的に上昇するにつれ,ホームエレベーター市場も活発に発展している。特に個人顧客から,既存の別荘や複合住宅などへのホームエレベーター増設の要望が増加しており,製品需要が個性化して販売モードが多様化するなど発展が続いている。

このような市場環境の中,ホームエレベーター「VGE」の製品の優位性を高めるために,意匠刷新による高級感の演出や安心・安全・快適に関する機能充実化を図り,B2C(Business to Customer)向けに最適化した(2021年3月発売)。また,昇降路寸法縮小と低騒音化を実現するベルト式ホームエレベーターを新規開発し,製品ラインアップを充実させた(2021年7月発売)。さらに,公式サイトやオンラインショップでの宣伝・販売や,体験型オフラインショップによる製品体験の提供という新たな販売ルートを採用し,ホームエレベーターの総合的なB2C事業戦略を策定することで,発展を続ける中国のホームエレベーター市場への貢献に取り組んでいる。

[日立电梯(中国)有限公司]

[04]B2C向けホームエレベーターの概要[04]B2C向けホームエレベーターの概要

5. タッチレスで快適な移動を提供するマンション向けセキュリティ

マンションのエントランスの自動ドアとエレベーターの乗り場ドアの2か所をセキュリティ制御する,マンション向けセキュリティシステム「ダブルセキュリティ」の認証方法に顔認証を追加した。

従来のダブルセキュリティは,IC(Integrated Circuit)チップを内蔵したキーやカードなどの認証デバイスでドアの解錠を行うシステムであったが,顔認証を採用することで認証デバイスを使用せずにタッチレスでエントランスの入場から居住階へのエレベーター移動が可能となり,買い物帰りなどで両手がふさがった状態でもスムーズに居住階へ移動することができる。また,本システムの特徴として,エントランスやエレベーターの乗り場に設置した防犯カメラの画像を認証に利用することができ,利便性と防犯を兼ねた新たなマンション向けサービスとして,マンション利用者へ新たな価値を提供する。

(株式会社日立ビルシステム)

(2022年10月発売)

[05]マンション向けセキュリティでのタッチレス移動イメージ[05]マンション向けセキュリティでのタッチレス移動イメージ

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