1. サステナブルファイナンスプラットフォーム
昨今,気候変動などの社会問題解決のため,サステナブルファイナンス市場が拡大している。しかし,発行体企業にとっては,プロジェクトが生み出す環境・社会への効果(インパクト)に関するレポート作成の負担が大きい。また投資家は,各投資案件を正確に比較するためにインパクト指標の高い透明性を求めている。
サステナブルファイナンスプラットフォームは,投資対象のグリーン設備からデータを取得し,ブロックチェーンを活用して改ざんできない形で多様なインパクトを計算するものである。株式会社日本取引所グループが2022年6月に発行した国内初のグリーン・デジタル・トラック・ボンドに採用され,インパクトレポート作成業務の効率化を図るとともに,投資家がいつでも透明性高くインパクトを参照できる仕組みを実証中である。
今後は,取り扱う設備の種類の拡大や第三者検証業務支援などの機能拡充により,サステナブルファイナンス市場の課題解決に寄与していく。