半導体製造・検査装置コネクティブインダストリーズ
1. 次世代デバイス計測に対応した高加速CD-SEM装置CV7300
半導体の高性能化や高記憶密度化により,半導体製造プロセスの微細化と積層化が進んでいる。これに伴い生じた新たな計測ニーズに応えるため,CV7300形日立高加速CD-SEM(Critical Dimension-scanning Electron Microscope)装置を開発した。
主な特長は以下のとおりである。
- 高加速電圧化
3D-NANDの階層が深くなるにつれ,パターン観察時に高加速電圧が必要となる。最大加速電圧を60 kVまで引き上げ,200層以上の深穴・深溝計測への適用が期待される。 - 多点計測のさらなる高速化
DRAM(Dynamic Random Access Memory)では微細化が進み,今後EUV(Extreme Ultraviolet)の適用も見込まれるため,多点オーバーレイ計測による露光条件の高精度補正ニーズが高まっている。より高速な多点計測を実現するためオートフォーカス改善,AI(Artificial Intelligence)適用,高感度BSE(Back Scattered Electron)検出器,高速駆動ステージなどの新機能を搭載し,スループットを向上させた。
装置間の測長値差を低減し,装置の信頼性をさらに高めることにより,最先端半導体デバイス製造の高歩留まりと品質向上に貢献していく。
(株式会社日立ハイテク)
2. 半導体製造を支える次世代プラズマ制御技術
先端半導体デバイスの三次元化や複雑化の進展に伴い,半導体製造装置には高い加工性能が必要とされている。株式会社日立ハイテクは,この要求に応える次世代プラズマ制御技術をエッチング装置において開発した。
新しく開発した高精度パルスによるプラズマ制御システムでは,プラズマ調整の設定自由度を格段に向上させ,粗・密パターン間での均一な形状制御を実現した。また,数十ヘルツ程度の低周波電圧によるウエーハ表面電荷除去技術を開発し,表面電荷によるイオン軌道の乱れを抑制することで,10 nm以下の狭開口パターンでもエッチング精度を向上させることが可能となった。
最新のパルス制御技術は現在顧客サイトにて評価中であり,また電荷除去技術はすでに顧客量産工程に採用されている。今後も顧客の最先端半導体デバイス製造に貢献する製品開発を進めていく。
(株式会社日立ハイテク)