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ご挨拶先進的なデジタル技術で,活気に満ちた現場とサステナブルな社会の実現へ

小島啓二 日立製作所
執行役社長兼CEO
小島啓二

平素より日立グループへ格別のご高配を賜り,厚く御礼申し上げます。「2025年 日立技術の展望」の発行にあたりご挨拶申し上げます。

近年,気候変動による地球温暖化,少子高齢化に起因する労働人口の減少といった従来の社会課題に加え,国際情勢の流動化などさまざまな問題が山積し,人々の生活や社会・経済活動に多大な影響を及ぼしています。

こうした中,日立は,データとテクノロジーを活用してお客さまと共に社会課題を解決する社会イノベーション事業のグローバルリーダーをめざし,10年以上にわたるトランスフォーメーション・ジャーニーを続けてきました。

「社会イノベーション」は,日立が持つIT×OT(Operational Technology)×プロダクトの強みを生かし,顧客協創によって社会課題を解決する事業ビジョンです。私たちは,複雑化する社会課題を解決するため,先進的なデジタル技術の活用によってイノベーションを推進する「Lumada」を2016年に立ち上げました。以来,日立はLumadaを主軸にデジタルセントリックな企業をめざして邁進してまいりましたが,昨今の生成AI(Artificial Intelligence)の爆発的な普及など,技術の進歩はとどまるところを知りません。ITの歴史を変えるともいわれる生成AIは,これからの日立に欠くことができない転換点ともいえる技術革新です。

しかし,この革新的な技術を活用できるように社会を変革していくには,データセンター需要の急拡大,半導体や変圧器の不足,電力不足の深刻化といった課題に対応していく必要があります。また,人員不足が深刻化する中,生成AIだけでなく,メタバースやロボティクスなどの先進技術を活用したオフィスワーカー,フロントラインワーカーのさらなる生産性向上支援が求められています。

こうした課題に対処するためには,各企業の個別最適ではなく,産業界,金融界,行政が一体となった取り組みや,さらには教育・研究機関を巻き込んだ人財育成など,包括的なエコシステムの構築が必要となります。

日立は,AI,通信,VR(Virtual Reality),グリーンテック,ロボティクス,再生医療など多岐にわたる技術の開発に取り組み,スタートアップを含めたさまざまな分野のテクノロジーパートナーと積極的なコラボレーションを進めています。最先端のテクノロジーやビジネスモデルを事業にいち早く取り込むことで,お客さまや社会へ新たな価値を提案し,健全な地球環境と人々のウェルビーイングが両立する,サステナブルな社会の実現をめざしています。

日立の創業者である小平浪平は,近代化の波により,日本が大きく変化する時代に日立を起こしました。私たちが生きる現代社会も技術革新の連続により,その在り方が大きく変わろうとしています。これからも私たちは,「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念の下,One Hitachiでの挑戦を続けてまいります。

「2025年 日立技術の展望」では,今後の生活に欠かせない社会インフラやこれからのモノづくりを支える最新技術をはじめ,人々のウェルビーイングを高め,活気に満ちた現場を実現する日立の新たな取り組みをお届けします。ぜひご覧いただき,お客さまやパートナー企業との協創を通じてイノベーションを推進する日立グループのさらなる飛躍にご期待ください。