日立評論

特集「明日の科学と社会の発展に貢献する計測・分析技術」監修

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日立評論

計測・分析技術は,DNA(Deoxyribonucleic Acid)二重らせんやニュートリノ観測などの新たな発見を可能にして科学技術の発展に貢献するとともに,私たちの日常生活にも,健康診断での血液検査や食品の成分分析をはじめ,さまざまな恩恵をもたらしています。産業分野でも,研究開発や生産プロセス・品質管理などに計測・分析技術が活用されています。先進各国では,先端的な計測・分析技術は国家の科学技術競争力の強化やイノベーションの創出につながると認識されており,戦略的な研究開発投資が行われています。

このように,計測・分析技術は,科学と社会の発展を支える基盤といえます。本特集では,環境・新エネルギー,新素材,ライフサイエンス,エレクトロニクスなどのさまざまな分野における,計測・分析の最新の技術動向とソリューションをご紹介します。

「一家一言」では,理化学研究所創発現象観測技術研究チームリーダーをされている東北大学教授の進藤大輔氏に,最先端研究開発支援プログラムの助成の下で日立が開発した世界初の原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡への期待を寄稿していただきました。「Technotalk」では,最先端の計測・分析技術を研究開発に活用している第一人者の方々に,計測・分析技術の最新動向や将来展望を語っていただきました。さらに「特別寄稿」では,大学における最先端の研究成果や応用事例,日立と共同で行っている取り組みをご紹介いただいています。また,ドイツCEOS社のMax. Haider氏からは,原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡で世界最高分解能を可能にした収差補正器について,日立との共同開発の取り組みを寄稿していただきました。

論文では,最先端ニーズに応える日立グループのさまざまな計測・分析の製品やソリューションをご紹介しています。ニーズが多様化する中,計測・分析技術には,高性能化に加えて,それぞれの目的にあった新機能や,各種の計測・分析手段の連携・融合が求められており,そのような取り組みを数多く取り上げました。

今,日立グループでは,「コラボレーティブクリエーション(協創)」により,お客様やパートナーと課題を共有し,新たなビジネス・サービスを創出することに取り組んでいます。計測・分析技術は,とりわけニーズとのつながりが密接であり,Key Opinion Leaderとのコラボレーションによって最先端の技術やソリューションを創出しています。

本特集が,日立グループの計測・分析技術や製品・ソリューション開発の取り組みへのご理解につながり,皆様とともに新たな価値を協創するきっかけとなれば幸いです。

株式会社日立ハイテクノロジーズ 研究開発本部 企画部 主管技師
増田 俊夫

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